プロローグ:拝啓
突然だが、私は転生者である。名は天導集。現在1歳四カ月。誕生日は前世と同じく11月11日。ベッドタウン埼玉に生まれた健やかなる男の子である。前世も埼玉出身で、少なからず愛着もある。
まぁ、そんなことは置いておいて。転生した経緯はまるでわからない。特にトラックに轢かれたわけでも死んだわけでもない、はず。いつものように寝て起きたら赤ん坊になっていた。最初は夢かとも思ったが、起きる前に夢で神様っぽいのにあった様なきもするし、痛みもちゃんとある。
これが俗にいう神様転生なのかと感動した。転生先が前世とほとんど変わらない現代の地球であった事には驚いたが。でも少しだけことなっているらしく、ここ最近の世界のトップや有名な企業は似たような名前や全く違うものに名前だったが、やっていることは変わらないので全く問題ない。
両親もかなり整った顔立ちをしているので将来にも期待を持てそうであるのにも満足である。それにかなり裕福でもあるようだ。代々仕えてくれている家政婦さんの家系もいるようで、今日も今日とて母親と一緒に家事を行っている。
前世ではフツメンで一般的な過程であったから、この広い家は少し落ち着かない。大豪邸というわけでもないのだが、前世で見たことのある地主さんの家より広い。家はそこそこ広いのだが、庭がとにかく広いのだ。具体的にテニスコート三個分くらいだろうか。
両親が話していたのだが、子どもが生まれたら落ち着いた場所に住み、広い庭で生まれてきた子どもといっぱい遊ぶのが夢だった様だ。前世では17歳で転生した身だがこの話を聞いた時は思わずはしゃいでしまった。
別に前世の両親が悪かったわけではない。ただ俺を生んだ時には既に40歳後半であったので、一緒に遊んだことがあまりなかったのだ。当時の俺はそれを理解していたので遊んでということがなかったのも原因なのだろう。今思えば俺が言えば遊んでくれたのだろう。無理をして欲しくなかったので言わなかったが。
だが今世は両親とも若く俺が走りまわれるようになっても心配ないようだ。父親と遊ぶという経験は初めてなのですごく楽しみである。
まぁ長々とした説明だったが、俺が死に転生したのは受け入れることができた。
だから、言おう。
拝啓 父さん、母さん。さようなら。いままで、本当にありがとう。
まだ続くんじゃよ( ^ω^)