11.傍ら
アマダスの頭をしばらく撫でた後、私は頭から手を離して、アマダスの前に持ってくると次の魔法を見せてあげる。
「アマダス、これが風魔法だよ。魔力を風に変えるイメージ」
「分かったぞ!」
アマダスは私の真似をしてまたすぐ、風を手のひらの上で起こす。白い光がヒュッと輝く、綺麗な風を。
まさか炎魔法と風魔法をこんな短時間で出来るようになるなんて……これは、すぐに抜かされちゃう、そう思いながらまた、頭を撫でてあげようと私が手を伸ばすと、その手をアマダスは何故か掴んで、手をぎゅっと握ってくる。
「アマダス?」
「パラン。他の魔法も全部、教えてくれないか?」
「全部?えっーと……私は炎と風、それとちょっと氷魔法が使えるだけで、他の二属性は使えないの……」
私のその言葉に、アマダスは首を傾げながら問う。
「何故じゃ?」
「まあ、得意じゃないから、かな。向き不向きがあるんだよ……」
私のその言葉を聞いてアマダスは何か考え込む。そうして、思いついたように笑って、明るい声で言う。
「それなら、我が全部の魔法を覚えて、パランに教えてやろう。パラン、氷魔法を教えてくれ!」
そんなアマダスの声に、私は少しドキッとする。なんでだろう。何か少し……
でも私は一回息を吸って、考えるのをやめる。今はアマダスが言った通り氷魔法を……
「見ててね、アマダス」
私の氷魔法は小さい物しか作れない。飲み物を冷やす時に使うぐらいの魔法。でも、アマダスに教えられるなら……
「これ、冷たいな!面白いぞ!」
アマダスはそう言うと、すぐに真似て氷をだす。少し白く輝く、私よりも大きな氷を。
どうやらこれで、炎、風、氷を使えるようになったらしい。
「すごいね、アマダス」
私はそう言いながら頭を軽く撫でてあげる。
そうするとアマダスは嬉しそうに笑って、頭を手に押し付けてくる。
「パラン。魔法、面白いぞ!」
アマダスが言った何気ないその言葉が私はすごく嬉しくって、アマダスの嬉しそうな表情を見ながら、口からポロリと言葉が出た。
「ありがとう、アマダス」
そんなパランにアマダスは不思議そうに首を傾げる。
「パランが何故礼を言うのじゃ?礼を言うのは我の方じゃろ?」
「……いや、私も言わなきゃ……」
アマダスには沢山ありがとうって思ってるから。
「そうか。ありがとう、パラン。我は強くなって、パランを守りたいぞ!だからまず、あと二属性じゃったか、使えるようにならんとな」
アマダスはそう決意を固めたように言って、私の両手を握ると、微笑むようにしてアマダスは、柔らかく温かい声で言う。
「我の傍におってくれぬか?パラン」
私はそんなアマダスの言葉に、少し顔を逸らしながら、一言だけ呟くように答える。
「……うん」
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