57.はいてるって思ってたのに
「アマダスちゃんは、白色や寒色系がやっぱりよく似合いますが、もうその色たちは選んだので少し変えて、こんな感じの黒いワンピースはどうでしょう？」
ミークがそう言って手に取ったのは、大きめの黒いワンピース。少しドレスに近くスカートが二層になっており、一層目がシースルーになって透け、二層目がちゃんとしたスカートになっている。
装飾だったりも細かく、シースルーには花柄が施されていたり、黒いリボンが所々に付けられていて可愛い。
アマダスはそんなワンピースをミークから渡される。そして、
「一度着てみますか？」
そうミークに言われ、アマダスは頷いた。
試着室にアマダスは一人で入って、私は外で待ち、ミークはお会計に人が並んでいたので、そっちへ行った。
と、試着室のカーテンからアマダスの白い綺麗な手が伸びてきて、引っ張れたので中を覗くと、
「パラン、どうじゃ？」
物凄く可愛いアマダスが、少し大きいのかワンピースの胸の部分を持ってこちらを見ていた。
「とっても可愛いよ」
私がそう言葉をかけると、アマダスは嬉しそうに笑う。
「ちょっと大きいが、我、欲しいぞ」
「うん、もちろん！」
私は大きく頷く。アマダスの綺麗な銀髪と白い可憐な肌に、黒いワンピースはよく似合っている。
と、アマダスが手を離して、袖と肩にかかっている細い紐から手を抜き、ストッと黒いワンピースが落ちる。
それを見て、私は思わず大きな声を出そうとして、慌てて手で口を塞ぐ。
「どうしたんじゃ？あっ……パランは、我の裸が好きじゃったな。もっと見るか？」
「いやいや、見ないよ！というか……」
私は首を横に振りまくってそこで言葉を切ると、アマダスにぐっと近付いて、カーテンを閉めて小声で言う。
「下着、待ってないの？」
「下着？なんじゃ、それ？」
「えっ？いや……」
アマダスの表情を見るに、確実に嘘をついていない。てことは、アマダスを拾ったあの時も、ドラゴンを倒したあの時も、寝ている時も、今もノーパ……
「着れましたかー？」
いきなり聞こえたミークの声に、体はビクッと反応したけれど、なんとか声は抑えた。
私は取り敢えず、もう一度アマダスに黒いワンピースを着せて、カーテンを開ける。
「ミークさん。着方はこれで正解ですか？」
「はい！とっても可愛いですね！これも私が作った自信作で、テザインにとにかくこだわったんですよ！特にリボンの位置が中々に難しくって……あれ？少し大きすぎましたか？」
長々と話を続ける流れのはずなのに、何故か急にミークはそう言い出し、不思議がる。でも、ふと思い至ったように、
「あっ、分かりました！アマダスちゃんの胸のサイズが合ってないんですね。ちょっと待ってて下さい！すぐ直しますから。テナーさ～ん！」
ミークはすごい勢いでそう言って、テナーを呼びに行った。私は少し深呼吸をしてから落ち着き、優しくアマダスに言う。
「下着も後で買おうね。ここにあったから」
「ふむ、分かったぞ。じゃが、下着とはどんなものなんじゃ？パランは今着ておるのか？」
「ま、まあ、着てはいるけど……」
「なら、みせてくれ！」
気になって仕方のないアマダスのそんな言葉に、私は少し顔を赤くして、
「い、いつか、ね……」
そう小さく言葉を返した。
面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク！それと、
☆☆☆☆☆
↓↓↓
★★★★★
広告下の星を押してポイントを！ついでに、いいね！と思ったらいいね！ボタンもポチッと！
よろしくお願いします。
