表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書き直し】魔王メアの統べるところには。  作者: 紫暮りら
はじまり
20/136

20 吸血鬼の求婚

数年経っています

「こんばんは、悪魔の姫よ。あなたの血を頂きに参上しました。」


……………


「「「だれ!?!?」」」





ルイ「吸血鬼ですか……」


キール「そうです!私は吸血鬼のキール。以後お見知り置きを、悪魔の姫。」


メア「は、はぁ…どうも。」


ルイ「どうも。じゃないですよ魔王様!!こいつなんなんですか早く追い出しましょう!!(小声)」


キール「そんな寂しいこと言わないでくださいよ、近侍さん。」


ルイ「ぬわぁあっ!?」




ルシア「…それで?吸血鬼が、なんのようなの?」


キール「おや…あなたからはあの汚らわしい天使の匂いがしますねぇ……あなたは悪魔ではないのですか?」


ルイ「悪魔とも吸血鬼とも仲が悪いって、天使友達いなさすぎかよ…」


ルシア「うっさい!!味方はいたし!!」


ルイ「その味方だった神に裏切られて悪魔にされたのはどこのどなただったですかねー?」


ルシア「ああ゛!?」


今ではすっかり仲のいいルイとルシア。



ルイ「いっやいや、仲良くありませんからね!?魔王様!!」


ルシア「そーよ!!なんでこんなやつと仲良くしなきゃなんないのよ!!」


メア「やっぱりなかよしじゃん。」


ルイ・ルシア「「仲良くない!!!」」


キール「あの〜私の話、聞いていただけます?」


ルイ「元はと言えばお前が天使の話を振ったんだろうが!!」


ルシア「そうだそうだ!!帰れ!!」


キール「なんて酷い…嗚呼、姫よ、貴方は私を追い返したりしませんよね?」


メア「うーん、そうだなぁ…ルイとルシアがお前に帰って欲しいと言うなら、追い返さないと…」


キール「そんなっ……」


ルイ「帰って欲しいです!」


ルシア「かーえーれ!かーえーれ!!」


キール「くっ……」


メア「悪いな、今日のところは帰ってくれ。」


キール「わ…かりました……」






メア「あっ、それとなキール、」


窓から飛び降りようとしていたキールが振り返る。


キール「なんでしょう、姫。」


メア「その姫っていうの、私じゃないと思うぞ。私は姫って柄でもないしな。」


そういって魔王は笑う。


ルイ「ガサツですしね。」


ルシア「どっちかというと、おっさん?」


メア「ふ、ふたりともぉー!!それはあまりにも酷すぎやしないか!?主に対して!!」


ルイ「本当のことですから。」

ルシア「ほんとのことだもん。」


メア「あー!!もうしらないっ!!ルイとルシアなんてしーーーらないっっ!!!」


そんな魔王を見て、吸血鬼はくすりと笑う。

愛情に溢れた眼差しを名残惜しそうに滲ませ、真夜中の闇に飛んだ。


こうして、当の吸血鬼を完全に無視し、魔王の一日は終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ