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ルシア「そういえばキール、あんた前に魔王シアの呪い受けてなかったっけ? 」
キール「嫌なことを思い出させますね…受けましたよ。それが何か?」
ルシア「なにかっていうか、単純な疑問。てっきり記憶改変が呪いなのかと思ってたけど、あの時あんたは血塗れで瀕死。あっちが呪いなら記憶改変なんてまだ優しいほうなのかなと思っただけよ。」
キール「…呪い、というのは比喩ですよ。私は彼に呪いをかけられたのではありません。むしろ呪いをかけられているのは魔王シア、彼の方です。私は『魔王シアにかけられている呪いに当てられた』んです。」
ルシア「…はぁ?」
ルイ「つまりシア様…は、何者かに呪いをかけられていて、それは襲ってきた者を傷つけるものである…と。」
キール「 ……まぁ、だいたいそんな感じです。」
ルシア「でも…それだと、まるで術師が魔王シアを守りたいかのように聞こえるわよ?」
ルイ「たしかに。」
キール「守りたかったんだと思いますよ。」
ルシア・ルイ「「は?」」
キール「…さて、城まではまだ少し距離がありますが、どうやら楽に進めるのもここまでのようです。」
ルシアは眼前に2人の悪魔がいるのを視認した。




