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38.もしかすると?

 

『無窮の扉・第五層』


 五層に降りて、アマダスは辺りを見渡すと、私の方に視線を向けて、口を開く。


「四層とあまり変わらぬな」


「そうだね。四層からだいぶ下までは、この景色が続くよ。でも、魔物は強くなるから気を付けてね」


「分かったぞ」


 アマダスの返事を聞いて、五層を進み出す。取り敢えず、六層に続く階段の前まで行って、帰るときに魔物の素材を集めよう。このままだとゴブリンの素材がほんの少しだけだから。


 六層へと続く道を迷うことなく進みながら、魔物と遭遇したらしっかりと倒し歩いていると……


「あれはなんじゃ?」


 アマダスは初めて見るであろう魔物を見つけた。


「あれは、スケルトンていう魔物だよ」


「骨だけじゃな……どうすれば倒せるのじゃ?」


「頭を攻撃すれば倒せるよ。切ったり砕いたり叩き割ったり」


 私のその言葉を聞いてすぐにアマダスは走り出すと、壁を使って綺麗にスケルトンの頭を真っ二つに切った。


 頭が二つになったスケルトンは力なく地面に倒れ、そんな様子をアマダスは興味深そうに見る。と、何秒かの間見続けたあと、こっちに戻って来た。


「不思議じゃな。どこから来たんじゃろうか」


「それはね、ダンジョンの謎ってずっと言われてんるだよ。それに、ダンジョンがどう出来たか、とかも分かってないんだ」


「そうなのか」


 昔からダンジョンは謎が多すぎて、分かっている事なんて、ちょっとだけ。でも……


「一つ面白い事があって、理由は分からないけど、ダンジョンの魔物って下の層に行く階段の近くには寄り付かないんだよ。だから、十層より下は大体、階段の近くに冒険者がいるんだ」


「なるほどな。確かに階段の近くは広くなっておったし、休憩するには丁度いいな!パランと行きたいぞ」


「うん。今度一緒に行こうね」


 それから、ゴブリン、スケルトンそして五層では珍しいスライムを難なく倒していき、五層の中間ぐらいを通り過ぎた。


「あそこが丁度半分ぐらいの場所だから、半分切ったよ」


「本当か?それにしても、パランはよく道を覚えておるな!」


「五層まではね。六層からは地図を使わないと分からないよ」


 ダンジョンの道は下に行くに連れて、複雑さを増すけれど、六層からはそれが顕著になる。下手したら一時間かかっても六層から抜け出せない、なんて事もある。だから、六層からは地図に頼るのが基本。


 と、アマダスが首を傾げながら聞いてくる。


「パラン、地図とはなんじゃ?」


「えっーとね……これ」


 いつも服の中に入れている、六層から十層の地図を取り出して、アマダスに見せる。


 アマダスは地図に興味津々のようで、ペラッ、ペラッとゆっくり薄い紙の地図を端から端まで見て……


「覚えたぞ!」


 どこか満足げにそう言ってきた。


「う、嘘でしょ……」


「嘘じゃないぞ?」


 アマダスの言葉は、確かに嘘をついてはいなさそうだけど……あんなに複雑なものを一瞬でなんて……


 でも、アマダスだしあり得ないとは正直言い切れない。それにここで嘘なんてついてもどうもならないし……


「な、なら、今度六層に行く時は、アマダスが案内してよ」


「おおっ!もちろんじゃ」


 ちょっとだけアマダスの事を疑いながらも、返された地図を仕舞って、五層を進んで行く。


 そうして気が付けば……


「パラン、階段があるぞ!」


 六層の一歩手前までを、アマダスと一緒に攻略していた。

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