表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/101

53.好きな人と好きな物を

 

「ご注文の品は全てお揃いですか?」


「おう!」


「では、ごゆっくり」


 アマダスが頼んだ料理が全てテーブルの上に並べられ、アマダスが目を輝かせながら私を見て言ってくる。


「パラン、食べよう!」


「うん、いいよ」


 私が頷くと同時、アマダスは取り敢えず目の前に置かれた特製ハンバーグに手を伸ばす。


「美味しい?」


「おう、すっごく美味しいぞ」


 アマダスが豪快に食べる姿を見ながら、私はまず味見しようとシルバーバードの唐揚げを一口食べてみる。


 全くもって聞いたことのない名前だけど、普通に美味しい。次に猫耳ネズミの丸焼きと小角(こつの)シシの煮込みを一口ずつ。そして最後、


「アマダス、一口ちょうだいよ」


「いいぞ、パラン。あーん」


 アマダスがすごい勢いで食べている、特製ハンバーグをもらった。


「うん、全部美味しいね」


 正直、こんなにも美味しいとは思っていなかったので、どれを食べ進めようか迷う。


 でもまあ、特製ハンバーグはアマダスのだとして……小角シシの煮込みかな。さっぱりしていて食べやすいし、お肉も柔らかいからあまり噛まなくていい。


 私はそう決めて、自分の前に小角シシの煮込みを持ってきて、食べ進めていく。


 それにしても雨が降る中美味しいものを食べていると、どこか違う世界に行ったみたいで楽しい。


 私はそんなちょっと浮かれた気分で、お店に入る前よりも強くなった雨音に耳を澄まして、小角シシの煮込みを最後まで食べていく。


 途中ちょっとアマダスに分けながらも食べ終わり、シルバーバードの唐揚げを少しと、猫耳ネズミの丸焼きを半分程食べて、後はアマダスに全部丸投げする。


「本当にいいのか?」


「もちろん」


「やったぞ」


 それからしばらくの間、アマダスが一人で残った料理を食べて、ペースを落とすことなくあっさり完食した。相変わらずアマダスはよく食べるなー、と思いながらささっと会計へ。


「銀貨四枚です……はい、お釣りは銀貨六枚ですね、どうぞ。ありがとうございました」


 アマダスが店員からお釣りを受け取ってお金を仕舞い、一緒にお店を出る。そして、空を見ながらアマダスに言う。


「アマダスこれからどうする?」


 外は雨が強めで、少し肌寒い。夜はきっともっと寒くなるので、出来れば宿屋には暗くなる前には帰りたい。


 アマダスは私の言葉に少し考えた後、ぱっと笑顔になって、


「んー、分からん」


 そう言い切った。でも、やる事なんてないし……


「あっ、アマダス、服は?」


「服?これがどうかしたのか?」


「いや、アマダスっていつも同じ白いワンピースで、これ以外は冒険者の防具しか持ってないでしょ?だから何か新しい服を買おうよ」


「服か、考えた事もなかったな。……良いぞ、買おう!」


 アマダスが頷いてくれたので、また頭の上に風魔法を使って歩き出し、服を売ってそうな場所を探し始める。


 あまり豪華なお店はなしとして……


「あそこ、どう?」


「おお、広い店じゃなー」


 数分探して、広くて綺麗な服屋さんをみつけた。私はそのお店にアマダスと一緒に扉を開けて、中へと入った。

面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

☆☆☆☆☆

↓↓↓

★★★★★

広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンもポチッと!

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ