表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/101

33.耐え難し

 アマダスと一緒に手を繋ぎながら、路地を進んで行く。確か武器屋はこっちの道を……


「パラン、こっちに行こう」


 指を指しながら、初めてアマダスが道を決めたことに驚いて、私は思わず立ち止まってしまう。そんな私に首を傾げながら、アマダスは不思議そうに聞いてくる。


「どうしたんじゃ?」


「い、いや。こっちに行ったら、ちょっと遠回りになるけど、いいの?」


「全然構わん。パランと手を繋いで、長く歩けるということじゃろ?」


 嬉しそうにそう言って、ぎゅっと更に手を握ってきたアマダスに、どこかカウンターを食らった気がして、


「そ、それはそうだけど……」


 私は視線をそらしながらそれだけ返して、アマダスが言った道へと歩き始める。


 アマダスが指を指した道は、私はあまり選ばない細くて人通りがほとんどないであろう道。


 私はこういう道、少し不穏な空気があって好きになれないけど、どうしてアマダスは選んだんだろう?


 私はちょっとだけそれが気になって、アマダスの方を向く。


「『変更(チェンジ)』」


 その瞬間、そんな声が聞こえた。私は一瞬戸惑って……でもすぐに状況を理解して、口を開く。


「ア、アマダス?何して……」


 その声にアマダスは頬を染めながらも、またメイド服になった私を上目遣いでチラチラと見ながら言う。


「も、もう一回見たかったんじゃ。パラン。もっと、見せてくれぬか?」


 その言葉に私は恥ずかしいやら、アマダスが可愛いやらで、頭の中がごちゃごちゃになる。でも、何故かアマダスだったらと……


「ちょっと、だけなら……」


 思わずそう返してしまう。その言葉にアマダスは少し笑顔を浮かべて、私から手を離すと私の周りを回って、色々な所を見てくる。


 私はどうにか気を紛らわそうと、アマダスと視線がぶつからない、上を見る。


 けれど最初から、こうするためにこの道を選んだのであろうアマダスは、私のことなんか気にしてくれず……


「ひゃっ♡」


 スッーと触られた。今、太ももとハイソックスの境界線を何回も。


 いきなり触ったり、抱きついたり、いつもとは調子の違うアマダスが、そうやってはしばらくの間、私の周りにいる時間が続いた。


「も、もういい?」


 やがて私が少し息を荒らげながら、壁に手をついてそう言うと、アマダスは私の様子に今更気付いたように離れて、申し訳無さそうな顔で、やっと心配してくれる。


「す、すまん!大丈夫か?パラン。つい夢中になってしまった」


「そうなんだ……服、戻してくれる?」


「もちろんじゃ。『変更(チェンジ)』」


 服が戻った私は、深呼吸をして息を整え、一旦落ち着く。そして、アマダスの方を向いてちょっと怒りながら、口を開く。


「どうしたの?急に」


 その言葉にアマダスはバッと私に抱きついて、私の顔を見上げながら言う。


「パラン……我はパランが好きじゃ」


「う、うん。知ってるよ」


 いきなりのアマダスの言葉に、なんとか言葉を返すとアマダスは私の胸に顔を埋めて、ぎゅっと私を更に抱きしめながら言う。


「メイド服を着たパランを見ておったら、不思議な気分になるんじゃ。初めて見た時は思わんかったが……その、今になって……抑えきれんくなったんじゃ……」


 恥ずかしそうに、恥ずかしい事を言うアマダスに、私まで恥ずかしくなってくる。まあ私も、分からないわけじゃない。でも、流石にちょっとやり過ぎ。


「こういう事、外だと恥ずかしいからだめ。分かった?」


 私の胸の中でアマダスがコクリと頷く。私はその可愛い頭を撫でながら、小さい声にならないように息を吸って、


「それと、二人っきりのとき以外もだめ」


 その言葉にアマダスは何度も頷く。そんなアマダスの顔を私は両手で挟んでから引き離し、瞳を覗き込む。そして最後だけは真剣に強く言う。


「メイド服はしばらく着ないから。着せたら怒るよ?」


「そ、そんな……」


 私の言葉に悲しそうな顔をして、そう返すアマダス。けれど、構うことなく私はアマダスの手を握り、


「武器屋に行こ。ほら」


 ちょっとぐずっているアマダスを引っ張って、赤い顔を見られないように武器屋へと歩き始めた。

面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

☆☆☆☆☆

↓↓↓

★★★★★

広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンもポチッと!

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ