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54.三つ編み

 ガランガランと重い鈴の音を鳴らして扉を開くと、奥にいた店員さん二人がこちらをぱっと見て、すぐに視線を戻した。


 お店の中にはそれなりに人がいて、服を見ては友達と相談したり、似合っているかと聞いたりしている。


 そんな中々に華やかな雰囲気の中で、私は綺麗に並べられて、かけられている服に少し圧倒されながらも、


「見よう、アマダス」


 アマダスと一緒に似合いそうな服を探して、お店の中を歩く。


 でも正直な話、私は服にそこまで興味がない。アマダスの服が一着しかない事が少し嫌だっただけで、私も持ってる服少ないし。


 そんな私は、ドレスにマント、スカート、ジャケット、ワンピースやら沢山の種類がある中で、アマダスに似合う服をみつけられない。


 それに、


「アマダスって、綺麗な銀髪だから何色が似合うのかもいまいち……」


「何か、お困りですか?」


 私が悩むというか困っていると、メガネをかけた三つ編みの店員のお姉さんが、どこか必死に話しかけてきた。


「お主は誰じゃ?」


 私がなんて返そうか一瞬迷った隙に、アマダスが首を傾げて聞く。


 すると、店員のお姉さんはアマダスにぐいっと顔を近付けたかと思えば、鼻息荒く口を開く。


「ここで働いてるミークです。あなたの名前は?」


「ア、アマダスじゃ」


「アマダスちゃん!可愛いね、服を選びに来たの?お姉さんが選んであげようか?」


「パラン……」


 急に早口になったミークにアマダスが引き気味に、私の名前を呼びらながらくっ付いてくる。


 私はなんか言ってやろうとミークを見ると、目が合って今度は私にぐいっと顔を近付けてきて、捲し立てられる。


「こんにちは、アマダスちゃんのお姉さん。とっても可愛いアマダスちゃんの服、私に選ばせてくれませんか?」


「えっ、いや……私、アマダスのお姉さんじゃなくて……その……」


 ミークの勢いに負け、私は言葉を詰まらせていると、


「こら、ミーク。お客さんが困ってるでしょ」


 ミークの頭を一撃叩く音と同時、そんな声が聞こえて、金髪のポニーテルのお姉さんがミークの背中から現れた。


「ごめんなさい。この人、可愛い子を見るとおかしくなる一種の病気にかかっているの。特に小さい子供なら、なおさらおかしくなるの」


「そ、そうなんですか……」


 慣れたようにミークの頭を無理矢理下げさせた金髪のお姉さんは、ミークを私達から引き離して、軽く説教をする。


 そしてすぐに、しょぼーんとした表情で近付いてきて、


「ごめんなさいでした」


 私達に頭を下げてきた。私は胸を撫で下ろしながら、落ち着こうと息を吐き出していると、


「気にするな。我も悪かった。服を選んでくれるのじゃろ?頼んでもいいか?」


 アマダスはそうミークにお願いをして、頭を下げる。それにミークは目を見開いて驚き、けれどもすぐに本当に嬉しそうな、心を写しているような優しい笑みを浮べて、


「もちろんです!アマダスちゃん!」


 大きな声でアマダスに返事をしてくれた。

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