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ROLL.11:急転。

階段を降りきると、今度はジメジメと湿った石の回廊だった。

ぴちゃん、ぴちゃんと水滴が石を穿つ音以外はには、ただオレたちの足音が響いているだけの虚ろな世界だった。

「まるで、ピラミッドみたいね」

綾瀬がポソリと呟く。

その顔には、地元にこんな所があったなんて…、と書かれている。

オレも同感だ。

「確かに。だがこれは…古墳に近いのではないか?」

綾瀬の呟きを聞き取って部長が言う。

いつもは冷静な彼も今は少し緊張の面持ちである。

「ピラミッドや古墳ならお宝があるんじゃない?古物商にでも売れば、ふふっ、将来安泰だわ…!」

「もう瑠奈!緊張感無さ過ぎだよ!」

葛木姉弟のこのテンションは何なのだろう。

遠足に来た訳じゃあるまいし。

つーか瑠奈そんな物欲キャラだったのか。

…それとも緊張の裏返しか。

んな事を考えながら歩いていると、いつの間にやら石廊を踏破していた。

小部屋的な空間に出る。

唯一の光源である空飛ぶ髑髏、獅子正が小部屋を横切ろうと、ふらふらと危なっかしげに揺れながら進みだす。

「お、おい、獅子正…」


ソレガシノイノチ――イクセイソウノ――

トキヲヘテヨウヤク――アァ――ミツケタ―――


奴は泣きそうな声で何かにとりつかれたように「イノチ、イノチ」とぼやきながら更に前へと進む。

最早、オレの声も聞こえちゃいないらしい。

気持ちは分からないでもないが、いささか無用心すぎるぞ。


モノノフヨ――ハザマノモクライドノ――

ココダ――ココニ――アル―――


獅子正は、オレと壁の一点を交互に見つめて言った。

そこに扉らしきものは無い、それどころかこの部屋に扉らしきものが無い。

オレたちが入ってきた一つのみだ。

――隠し扉かなんかあるってか。

用心に越した事は無いので、オレは鞘で獅子正がさした一点をコツリ、と軽く叩いた。


ギギギィ――ガコン。


オレの目の前の石壁が軋みながらゆっくりと横にスライドした。

案の定、隠し扉だ。

「おぉ、黙雷君、さすがだ」

部長が感心したような声を上げたので、何か言おうとオレは後ろを振り向こうとした。

その時だった。

急に、本当に急に視界が真っ暗になったのは。

無明の闇がオレたちを包み込む。

「な、何事だ!?く、諸君無事か?無闇に動いてはならんぞ!」

部長の焦燥の声が空間内に反響する。

オレはその声を聞きながら、内心苛立った。

獅子正の野郎、急にどうしたって言うんだ。

ここまで来たらオレたちはもう用なしかよ。

「ちっ、あの馬鹿野郎が!」

俺は暗闇の中、前方へと駆ける。

隠し扉の方向はこっちで良かったはずだ。

だが、


数歩駆けた所で―――急に足場が無くなっていた。


いや、無くなったのではない。下り坂になっていたのだ。

階段ではなく、意図的に階段ではなく。

当然、体勢を保てるわけも無く、オレはそのまま姿勢を崩してしまいおむすびよろしく転がり落ちた。つーか滑り落ちた。

床が多くの水滴で濡れているせいで、更にはそのせいでヌルヌルの苔が生えていたせいもあって、オレはみるみる加速してゆく。

って、こんな冷静に解説してる場合じゃねぇッ!


「のぉぉおぉぉわぁあァぁァぁぁあぁぁ――――――!」





嗚呼、不幸な黙雷(苦笑)

なんかダンジョンみたいなとこに入ってきましたね。

さて、どうなるんだろ(笑)

……どうなると思います?(オイオイ)

ま、まぁなるようになるでしょう!(汗)

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