6.光の集合
「アマダスって何歳?」
「分からん」
年齢は……やっぱり十歳前後に見える。だからまあ、十歳でいいかな。九歳だとなんか違うし十一歳は悪くはないけど、ちょっと背が小さい気がする。
よし。それじゃ、これでいいかな、とっ。
「はい。ありがとうこざいます。では、続いてはこちらに。魔法の適正検査です」
綺麗な字で書かれた名前と年齢を確認して、ナールは受付の奥へと私達を案内してくれる。
私も昔これをやったけど、あまりにもすぐに終わったから記憶があんまりない。でも、アマダスも私と同じで二種類の属性が得意だったら、ちょっと嬉しいな。
「それではアマダスさん。この石に触れて下さい」
冒険者協会受付の奥の部屋に着くと、ナールは大きな透明の水晶の結晶体を手で指す。
この水晶、別名共鳴石と言って、触れた物に宿った魂の色を反映する。
例えば赤く光れば、魂の色は赤なので、火魔法に適正があると言える。
そして私は、赤と緑が交互に光った。だから、火魔法と風魔法に適性があるという事。
適正がある魔法が二属性以上だと、交互に光ってくれるとても分かりやすい石。そして、値段も安い。だから、全ての冒険者協会の受付の奥にはこれが例外なく置いてある。
「これに触ればいいのか?それじゃ、えい」
ぴとっ。アマダスは平然と水晶に触れるが……特に何も変化は起こらない。
そんな様子にアマダス含めて、不思議そうに水晶を全員が見る。死者でない限り、共鳴石が反応しないと言うのは有り得ない。
アマダスは生きているはず。それなら、どうして……
そんな私の思考を途切れさせるように、共鳴石の中心が虹色に蠢く。そうして次の瞬間、共鳴石はとてつもない明るさで光り輝き……
「これは……白?……いえ、虹色です!。全属性に適性があります」
辺り一面が光に飲まれる中、テンション高めにナールは言う。
私は……どんでもない子を拾ったのかもしない。
二属性に適性がある人間は、十人に一人。
火、水、土、風、氷。全五属性に適性がある人間なんてのは、十年に一人出るか出ないか。それぐらいに稀な確率と言われている。どうやらアマダスは、すごい才能の持ち主らしい。
けれど……当の本人は、
「アマダス……?」
何かに魅了されるようにボッーと共鳴石の中心を見続けており、ゆっくりと触れていなかった左手も共鳴石を触る。
その瞬間、重いと感じる程の光がさらに私を襲う。……何か嫌な予感がする。
アマダスの姿形が完全に光に飲み込まれ、何をしているのかは分からない。でも、
「アマダス……アマダスっ!」
私はアマダスの名を呼び、光に飲み込まれる前の記憶を頼りに進んで行く。そうして気が付けば、アマダスを抱き締めて、共鳴石から引き剥がしていた。
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