10.白い炎
【魔力認識】【魔力操作】。この二つが魔法に置いての基礎中の基礎。だからこそこれが出来るようになれば、だいたいの魔法は習得可能になる。
私はこの二つを習得するのに、3週間ぐらいかかった。
だからアマダスもそれぐらいかかると思っていたのに……白い魔力をアマダスは身に纏い、ヒラヒラ……と言うかバサバサと髪と服を靡かせ、一瞬で習得して見せた。
そんなアマダスに思わず私は言葉が漏れる。
「す、すごいね……」
「すごいのか。我はやっぱり、すごいのか!」
私の言葉に反応して、アマダスは魔力を纏ったまま嬉しそうにくるくると回る。
そんな姿が一瞬天使のように見えて……不意に手を動かし、アマダスの頭をポンポンと撫でてしまう。
そんな私にアマダスは一瞬目を見開いて……でも、それからすぐに飛びっきりの笑顔で、
「えへっ!」
嬉しそうに目を瞑って、自分の頭を私の手に押し当て、笑う。
アマダスの身に纏っている魔力は、どこか温かくって、安心出来て……少しの間、私は頭を撫で続ける。
それから私はゆっくりと手を離して、
「次は、魔法に属性を持たせる練習をしよう。きっと、アマダスならすぐに出来るから」
「……もし出来たら、また、頭を撫でてくれるか?」
アマダスが首を傾げながら愛らしい瞳で見つめてくる。
そんなずるい顔で見られたら……
「……うん。いいよ」
頷いて返事をすると嬉しそうにアマダスは私を見て、口だけが小さくやった、と動く。
そんな可愛い姿に視線を逸らして、気を取り直す様に、
「それじゃ、やるから見てて。魔力を炎に変える。それをイメージして……」
手のひらを上に向けて、また魔力を纏ったパランは手のひらに魔力を集中させて、ボッと赤い炎を出す。
「すごいな、温かいぞ、パラン!我もじゃ!」
パランの炎に興奮しながら、アマダスはパランと同じように手のひらを上にする。そして、ボッと アマダスはパランと同じように炎を出した。ただし、白い炎を。
「アマダス、教えてないのに炎の色を変えられるの?」
パランだって、変えようと思えば色ぐらいは確かに変えられる。さっき纏った魔力も見やすいように赤にした。
けれど、一発で出来る程簡単な事じゃない。と言うか、さっきはアマダスが一発で、【魔力認識】【魔力操作】を習得したから気付かなかったけど、アマダスは何故か魔力が白い。
「アマダスって、どうして魔力が白いの?最初は普通、透明なはずなんだけど……」
「我は分からん。何となくじゃ。それよりも出来たぞ?頭を撫でて……くれるか?」
アマダスの瞳が寂しそうな瞳に一瞬変わって、表情が少しだけ暗くなる。
その顔は冒険者カードを作った時の魔導書云々の時と少し似ていて……私は深呼吸をして、
「アマダス。頑張ったね。本当にすごいよ」
優しい声で褒めてあげ、頭をわしゃわしゃと撫でてあげました。
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