45.氷魔法
どちらからともなく離れて、私は後ろを向くとアマダスにお礼を言う。
「アマダス、ありがとう」
「気にするな!それよりもパラン、もう一回じゃ!」
アマダスは私の顔を見ながら、嬉しそうに笑ったまま言うので、言われた通り私はまた氷魔法を使ってみる。
手を上に向けていつも通りに魔力を込めた瞬間、パキッという音と共に、アマダスよりも大きな拳二つ分ぐらいの大きな氷の塊が現れた。
私はびっくりして、目を見開く。まさかこんなにも早く、氷魔法が成長するだなんて……私は驚きすぎて、ただじっと自分が創った氷を眺めていると、
「上出来じゃ、パラン!」
アマダスが嬉しそうに私を褒めてくれた。私はそんなアマダスの声にひとまず、お礼を言う。
「ありがとう」
するとアマダスは大きく頷いてから、
「おう!じゃがまだじゃ!あと何回かやって慣れれば、文句なしの出来になるぞ!」
先生のような事を言ってきた。そんなアマダス先生の言葉に私はもう一度氷魔法を使う。
「良いぞ!」
またまたアマダスに褒めてもらい、私、アマダスみたいに強くなるんじゃない?なんて思いながら、成長してから三回目の氷魔法を使った瞬間、意識がふっと遠のきそうになり、よろけて倒れそうになる。
この感覚……魔力が底をついた時の……
私がぼっーと重力に引っ張られて、地面に近づいていると、アマダスが支えてくれて痛い思いをせずに済む。
と、力が入らなくなった私をアマダスはぎゅっと抱きしめて……
「上手く出来ておるぞ、パラン。あと五回、頑張るんじゃ」
私の耳元でそう囁くと、また私の体の中にスッーと温かいアマダスの魔力が入ってきて……頭の先から足の指先までの体の感覚が一瞬で戻ってくる。
私は足に力を入れて踏ん張り、自分だけの力で立ち言われた通り、氷魔法を連続で使う。
そしてまた三回使った所でくらっときて……
「あと二回じゃ。魔力が尽きたら我が分ける。気にせず最後まで使い切るんじゃ」
私は抱きつかれて魔力をもらい立ち直すと、私は集中して、四回目そして、右手を高く上げて最後五回目の氷魔法を使った。
五回目は何本か尖った槍のような氷が現れて……離れたところにそれを放つと、なんとか倒れるのを我慢して私は深呼吸をしてから、アマダスに、
「アマダス、どうだった?」
魔法の出来を聞いてみると、嬉しそうににっこりと笑って、ぎゅっと私の胸に顔を埋めてから、
「上出来じゃ。次は、水魔法じゃな」
魔力を私に送ったかと思ったら、休憩もなしに次へ。
「待って。ちょっと休憩を……」
「パラン。水魔法はな、こうじゃ」
私の言葉を無視して、アマダスは手のひらを上に向けると、凝縮するように水の玉が現れた。
確か、冒険者の中で一番人気のない水魔法。まあ、あったら飲み水には困らない程度で、あまり攻撃向きでもなければ、火魔法の防御ぐらいしか使い道がないって言われてるし、使う時あるのかな?
私はそう考えなら、休憩も兼ねて試しに聞いてみる。
「アマダス、水魔法って役に立つの?」
私も答えられない質問にアマダスは少し悩んでから、いきなり土魔法を使って私の身長ぐらいの土の柱を創ると、
「こうすれば……役に立つぞ!」
水を刃みたいにして、すごい速度で土の柱に当てた。すると、真っ二つに土の柱が切れ、地面へと落ちる。私は驚きというか、引き気味に行動で納得させられて、頭を悩ませながらぽつりと言う。
「すごいね……私、覚えれるかな……」
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