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47.ミートパイ

 極めれば強いと言われている土魔法。便利は便利なんだけど、難しい事で有名で、今みたいに地面が土ならまだ簡単。


 だけど、ダンジョンの四層より下みたいに、地面、壁、天井が石だと自分で土を出さないといけない。


 そうなれば、他の四つの魔法よりも、消費する魔力の量が多くなるので、魔力量もそこそこないといけなくなり、地面を操るのとはまた違う難しさがある。


 けどまあ、今回は取り敢えず地面を操ることに集中して、私は何回も魔力を込めては、失敗するを繰り返していく。


 もう一回……もう一回……


 アマダスにじっと見られながら、特に会話することなく続け、やがて太陽が傾きだして、少しずつ地面に落ちていく。


 土を出すんじゃなくて、操るだけでこんなに時間がかかるなんて、そう思いながらも同時に、こんなに長い時間付き合ってくれているアマダスの為にも、早くしないとそう強く思いながら、ただひたすらに繰り返して……


「ザザーっと……あっ」


 土がポコッと盛り上がった時、アマダスがまた私の腕を掴んで土の柱を創り、


「もう一回じゃ」


 私は集中して、アマダスが創った土の柱を真似するように、土魔法を使う。


「ど、どう?」


 そこそこの高さまで出来た土の柱から目を離して、アマダスの方を見ると、よく出来たと言わんばかりの顔で、


「パランは流石じゃな」


 嬉しそうに褒めてくれ、拍手してくれる。これでやっと、二つの魔法を覚えれて……すべての魔法を一応使えるようになった。


 私は半日弱、嫌な顔ひとつせず私に付き合ってくれたアマダスに、どっと襲ってきた疲れの中、それでもお礼を言う。


「アマダス、ありがとう」


「気にするな。それよりも、ご飯を食べに行こう」


 どうやらお腹が空いているらしいアマダスは、私に手を出して、そう言ってくる。


 だから私はその手をとって、


「いいよ。行こう、アマダス」


 手を繋いで一緒にアマダスと歩き出した。


 ◆


「今日は何食べる?」


「……何でも良いぞ」


 昼ご飯を食べていないアマダスは、王国に戻る道すがら急に元気をなくして、小さな声で元気なさそうに私に返事をしてくる。


 お昼一食抜いただけで、こんなに元気がなくなるんだ……何か美味しいご飯ないかな……


「あっ、あの屋台……」


 辺りを見渡して、ご飯を探してみると、ミートパイを売っている屋台を見つけて、


「アマダス、今日はミートパイにしよっか」


「何かは分からんが、良いぞ」


 アマダスが頷いてくれたので屋台の前まで行って、大きなミートパイを一つ頼んで少し待つ。


 その間、お腹の空いているアマダスは、辺りに漂う匂いによだれを垂らしながら、こっちをじっーと見てきて、


「どうしたの?」


 私がそう聞くと、アマダスは少し間を開けてから、


「早く……ご飯を食べたいぞ……」


 少し鼻息荒くそう言って、私の手を握り込んでお腹に顔を埋めて来る。


 と、頼んでいたミートパイが来たので受け取り、一切れだけ取り出して、


「アマダス、ほら」


 どんなものかとお腹にいるアマダスにあげてみると、むしゃむしゃと頬張ってから、


「美味い!」


 そう言って手を出して、もう一切れ要求してくる。


「これで最後。残りは宿屋に帰ってからね」


 私はまた一切れ取り出してアマダスにあげ、歩き出す。すると、その後ろをアマダスが口を忙しなくもごもごしながら追いかけて来て……


「アマダス、待つから。ゆっくり食べて」


 歩いた事を少し反省しながら、アマダスが食べ終わるまで待って、また一緒に歩き出した。

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