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13 私は仕事がしたくない
「魔王様!!」
「どうしたー?」
「はっ!偵察隊が、領地内に入ってきた怪しい匂いのする女の悪魔を捕まえたとのことです。」
「怪しい匂いの?女?」
私の配下に女は数える程しかいない。偵察隊全員が知らないとなると、侵入者だ。
「その女は、なんて?」
「はっ!質問には全くこたえず、低俗な悪魔が話しかけるなだとか、まるで天使が言うようなことばかり申しておりまして……」
「ふむ。ふむふむ。」
「ルイ、今日はもう仕事ないよな?」
「ありますよ何現実逃避してるんですか、全く……」
「でもなぁ?ちょっとだけ、ちょっとくらい時間くれたっていいだろ?な?」
「魔王様がゴロッゴロゴロッゴロされてたおかげで、全く進んでいないことをお忘れですか…はぁ、」
「……少しだけですよ。」
ルイがやれやれと言った様子で時間をくれた。
「ありがとう!ルイ!!」
笑顔がこぼれる。これで仕事に縛り付けられる時間が減った。
「よぉし、言質はとった!私をその女のところに案内しろー!!」
「はっ!」




