22.ギブで
頼んだ料理が来るまでの間、メニューを使ってアマダスに文字を教えてあげる。
「これは、オムライスって読むの」
「オムライス……なんだそれは?」
「ケチャップとご飯を混ぜて、その上に卵を乗せた物だよ」
「ご飯?ケチャップ?卵?」
アマダスが何度も首を傾げながら、私の方を向いて聞いてくる。一つ一つを答えているときっと大変だろうから、
「料理が来たら教えてあげる。今は、文字を覚えよ」
「分かったぞ」
「これは、フレンチトースト」
それからしばらく、アマダスに文字の読み方を教えてあげる時間が続き、気が付けばテーブルの上には料理が沢山並べられていた。
「おー、美味しそうだぞ、パラン!」
「本当だね、アマダス。それじゃ、食べよっか」
私の言葉を聞いて、すぐさま料理に手を付け始めるアマダス。これだけ沢山の料理を食べるなんて、人生で始めての経験で、少し緊張するけれど、私も料理に手を伸ばす。
「……美味しい」
今まで食べた中で一番美味しいオムライス。こんなにも美味しい物があるなんて……
「パラン、それは何じゃ?」
アマダスが私の料理を見ながらそう聞いてくる。
「これがオムライスだよ。これが卵で、これがケチャップ、そしてご飯」
「おお、凄いな!それじゃ、これは何じゃ?」
アマダスが指を指す先には、ハンバーグがある。私はそれを手にとって、一つずつ教えてあげる。
「これはハンバーグ。お肉をこねて丸めたものだよ」
「これは、これは何じゃ?」
アマダスの怒涛の質問に私は一つずつ答えながら、テーブルにある料理を一口ずつ口に運ぶ。
アマダスはハンバーグを始めとする肉料理をパクパク食べ、私は肉料理以外のフレンチトーストなんかを食べる。
私の食べる速度がだんだんと遅くなっていくのに、アマダスは一向に止まる気配がない。肉料理の方が重いはずなのに……
「アマダス、あーん」
結構キツくなってきたので、一口アマダスにサンドイッチをあげると、アマダスは喜んで食べてくれる。よし、この調子で……
「お返しじゃ!パラン。あーん」
「あっ、アマダス……」
……パクッ。アマダスから肉団子を貰って、限界が見え始めた私は、ちまちまサンドイッチを食べて、遠くを見る。
けれど、そんなことお構いなしにアマダスは……
「あーん」
そう言って、ステーキを一口くれる。やばい。普通にやばい。私なんで、こっからここまで、なんて馬鹿なことしたんだろう……
「アマダス……ちょっと休憩させて」
「わ、分かった。大丈夫か、パラン」
「う、うん。私が口付けたやつも食べていいからね」
「本当か?全部食べていいんじゃな?」
「うん、好きなだけ食べて……」
私はそう言い残してアマダスに寄りかかり、何も考えず静かに目を閉じた。
ゴールデンウィークなので出来るだけ投稿するつもりです。よろしくです。
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