52.五月雨
「濡れずにって、どうするんじゃ?」
「簡単だよ。頭の上で、これぐらいの風魔法を使うんだ」
「なるほどな……こうか?」
「そうそう」
アマダスと私は、頭の上で軽く風魔法を使って歩き出す。運が悪いと雨粒が通り抜けて、頭に当たる。そうなれば負け。このゲームは師匠が教えてくれたもので、結構運が絡むから面白い。
ダンジョンから王都まで残り半分ぐらいの時に、ゴロゴロと雷が鳴って雨が降り始める。なので、私はアマダスを見て言う。
「じゃ、始め。ちゃん当たったら言ってよ」
「もちろんじゃ」
それからお互いに濡れる事はなく、取り敢えず引き分けで王都ロエールに着いた。
「ここが、王都か。凄いな、人が沢山おって、建物もなんか凄いぞ!」
「そうだね。でも雨が降ってるから、今日は少し人が少ないね。晴れてる日はもっといるよ」
「そ、そうなのか……」
「はぐれないように、手は離しちゃだめだよ」
「おう!絶対に離さんぞ」
「それで、最初はどうする。ご飯を食べる?それともてきとうに歩いてみる?」
「ご飯、ご飯がいいぞ!」
「分かった。じゃ、お店を探そっか」
「やったぞ!」
キョロキョロと辺りを興味深そうに見るアマダスと一緒に、どこかご飯が食べれるお店を探す。
王都は私達がいつもいる場所よりも、断然お店が多くて多種多様なので、結構すぐお店は見つけれる。
けれど、ちょっと雰囲気が好きじゃなかったり、人が多かったりと、中々いい感じのお店は見つからない。
「中々ないの」
「しょうがないよ。王都は貴族が多いから、貴族向きの変なお店が多いんだ」
「……あっ、パラン。あそこはどうじゃ?」
アマダスがぱっと見つけて指を指したお店は、人が少なめの、看板に『肉』と書かれたお店だった。
「……うん、行ってみよ」
「どんな店なんじゃろうな」
「まあ、入ってからのお楽しみじゃない?」
私はそう言ってお店に向かい、扉を開ける。リンリンと鈴がなって、中に入ると、お客さんがちらほら。私達は空いている二人席に座って、メニューを見てみる。
「肉ばっかり……」
「本当か?楽しみじゃな」
メニューには、びっしりと色々な魔物肉の名前が書かれていて、肉料理以外はない。まあでも、値段は安め。
「アマダス、好きな物頼んでいいよ」
「やったぞ。そうじゃな……」
取り敢えずアマダスに全部任せて、料理が決めるまでの間アマダスを見ていると、読めない字を指さしながら聞いてくる
「パラン、これはなんと読むんじゃ?」
「シルバーバードの唐揚げ」
「これは?」
「猫耳ネズミの丸焼き……タレと塩どっちか選べるらしい」
アマダスに聞かれたところを読んでみて、我ながらおかしいとは思う。食べたことなんてないし、聞いたこともない。けれどそれからしばらく、アマダスに聞かれた事を答えて……
「決めぞ、それでどうするんじゃ?」
アマダスが頼むものを決めたらしいので、店員さんを呼んで注文する。
「特製ハンバーグと、シルバーバードの唐揚げと、小角シシの煮込みと、猫耳ネズミの丸焼きはタレじゃ」
「かしこまりました」
店員さんが注文した品を紙に書いて、奥へと消えていく。私はちょっとだけ不安になりながらも、料理が来るまでの間、アマダスとのんびり雑談をした。
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