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帰ると、治まっていた頭痛がまたぶり返した。
もうさすがに、その理由はわかっている。
「いった……」
そう小声でうめき、部屋に戻ろうとした時。
キール「…どこに行っていたのですか。」
暗闇からの突然の声に驚いた。
ルシア「わっ、キ、キールか…どうしたのよ?何かあった?」
私は平然を装う。
胸に湧く罪悪感に呼応するように、頭痛は続く。
キール「………」
じっとこちらを見つめるキールの眼は冷たい。
そこに込められているのは怒りだ。
私に対する…
キール「…随分と遅かったですね、能天使ルシエル。今までどこで何をしていたのですか?」
かけられた声は、空気が凍るように冷めきっていた。




