71.挽回
目を開けると、暗くて寂しい空間の中にいた。
「確か我は、パランを押して……」
ここに来る前のことは、なんとなく覚えている。でも、どうしてここにいるのかは分からない。
「ガゥ……ガゥ……」
どうにか出る方法はないかと考えていると、奥からか弱い鳴き声が聞こえてきた。
「お主は……」
姿を見ようと近付くと、そこには一匹の黒い魔物がいて……
「ガゥガゥ……ガゥ……」
こちらに気が付き、そんな鳴き声をあげる。
でも、何故だろうか?魔物の鳴き声の意味なんて分からないはずなのに、
―――もう同類を殺したくない、助けて欲しい―――
そう、聞こえた。
◆
「ア……アマダス!」
空高く飛ばされたアマダスを見て、私は思わず名前を呼んで立ち上がり、地面を思いっ切り踏み込んで、
「『解放』」
自分でも驚くほどの速度で飛び上がり、空中でアマダスを抱きしめる。
見た感じ怪我はしていない。腕や足がありえない方向に向いてもない。
私はそれに少し安心しながらも、何かあってはいけないと思い回復魔法をかけながら、ミラーナさんの近くに着地し、アマダスを地面に寝かす。
「ラト、アマダスとパランを」
「はぁ~い」
私とアマダスの様子を一瞬見て、ミラーナさんはラトにそれだけ言うと、私達を守るように一人で魔物と戦い出す。
それを見送ってラトは、私とアマダスの方に近寄りしゃがむと同時に、何かの魔法を使いすぐに顔を上げて言ってきた。
「パランさん、アマダスちゃんに怪我はないみたいですぅ〜」
「ほ、本当に?」
私はラトの言葉に少し首を傾げる。すると、ラトは続けて、
「もうすぐぅ〜、目覚めると思いますよぉ〜」
そう言ってきたので、私は半信半疑になりながらラトの目を覗き込んで、
「絶対ですか?」
少し低いトーンで聞いてしまう。でもラトは表情一つ変えることなく、柔らかい笑顔のまま、
「絶対ですよぉ〜、ほら」
「パ、パラン……」
「アマダス!大丈夫?どこか痛い所はない?」
「お、おう、大丈夫じゃが……パラン?」
「……良かった」
思わず私はアマダスに抱きついて言葉を零すと、アマダスは私の頭を撫でてくれながら、
「すまん、心配させたな」
謝ってきたので、アマダスの胸の中で首を横に振って、謝り返す。
「私こそ、ごめん」
すると、アマダスは慌てたように体を起こして、さらに謝って来る。
「パ、パランは悪くないぞ?我がもっと早く……」
そんなアマダスの謝罪を見かねたように、
「はいぃ〜、それは後にして今はあっちですよぉ〜」
ラトが無理矢理言葉で遮って、魔物の方を指差す。
それにアマダスは口を閉じて、私もアマダスから離れ、お互いに手を繋いで立ち上がる。それを見てラトは、
「最後の山場ですぅ〜、そろそろお姉ちゃんが戻ってくるのでぇ〜、その時になったらぁ〜、皆で行きますよぉ〜」
どこか楽しそうな声でそう言い、ミラーナさんに視線を向けた。
それにつられて私達もミラーナさんを見る。すると丁度魔物の足をまた一本斬った所だった。けれど凄いのが、
「再生する速度が遅くなってる」
明らかに魔物は息が上がっており、再生速度も落ちていた事であり、
「前よりも速くなっておらんか?」
ミラーナさんの動きが最初に比べて速く、本当に無駄なく、綺麗になっていた事。
「ふふっ〜、最近お姉ちゃん戦ってませんでしたからねぇ〜、きっと楽しいんですよぉ〜」
そんなラトの言葉通り、また魔物の下に潜り込んだかと思うと、地面を抉るほどに踏み込んで一気に足を四本全て跳ね、体に有り得ない数の斬撃を叩き込み、血が吹き出す前に下から今度は上を取り、上にも無数の斬撃を叩き込んで、空中を蹴ってこちらに一瞬で帰ってきたかと思うと、
「おはよう、アマダス」
とっても明るい笑顔で、そう言ってきた。
こんにちは、こんばんは、作者です。
なんと2023年も今日で終わり、2024年へと移り変わるわけですが、本当に遅いようで早かった楽しい一年でした。
この作品も想像以上に読まれまして、一話でも読んでくれた方、評価をしてくれた方、感想を書いてくれ方、今これを読んでいる方、凄く感謝しております!
作者はですね、2020年の11月からこのサイトで小説を書いているので、なんやかんやで執筆歴三年を超えたわけですが、やっぱり小説を書くのは楽しいですね。
まだまだ未熟者なので、この先も末永く書ければと思っています。
では話を変えまして、新作を2024年のどこかで書けれたらなー、なんて思っているんです。
百合小説はこの作品で二作品目で、一作品目興味がある方は一番下にスクロールしてもらって、作者マイページから飛んで読んで欲しいのですが、作者はエロい百合小説を書きたいんです!
この作品あまりエロくはないので、三作品目はエッチな物にしたいなー、なんて考えているわけです。
そして!この作品もちょっとエッチにしたい!なんて考えているのですが、どうでしょう?
もっと濃い絡みを増やしていけたらな、とは考えているんです。なので皆さんのご期待に添えれるエッチな作品になれればな、とも思っております。
まあ正直、作者も来年どうなるのかは分かりません。なので取り敢えず、この作品来年も読んでください!
そして、エッチな百合小説の新作を書きます!出来たら言います!
では、2023年と皆様に感謝をしつつ、2024年が素晴らしい物であることを祈って、お別れとさせていただきます。
来年もよろしくお願いします!
面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、
☆☆☆☆☆
↓↓↓
★★★★★
広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンもポチッと!
よろしくお願いします。




