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63.運良く前進

 私とアマダスが馬車に戻って少し時間が経ってから、馬車は再び走り始める。


「お嬢ちゃん達があんなに強いなんて……運賃は払わなくていいからね」


 御者のおじさんの言葉に、アマダスは首を傾げながら私に確認してくる。


「お金は払わんでいいって事か?」


「うん。ちょっと申し訳ないけど、ありがとうございます」


「気にしなくていいよ」


「おおっ!やったな!」


 お金を払わなくても良くなって、はしゃぐアマダス。それを見て私もちょっと嬉しくって、微笑む。


「ブラックウルフもそこそこ高く売れるから、そこも得したね」


「おー、そうなのか!いい事ばっかりじゃな!」


 それからは特に問題もなく進んで行き、気が付けばアトヤ王国へと着いた。


「ありがとね」


「こちらこそ、ありがとうございました」


「またなー!」


 私達はおじさんが言った通り、運賃を払うことなく別れて、アトヤ王国の中へと入る。そして、私は軽く辺りを見渡してから、冒険者協会南支部を探す。


「あっ、あった。アマダス、最初はあそこに行こう」


「おう!」


 リーン王国の東支部もアトヤ王国の南支部も、どっちも似たようなでっかい建物だったから、すぐに分かった。


 少し離れてはいるけど、このまま真っ直ぐ行って適当に右に行けば着くはず。


 私とアマダスは一緒に手を繋いで歩き始め、初めて来たアトヤ王国をキョロキョロと見る、と、アマダスか指を指しながら、手を引っ張って言ってくる。


「パラン、パラン!我が昨日買った服みたいなのを着ておるぞ!」


「そうだね。あれは魔法使いだよ。アトヤ王国はリーン王国よりも全然魔法使いがいるからすごいよね」


「なるほどな!魔法使いも、それに冒険者も!色々おるぞ!」


 あんまり詳しいことは分からないけど、何故かリーン王国は魔法使いが少ない王国で有名と昔、師匠から聞いた。


 だからきっとアトヤ王国ぐらいが普通なんだろう。でも皆、色々な柄だったり色だったりの帽子やローブを着ていて、格好良かったり可愛いかったり。


 それに冒険者の防具やマントと違って、装飾品も華やかで羨ましい。帽子の先に星が付いてたり、マントがキラキラ光っている。


「アマダス、曲がるよ」


 アマダスも私も色々な新しい物や人、服装に魅了されながらも歩いて、あっという間に冒険者協会南支部に到着した。


「いつもと変わらぬな」


「そうだね、リーン王国の冒険者協会と変わらないね」


 ほぼ造りが同じ冒険者協会を前にそう言って、開けられている大きな扉の中へと入る。


 中も同じで飲食が出来る場所があり、受付がある。ただ少し違うのが、うるさい人がおらず何らやら少し深刻そうな顔をしている人が少なからずいる事。


 けどまあ、あまり気にせず受付へ。


「こんにちは。依頼達成の報告ですか?買い取りですか?」


「はい、魔物の買い取りを」


「分かりました。あちらに魔物をお願いします」


 ダンジョンで手に入れれる素材とは大きさが全く違うので、魔物は冒険者協会の端っこにある石の板の上に出す。


「アマダス、ここにダークウルフを全部出してくれる?」


「もちろんじゃ。……これでいいか?」


「はい、ダークウルフが五体ですね。どれも状態がとても良く、問題ありません。買い取り額は金貨一枚です」


「金貨一枚?流石に高すぎじゃ……」


「今、魔物が増えすぎて王国内で問題になっているんです。なので、魔物は全て買い取り額を四倍にしているんです」


 受付の人の言葉に、相当大変な問題なんだなと思いつつも金貨一枚を受け取って、冒険者協会から出る。


 そして私はアマダスに笑いかけながら、


「それじゃ、アマダス。ぬいぐるみの持ち主を探そっか」


 そう言って魔法使いを一緒に探し始めた。

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