14話 第3グループ
リュー視点です。
自分リュー、ニコラ、レオンハルト、ソウタ、ガヨス、ネッガー、ユーノの7人で構成されている第3グループ。
「自分がグル長なんて務まる筈が無いとジゼルさんに抗議したのに、君なら大丈夫と一言で片付けられてしまいました。何の確信があるんですか。自分は冒険者でしたけど、単独でクエストをこなす只ぼっち冒険者ですよ。人に指示なんてした事無いですよ」
「なぁーにブツブツ言ってんの?そんなんじゃ…よっと、隙を疲れちゃう…ッよっと」
本当に癖が出るのって嫌ですね。考えてる事全て口にしちゃう癖。たまに出るんですよ。
「わかって、ます…よっ」
援護役に奇襲が…!でも、この体じゃ届かない間に合わない。
「ソウタ!ガヨス!奇襲ですっ!」
彼等は気づいて無いのですか?もしそうだったら命が無い。心臓が破裂しそうなくらいの鼓動で緊張感を訴えてくる。そして、前世の思い出したくない記憶が脳内を横切った。
けれど心配は御無用でした。
「甘いよ甘いよ?」
「まじ雑魚過ぎてやばい。どんだけ無能なのネズミは」
彼等の周りから赤色の荊がたくさん出てきた。それらはネズミの足に絡みついた。
トラップを事前に仕掛けておいたのか、なかなか筋がいいですね。
「こんなのゲームでありすぎて慣れっこなんだけど」
「まじそれな!」
どんなゲームをしていたんですか彼等は。『それな』って何ですか?
ちょっとの疑問が頭で渦めいてしまいますけど、手は止めませんよ。
「上級魔導師のユリ様が来たぞ!」
何で1人だけ?あと5人くらい来た方が効率はいい筈です。
「あらぁ?ネズミの数が残り僅かですわねぇ?」
ユリ様は右頬に手を出して添えて小首傾げている。彼女の容姿を見るにヒューマンだ。
ぶりっ子感が少しばかしウザったらしいおb…お姉さん。
「あと20匹程ですわね、では、街の修復に取り掛かりましょうか」
スキル化しているのか、彼女が杖を振るそこらじゅうの木片や窓ガラスが元通りに戻されていく。木には折れた跡が無く、ガラスには割れた跡もない。
どんな魔法だったのでしょうか。きっと、詠唱魔法の類かもしれませんね。流石、年の功と言ったところでしょう。
「さて、そろそろ終わりです」
残り数が少ないので本気出させて頂きますね。
「強化・超速」
一気に周りのネズミや人々が遅くなった。実はこれは自分が速くなっただけなんです。でもこれには強化時間が短いという駄目な点があるんですよ。だから、速く倒さなきゃいてないんです。
自分が見えている敵を次々と刺していく。
1、2、3、4…。
っあれ、見当たらないですね。
すると、自分の目の前を同じ速さで通り抜けていく奴がいた。
「レオ⁉︎貴方、これ使えるんですか⁉︎」
「ん?あぁ、お前の見てて、やってみようって思ってさ。そしたら出来た!」
本当に彼は魔法が無い国から来たんでしょうか。これだから、転生者は常人離れしていて怖いんですよね。おや、そこにネズミが。
レオと目があったので適当に頷くとあっちも頷いてくれました。
「「うぉぉおおおおお‼︎‼︎」」
自分とレオで最後の一匹を倒しました。
不定期に更新していくのでよろしくお願いします。