20.成長と変化
「先に冒険者カードを……はい、ありがとうございます。では、少々お待ち下さい」
受付でナールに冒険者カードを渡し、私とアマダスは受付の近くで待つ。
冒険者協会の中は朝だからと、昨日怪我した人が多々いるのか意外と少なく、あまり騒がしくない。けれど、明らかにこっちを見ている冒険者が数名いる。
嫌な視線。明らかに何かを探っている様なそんな視線。
「アマダス、しばらくは一緒にいようね」
「もちろんだ!パラン!」
アマダスが嬉しそうに笑って、私の手を握り込んでくれる。本当……可愛い子。
「準備が出来ましたので、どうぞ」
ナールの低い声にビクッとしながらも、私とアマダスは受付へ。
「まずは、冒険者カードを。アマダスさん、すごいですね」
ナールから差し出された、アマダスの冒険者カードを見てみるとまず、黄色と緑色の線が二本入って線が五本になり、冒険者カードの欄が凄いことになっていた。
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アマダス 10才
エクストラ魔法
【炎魔法】【魔力把握】【魔力循環】
攻撃魔法
風魔法、土魔法、氷魔法、水魔法
支援魔法
【回復魔法 中】
称号
【ドラゴンを殺めた者】:相手に恐怖を与えるオーラが出せる。また、【魔力操作】【魔力認識】の干渉を受けなくなる。
____
「アマダス……魔法が全部使えるようになって、称号まで……」
「はい。そして火魔法、魔力認識、魔力操作が進化して、エクストラ魔法になっていますね」
確かに、エクストラ魔法が三つも……それに、火魔法が炎魔法って……成長が早すぎない?
私とナールがアマダスに凄いと視線を送っていると、もう一枚の私の冒険者カードにアマダスはどこか暗い表情で手を伸ばす。
「そうか……パランのカードはどうじゃ?」
「あっ……あんまり私のは……」
____
パラン 15才
エクストラ魔法
なし
攻撃魔法
火魔法、風魔法、氷魔法
支援魔法
【回復魔法 中】【解放】【魔力認識】【魔力操作】【魔力回復速度上昇 下】【集中認識】
称号
なし
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「パランもいっぱいあるな」
「そ、そうだけど……」
何も変わっていない。アマダスの方がよっぽど凄い。魔法も称号も……
「それでは、パランさんアマダスさん、こちらを」
私とアマダスが冒険者カードをしまい終えると、ナールは嬉々としてそう言い、ドサッと金貨が入っているであろう袋を出す。と、ナールは小声になって、
「気を付けてくださいね。冒険者協会もあまり公にはしていませんが、襲われるかもしれません。何かあればいつでも。それでは、どうぞ」
ナールはそう警告して、優しく言ってくれる。私はその言葉に返事をして、袋を受け取る。
「はい……お、重い」
「大丈夫か、パラン?我が持とう」
「いや、アマダスには流石に……」
「ほれ、我は平気じゃ」
嘘。私アマダスに筋力まで負けてるの?……あれ?もしかして私、全部負けてない?
「と、とりあえず、ご飯食べに行こっか」
「そうじゃな、行こう!パラン」
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