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123 過去回想②
『シア様、メア様を見かけませんでしたか?』
「いや、見ていないが…この時間なら部屋で勉強をしているはずだろう?」
『それが…最近よく抜け出されるようで。』
あの賢く周りの期待に応えようと頑張っていた妹らしくもない。
「お呼びでしょうか、父上、母上。」
『来たか、シア。』
『シア、驚くかもしれないけどよく聞いてね、私達は……』
『あっ、あにうえ!』
「やぁメア、勉強をさぼってこんなところで、一体何をしてるんだい?」
『う゛……あの、その…』
「ふふっ、別に責めているんじゃないんだよ。」
よしよしと優しく頭を撫でる。
「お前はお前のしたいことをすればいい。周りに何を言われようが関係ない。お兄ちゃんに気を使う必要も無い。メアは、どうなりたい?」
『わっ…わたしは……』




