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【書き直し】魔王メアの統べるところには。  作者: 紫暮りら
ロイヤル編
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ルシア「これが……人間の街。」


リキ「思ってたのと違う?」


ルシア「わりと。こんなに進歩しているなんて、知らなかったわ。」


リキ「そっか。なら楽しめそうだな!」


ほら、またそうやって笑うの。


リキ「どこか行ってみたいところとかあるか?」


ルシア「初めて来たんだし、ないに決まって……ぁ、」


こんな時でも、あなたのことを考えてしまう。


ルシア「………美味しい食べ物のお店、とか。」


お土産を買って帰ったら、あなたが喜ぶかなって。


元のあなたに戻ってくれるかなって。


リキ「おっしゃ!食いもんな〜だったら………」


聞こえないや。


私、何やってるんだろ。


リキ「………ァ、ルシア!」


ルシア「………あ、」


リキ「おいおい、ぼーっとしてると危ないぜ?ちゃんと着いてこいよ。」


そうして手を引かれた。


私がこの人間の集う場所で襲われても、リキが危険だと思うようなことにはならないだろう。


でも、私はこの場所で、私以外の全てが弱い人間の街で。


誰よりも弱かった。


リキ「…ぅおっ……とと、おい、大丈夫かルシア?」


ルシア「…………結局、したかった話もしなきゃいけなかった話も、してないのを分かっていてまだいいやって放置して。」


リキ「ルシア……?」


ルシア「その結果がこれよ!みんな、みんな……おかしくなっちゃった…」


あぁ、どうしよう。


何もかももう遅いんじゃないかと思うと、怖くてたまらない。


ルシア「…私しか、知らないの……」


リキ、あなたの知っていた魔王は。


あなたが好きだった魔王は。


もう、私の記憶の中にしかいないのよ。

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