水晶龍
虹の輝き持つ水晶の鱗
それは日の光の下では白銀に輝き
わたしの元へと降りてくる
おいで、水晶の龍
わたしの龍
わたしを掴んで噛み殺せ
紅くきらめく水晶の瞳
それは遙か雲のむこうを見はるかし
わたしをきっと探し出す
おいで、水晶の龍
わたしの龍
わたしを捕らえて縛りつけ
虹の鱗に紅水晶の瞳
わたしを守る
わたしを愛す
わたしを愛でて
わたしを殺す
おいで水晶の龍
全てを解放して蘇る
おいで水晶の龍
約束を果たしに 永遠の龍
月の輝きの下では虹色に波打つその姿
夜の虹 星を喰らうもの 闇を往くもの
おいで水晶の龍
わたしの龍
わたしを乗せて彼方へと
風がわたしを打ちのめす
龍の力が絡みつく
いつか体は燃え尽きて
灰すら残らず 心も残らず
それはわたしをかけらも残さず
それはわたしを世界へ返す
白く輝く真珠の牙を
突き立て 壊して 食い散らかして
大気に散ったわたしの全てを
集めてまとめて爪を立て
つくり直して 水晶の龍
新しいわたしを
新しい体を
光と闇と虹とをまとめた豊かな体を
赦しとともに
約束の龍