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3度目の転生者  作者: あの
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9話 ネズミ族の奇襲



3限目終了後のチャイムが鳴り始めた瞬間、それと同時に警報機の音が街全体に響き渡った。クラスのみんなは慌てる事なく周囲の警戒を始めた。何だこの落ち着きようは。二年生でさえギャーギャー言ってるのに。こいつら...できる...!レオだけなんだなんだ言ってるのは気にしない。


これはネズミ族がここエルフの国ニラグにたくさんの軍勢で押し寄せて来た合図なのだ。警報には種族別で音が変わる。

細かいことが分からんやつには何か敵襲がある!くらいだ。

警報が鳴るのが遅かったのか、大軍で来たことを知らせるように地響きが大きくなっていく。


「この地響きってさ、かなり多めじゃない?」

「ネズミかぁ...。面倒だけどみんなで行けば楽勝っしょ!」


冷静だな!さっきまで凄いとか言ってた君らの方が凄い。あれもしかして演技?あいつらの揺れ具合で数の把握、警報音だけで種族がわかる。このクラスのやつら全員転生者かも。あり得ないこともない。なんていう名前合戦の時の表情もそうだが、もしそうだとしたら彼等1人1人は自分が転生者ということはわかっていて周りの子たちも恐らくそうなのではと思案しているのではないだろうか。

それか、大人の言葉をただ真似し、カッコつけただけなのかしれない。

でも、これはただの憶測でしかない。それでも私が指揮を執り、クラスのみんなでネズミ族には勝つことはほぼ可能。なぜなら、国を攻めてくるネズミ族は大体の奴らが知能が低い。その上ステータスも5歳児と同レベルとくる。しかし奴らはかなりの大軍で来ることが多いため危険度が10あるうちのレベル3くらいまで引き上げられる。ちなみに単体だとレベル1。レベル3とか低いとか思うかもしれないが、5歳児の魔力だとギリギリ勝てるかもという感じである。


「皆さん危険ですので学校に避難しましょう!」


先生からの避難指示によりみんなが先生の周りに集まった。


「先生、僕達あんなネズミ族なんか楽勝ですよ」

「バカ、先生が俺たちの事は信用できないってことだよ」


生徒たちは、自分達だったらできると、目に希望の光が満ち溢れていた。しかし、先生は生徒の希望をねじ伏せるように言い聞かせた。


「いいですか、これは緊急事態です。おふざけが過ぎますよ。急いで教室に戻ってください」


時間が経っても地響きは収まることを知らない。あちこちから魔法の詠唱の声や、悲鳴、爆発音が聞こえてくる。そんな中、私は考えた。




これはいろんな意味でチャンスなのではないか、と。




もし、ここで5歳児軍団がネズミ族の討伐を成功した場合、沢山の人々から賞賛を得る。そして、その情報は各国に広がり、その情報を得た天才学者や講師がこの学校に、否、功績を挙げた私達に講演会を開催してくれる可能性が出てくるはず。講演会が行われれば滅多に聞けないことが聞けるだろ?


私は先生から20メートルくらい離れ、手を挙げて叫んだ。


「ネズミ族討伐したい奴集合!」

「ジゼルさん⁉︎聞いてましたか⁉︎」


案の定、先生以外は全員集合してくれた。私は先生から阻害されないように黒い防御壁を張った。


「黒煙の盾!」


先生が駆け寄ってきて防御壁を叩くがビクともしない。何たってこれは私が敵からの攻撃を防ぐためにもっとも使っていた魔法だし、最上級魔法を使わないと割れないくらい頑丈だぜ?

みんなが円になり、座ったのを確認し、私も座った。


「ジゼルナイス!」

「この防御壁いいね!あたしも今度つかってみようかな」

「よっしゃ討伐っっ!」


うるさいので、一旦大きめに咳払いして黙らせる。


「さて、いきなりで申し訳ないが...、転生者は挙手して……。あ、ちなみに私は転生者だ」


1人の子が手を挙げる。それにつられるように全員が手を挙げた。

おお、これはこれは。

快挙だわ。素晴らしい。











この時、何故気づかなかったのだろう。

冒険者達なら楽勝のネズミ族に甚大な被害が出ているというのに、冒険者や、警備隊が出ていないことに。







『スキル【黒煙の盾】を手に入れました』

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