1話 3度目の転生
プロローグと書き方が変わっていると思うのですが、御理解下さい。
柔らかい木の香りに目が覚めた。
どこだここ?
そんな疑問も束の間。
「まぁ、可愛い女の子」
アイドルみたいな服を着た妖精が頬に手を当てていた。
誰だこいつ。
新しい疑問が浮上した。
この時点で今更?と思うかもしれないが聞いてほしい。
転生してね?
それにしても女の子かー。じゃあ一人称は私にしよう。
転生したからにはまず手を確認。
ふむ、あふむふむ。どうやら人型のようです。しかもベイビー。それは当たり前か。
次は耳の確認だ。
...こ、この尖った耳はまさか、またドワーフ人生を過ごさなきゃならないのか!?ああああああっ!!!歩けるようになったら高いところに登って頭から落ちよう。うん、そうしよう。
妖精は私から別の方向に目を向けた。
「奥様、旦那様、お名前はお決めになられました?」
おお、そこにパパさんとママさんが、いるのか!うう、折角生まれてきたしな...。
こうなったら意地でも可愛く成長せねば。
私は決意し、拳をグッと木の天井に向けて突き上げた。
「この子凄い真面目な顔してるわ」
「君にそっくりだよ」
パパとママは微笑み合い私を抱き上げた。
おうおう、ドワーフにしては容姿端麗だな。
前世の私みたい。
「この子の名前は『ジゼル』、『ジゼル・トトニア』よ」
妖精は小さな紙をクリップのついた木の板に挟んだ。そして胸ポケットのなかからペンを取り出して、何か書き出した。書き終えた妖精は顔を上げた。
「えーと、エルフの谷、ククルカン区のエルフ、ジゼル・トトニア、誕生日は華の月28日てよろしかったでしょうか?」
「ええ」
「ああ」
ええええ⁉︎⁉︎ええエルフぅぅう⁉︎
ふぉぉおおおおッシャァアア!!!!
嬉しすぎて、ガッツポーズまでしてしまった。
これなら苦労しなくても美人になれる!
「とても嬉しそうね、ジゼル」
「笑い方も君に似てるよ」
産んでくれた両親に感謝できるわぁ。
感動して涙が出てきた。ありがとうございます。もう高いところから落ちるなんて考えません。
「うあああん」
「うんちかな?ミルクかな?」
どっちでもねーよぉ、パパぁ。嬉し涙ってやつですよぉおおああああ!!!本当に嬉しい。今までの人生で一番嬉しい!
生きててよかった‼︎‼︎
はやく歩けるようにならないかなー。
はやく魔法使いたいな!
一時間ぐらい経ってやっと興奮が収まった。
それにしても華の月か、ドワーフだった時の世界と同じ暦だな。ひょっとして、前の世界と同じ世界なのかもしれない。喋れるようになったら、パパかママに聞いてみよう。
そう考えているうちにだんだん眠気が襲ってきた。うーん、いろいろ考えるのは次起きてからにしよう。