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49.魔法修業

 パチッと目が覚める。辺りは暗く、申し訳ない程度に月明かりが窓から差している。すぐ下を見ると、アマダスが私にくっ付いて寝ており、寝息が聞こえる。


 私は先程見た夢はなんだったのかと、目を擦りながらアマダスを解き、ベッドから降りてあくびを一つ。


「ふぁ〜ぁ……不思議な夢を見てた気がする」


 あまり内容は思い出せないけど、何回もアマダスと呼ばれた気がする。今、私の体の中に満ちているアマダスの魔力が、そんな夢を見せてきたのだろうか?


 いや、そんな事が本当に……まあ、いっか。


 考えるよりも眠気が勝ち、急にどうでも良くなる。アマダスは毎日不思議な夢を見てるんだな、とだけ思って、アマダスの隣に寝ると、


「おやすみ」


 アマダスの手を握って目を閉じた。


 ◆


「パラン、パラン」


 朝、アマダスに体を揺らされて目が覚める。どうやら私は珍しく、アマダスよりも寝てたらしい。


「んっ……おはよう、アマダス」


「おー、やっと起きたか。パラン、下に行こう」


 起きてすぐ、ぼっーとする私を引っ張ってアマダスは一階に行き、パンを貰い、また部屋へと戻る。


 その頃になって私はようやく目が覚め、パンをむしゃむしゃ食べる。と、ふと外を見て気が付く。


「今日は曇ってるね」


 別に珍しい事ではないけれど、昼ぐらいから雨が降りそう。こういう日は一日、宿屋でゴロゴロと……


「パラン。ダンジョンに行こう!」


 パンを先に食べ終わったアマダスが、私に両手を広げて訴えてくる。


「何するの?」


 私は今日一日ずっと、宿屋にいたいのであまり行く気はない。なので、アマダスにそう聞くと、


「パランに魔法を教えるんじゃ!」


 嬉しそうにそんな返事をした。このアマダスの元気は、本当に羨ましい。


「またやってくれるの?」


「おう!」


「でも、何を?」


 そういえば、自慢って訳ではないけど、五属性の魔法全てを私は使えるようになったので、もうアマダスから教わることなんてないような……


「パランは、使えるようになっただけで、別に強いわけじゃないじゃろ?じゃから今日は、弱い魔物を倒せるぐらいの魔法まで練習するぞ!」


 弱い魔物を倒せるぐらいって……アマダス基準の弱いがどれぐらいかは分からないけど、大丈夫かな?


 でもまあ、強くなれるのなら強くなりたいし……


「分かった、アマダス。行こう」


「おう!行こう」


 アマダスと手を繋いで宿屋を出てダンジョンへ。そして一層から四層まで、完全に慣れたアマダスの後ろを付いて行き、五層の入り口に着く。


「五層でやるの?」


「そうじゃ。それでパラン。冒険者が来ない場所はあるか?」


「えっーと……あるにはあるよ」


「ならば、そこに行くぞ!」


 五層に入っていつもの道を少し進んで、そこから最短でも、魔物が沢山いるわけでもない、三つ目の道へと入る。そして、そこをしばらく進み、


「ここら辺なら、もう冒険者はほとんど来ないよ」


 丁度真ん中ぐらいの場所で止まり、アマダスの方を振り向く。アマダスは辺りを見渡したあと、


「やるか!」


 元気よくそう言った。

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