33.耐え難し
アマダスと一緒に手を繋ぎながら、路地を進んで行く。確か武器屋はこっちの道を……
「パラン、こっちに行こう」
指を指しながら、初めてアマダスが道を決めたことに驚いて、私は思わず立ち止まってしまう。そんな私に首を傾げながら、アマダスは不思議そうに聞いてくる。
「どうしたんじゃ?」
「い、いや。こっちに行ったら、ちょっと遠回りになるけど、いいの?」
「全然構わん。パランと手を繋いで、長く歩けるということじゃろ?」
嬉しそうにそう言って、ぎゅっと更に手を握ってきたアマダスに、どこかカウンターを食らった気がして、
「そ、それはそうだけど……」
私は視線をそらしながらそれだけ返して、アマダスが言った道へと歩き始める。
アマダスが指を指した道は、私はあまり選ばない細くて人通りがほとんどないであろう道。
私はこういう道、少し不穏な空気があって好きになれないけど、どうしてアマダスは選んだんだろう?
私はちょっとだけそれが気になって、アマダスの方を向く。
「『変更』」
その瞬間、そんな声が聞こえた。私は一瞬戸惑って……でもすぐに状況を理解して、口を開く。
「ア、アマダス?何して……」
その声にアマダスは頬を染めながらも、またメイド服になった私を上目遣いでチラチラと見ながら言う。
「も、もう一回見たかったんじゃ。パラン。もっと、見せてくれぬか?」
その言葉に私は恥ずかしいやら、アマダスが可愛いやらで、頭の中がごちゃごちゃになる。でも、何故かアマダスだったらと……
「ちょっと、だけなら……」
思わずそう返してしまう。その言葉にアマダスは少し笑顔を浮かべて、私から手を離すと私の周りを回って、色々な所を見てくる。
私はどうにか気を紛らわそうと、アマダスと視線がぶつからない、上を見る。
けれど最初から、こうするためにこの道を選んだのであろうアマダスは、私のことなんか気にしてくれず……
「ひゃっ♡」
スッーと触られた。今、太ももとハイソックスの境界線を何回も。
いきなり触ったり、抱きついたり、いつもとは調子の違うアマダスが、そうやってはしばらくの間、私の周りにいる時間が続いた。
「も、もういい?」
やがて私が少し息を荒らげながら、壁に手をついてそう言うと、アマダスは私の様子に今更気付いたように離れて、申し訳無さそうな顔で、やっと心配してくれる。
「す、すまん!大丈夫か?パラン。つい夢中になってしまった」
「そうなんだ……服、戻してくれる?」
「もちろんじゃ。『変更』」
服が戻った私は、深呼吸をして息を整え、一旦落ち着く。そして、アマダスの方を向いてちょっと怒りながら、口を開く。
「どうしたの?急に」
その言葉にアマダスはバッと私に抱きついて、私の顔を見上げながら言う。
「パラン……我はパランが好きじゃ」
「う、うん。知ってるよ」
いきなりのアマダスの言葉に、なんとか言葉を返すとアマダスは私の胸に顔を埋めて、ぎゅっと私を更に抱きしめながら言う。
「メイド服を着たパランを見ておったら、不思議な気分になるんじゃ。初めて見た時は思わんかったが……その、今になって……抑えきれんくなったんじゃ……」
恥ずかしそうに、恥ずかしい事を言うアマダスに、私まで恥ずかしくなってくる。まあ私も、分からないわけじゃない。でも、流石にちょっとやり過ぎ。
「こういう事、外だと恥ずかしいからだめ。分かった?」
私の胸の中でアマダスがコクリと頷く。私はその可愛い頭を撫でながら、小さい声にならないように息を吸って、
「それと、二人っきりのとき以外もだめ」
その言葉にアマダスは何度も頷く。そんなアマダスの顔を私は両手で挟んでから引き離し、瞳を覗き込む。そして最後だけは真剣に強く言う。
「メイド服はしばらく着ないから。着せたら怒るよ?」
「そ、そんな……」
私の言葉に悲しそうな顔をして、そう返すアマダス。けれど、構うことなく私はアマダスの手を握り、
「武器屋に行こ。ほら」
ちょっとぐずっているアマダスを引っ張って、赤い顔を見られないように武器屋へと歩き始めた。
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