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ルシア「まだ、間に合うかも。」
そんなことを、呟いてしまった。
ルイとクレイはギョッとした様子こちらを見てくる。
だって仕方ないじゃない。
こんな魔王、見てられないもの。
あぁ、でも。
私の言葉で顔を明るくした魔王を見ると、罪悪感しかない。
ごめんね、最初からあなたの意志にそう行動をしていれば。
魔王「ルっ、ルシア……間に合う、かなぁっ?」
涙目の魔王が詰め寄ってきて私に問う。
そんなの、行ってみなきゃわからない。
でも………
無言で魔王の頭を撫でる。
ルシア「行くよ、魔王。準備して。」
私を動かせるのは、魔王の笑顔だけだから。
あんたの泣き顔、見たくないのよ。




