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ルシア「……だったら、尚更ダメよ。」
キール「なに、?」
ルシア「あんた自身が納得してないんじゃないの!!」
キール「…怖いんだ。失った記憶を無理やりこじ開けられ、全てを思い出したメアが………その元凶である僕を、恨むんじゃないかって。」
ルシア「……ばっかじゃないの。あんたメアのこと好き好き言っといてなーーーんもわかってないじゃない!!…あのこはねぇ!隠し事をされるのが大嫌いなの!」
キール「…は?」
ルシア「前にあんたの城に行った時!!メアが号泣して縋らなかったら、今頃あんたはまだあの湿気った城にいたでしょうね。」
キール「………」
ルシア「…私は、魔王シアを許せない。許しちゃいけないと思う。だって、メアはそんなこと望んでない。私にはわかる。」
ルシア「でもきっと、この変化に悪魔達は気づいていない。なら、私たちでなんとかしなきゃ。…メアを愛してるなら……出来るわよね?」
キール「…っ、ぁあわかったよ!くそっ!!どうなっても知らないからな…」
ルシア「どうにかなるわよ。きっと。だって魔王シアの根本にあるものも、行き過ぎてしまっているだけで愛情だと思うから。」
だったらなんとか出来るかもしれない。…いや、してみせる。
それに、本当の姿をしたあんたのほうが、私は好きよ。
ルシア「…あっ、その前にキール。あんたに相談があるんだけど…………」




