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【書き直し】魔王メアの統べるところには。  作者: 紫暮りら
ロイヤル編
134/136

134

(この籠は檻なんかじゃない。)


誰もいない、ただ広く静かな部屋で一人。


笑い声の絶えない談話室だった場所で、そう思った。



…あの時、走っていってしまった我が君を止めようと手を伸ばした瞬間。


黒い靄に包まれて。


次に目を覚ましたのは、失ったことに気づいた時だった。



主が帰ってくることは無かった。




八つ当たりだ。


止めなければいけないのに止められなかった。


助けたかったのに助けられなかった。


誰よりも自分がそばにいたかった。


そんなことを2人に向かって叫び散らした。



2人は私を責めなかった。


そのことがまた怒りをかき立てた。



いっそ死んでしまおうと思った。


我が君と同じところへ行きたいと。



でも、だめだった。


我が君の残したこの籠を見ていると、ただただ悲しくて涙が止まらなくなって。


嗚呼、私はこれ程までに貴方を愛していたのだと。


今になって気づいても、もう遅いというのに。


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