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64.地図

 

「パラン、見つけたぞ!」


 魔法使いを探しながら歩き始めて十秒。アマダスが女性の魔法使いをみつけて指を指さす。


 正直どうすれば雇えるかとか、交渉が上手くいくコツとか全くもって分からないけれど、取り敢えず話を聞いてみないことには分からないので、私は緊張しながらも声をかける。


「あのー、ちょっといいですか?」


 私の声に魔法使いの女性は立ち止まって振り返り、ニコッと笑って言葉を返してくれる。


「何かご用ですか?」


「あの、魔法使いの方を雇うのって、どうすればいいのか聞きたくて」


「なるほど。そうですね……基本は直接交渉するか、魔法局に行って魔法使いを探すか、の二通りですね。直接交渉は言葉の通りで、魔法局に行く方は要件要望にあった魔法使いを探せて、すぐに雇えます。お金はちょっと後者の方がかかりますけどね」


「な、なるほど。それなら、あなたを雇いたいんですけど……」


 魔法使いの人の分かりやすい説明に頷き、私が続けてそう言う。すると、首を傾げながら慣れたように聞いてくる。


「内容を聞いても?」


「ぬいぐるみの持ち主を探す、です」


「んー、私には難しいですね。何か物や人を探す時には【魔力探知】って魔法が必要になるんですが、そういう器用で習得が大変な魔法は(くらい)がちょっと高い人じゃないと使えないので、魔法局に行った方がすぐ見つかりますよ」


「分かりました。わざわざありがとうございます」


「あっ、待って下さい。場所分りますか?良かったらこれを」


 私がお礼を言って立ち去ろうとした時、ローブのポケットから魔法使いの人は地図を出してくれ、私に手渡してくれる。


「これは……」


「おっ、地図じゃろ!」


「はい。他の王国から来たようだったので」


「ありがとうございます」


「いえいえ、気にしないで下さい。それでは」


 魔法使いの人が手を振ったので、アマダスが手を振り返し、笑顔のまま魔法使いの人は歩いてどこかへ行ってしまう。


「優しい魔法使いさんだったね」


「おう!じゃか、パランの方が優しいぞ!」


「それはないない。私以上に優しかったよ。それじゃ、魔法局に行こっか」


「いや、パランの方が優しいぞ!」


 何故か意地を張っているアマダスに、ありがと、と言って地図を見る。ここから少し離れてはいるけれど、面倒くさくなる距離って訳じゃない。


「アマダス、まずはこっち」


 私は地図を見ながら迷うことなく進んで行く。そうしてしばらく歩くと、目の前にお城とは少し違う、不思議な大きな建物と……


「凄いぞ、パラン!何か丸いものが浮いておる!」


 どこか幻想的にふわふわと浮いている、青と緑の玉が見えた。それに、玉の周りには金色の輪がゆっくりと回っている。


「なんだろうね、これ。でも、すごい」


「おう!何て言うんじゃろうな?」


「んー、まあ魔法局の人に聞いてみたら分かるんじゃない?アマダス、先に入って魔法使いを探そうよ」


「そうじゃな。パランの言う通りじゃ。行こう!」


 取り敢えず私とアマダスは、よく分からない玉の横を通って奥にある魔法局へと向かう。そして、開かれている扉をくぐり中へ。


 中は冒険者協会とは全く違いものすごく綺麗で、いつも怠けている冒険者とも違い魔法使いは忙しそうに歩き回っている。


「あっちが受付だね」


 私は感心というか尊敬しながら受付へと行く。受付には人がほとんど並んでおらず、すぐに声をかけられる。


「依頼ですか?それとも、魔法使い志望ですか?」


「依頼で、ぬいぐるみの持ち主探しを手伝って欲しいんですけど……」


「分かりました。人探しですね。少々お待ち下さい」


 手際良く書類を書いて奥に行った受付の人に驚きながらも、私とアマダスは少しの間受付の前で雑談をして時間をつぶした。

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