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【書き直し】魔王メアの統べるところには。  作者: 紫暮りら
吸血鬼編
82/136

82 無味な時間

カチャカチャと、皿を叩くシルバーの金属音が食堂に響いていた。


食をするのは吸血鬼、キールただ一人。


少し離れたところにナタリーとメイド達が並び、少しの音も立てることなく立っていた。


いつも通り。


(つまらない食事だ。)


キールにとってこれは日常だったが、やはり大勢から見られているという意識は拭えない。


(味がない。)


そう思いながらも、顔に出さないようにして口に運ぶ。


ただ固いだけの肉を食みながら、キールはふと、今の秘書であるナタリーの過去を思い出した。


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