表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/86

73話 なんか弱い。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


「ここの場所ちょっとおかしくないか? なんか臭うっていうか違和感があるというか……。」


「何当たり前のこと言ってるのよ、ここはスラム街よ。街中と比べたら空気もそれなりには淀んでいるでしょう。あ、分かった緊張しているんでしょ?」


「ダーリンでも緊張するんだぁ?」


アリアスの言葉にレイナが悪ノリし始める。 だがそんな言葉とは裏腹に周囲を密に警戒することを2人ともも怠ってはいない。 変に緊張していたりはしていない自然体の証って事だな。


「 緊張はそこまでしてないしスラム街にいるってことを忘れてる訳でもねーよ。 もちろんスラム特有の臭さもあるんだがまたそれとは違った臭いというかだな……。」


どっかで嗅いだことがあるんだよなぁ、 もう喉元までは出かかってはいるんだが。 こういう現象を確かTOT現象とかいうんだったよな確か。 ま、いっかこういうのは思い出そうとして思い出せるものでもないしきっとその内思い出すよな。


「あ、あとあれ。 わたし達今来ているのって結構ボロボロのローブだし。 」


今回スラムに行くにあたって俺らはボロいローブを着用している。 普通のローブで中に入ったりしたら目立ちまくって速攻で敵にバレて乱戦とかになりかねない。 乱戦になっても俺たちなら勝てる自信はあるが、余計な体力とかは消費しない方が望ましい。



「ああ、あそこだな。 合ってるよな?」


建物の付近に見張りとして2人座り込んでおりその斜め右にも1人。 何故かそこの建物付近だけ人が密集している。これだとここに何かありますよと言ってるようなものでお世辞にも擬態が上手いとは言い難い。


『ええ、合っていますよ。』


あまりにわかり易すぎて罠を疑ってしまうが秘書であるリリィがそう言うんだから間違いのはずがない。


「これって罠なのかしら?」


「じゃなーい?そうじゃなきゃこんな露骨な隠蔽はしないでしょー。」


「いや、案外自分達が攻められるとは思っていないのかもしれないぞ?なんてたって俺達は全員合わせても6人しか居ないわけであいつらは50人は超えているわけだし。普通に考えたら攻めたりはしない。となると奴らが警戒すればいいのはスラムの奴らだけになるからな。

まあどっちにしてもやることは変わらないけどな。」


近くにいる護衛の1人に向けて村正を一閃する。同時にアリアスとレイナも相手の意識を一瞬で刈り取っている。 相手の意識の外から攻撃したため叫び声も上がらない。


「じゃあ中に入るか。」


建物の敷地へと入ると奴らが根城としている建物は案外大きな建物で昔は貴族の屋敷かなんかだったのかもしれない。

扉を音を立てないように開けると中はやはり結構な広さがありこれならある程度の人数なら生活出来るだろう。

敵はすぐに現れるが声をあげようとする前に村正で喉を突き刺す。これで声は出せずに絶命する。

そのまま中を進み途中で出てきた敵は声を出させずに倒していき、2階へとあがり曲がり角から通路の様子を覗き見る。


「10人か。人数が多くなったな。」


「この先になにか重要なものがあるかそれか重要な人物がいるかそのどっちかじゃない?」


「十中八九、指揮官的な人物がいるんだろう。こんな所になにか重要なものがあるとも考えにくいし……。」


人数が多くなってもやることは変わらないが…。


「俺が先に行くからお前らは後で来いよ。」


通路の先では手に武器を持ちながら談笑をしている。まだ襲撃には気付いていないらしい。

やはりこいつらのレベルはそこまで高くないな。シュアたちが一方的に壊滅させられるほどの実力があるとは到底思えなが……。 とりあえず倒しておこう。

通路にいる敵を音を出させないように倒していく。 1人が倒されれば他のものと気づき始めるが対応するには及ばない。突然のことに直ぐに反応できるものは限られるのだ。


「出来ないから死ぬんだがな。」


ものの数十秒で通路を制圧する。そのことをを確認したアリアスとレイナも曲がり角から出てくる。


「ホントにあっという間に倒しちゃうわね。」


「早すぎだよ〜。」


無駄が少なくなるように一撃で全員倒していってるからな。そのための奇襲の訳だし。


そんな風に敵を倒してながら通路の先を進んでいくと、一つだけ豪華な作りの扉がある。 どうやらここに誰かいるらしい。中から人の気配を感じる。


「さあ、それじゃレースアラパーニとご対面といこうか。」


「レータアクセラね。」


「…………。行くぞ。」


なんか気まずい。

扉を開けると中には30~40代ぐらいの男が1人。 俺が来たことにすぐ気づき怒鳴ってくる。


「やっと来たか。この街にいる全団員を集めろ、狩りを始めるぞ。集まった情報を報告せよ!」


ん?部下と勘違いしているな。そしてこいつはレータアクセラでは無いな。歳が行き過ぎている。 ハズレか……。


俺が何も返事をしないことに不信感を持ったのか俺へとやっと目を合わせてくる。


「誰だお前は!」


「誰だっておいおい。お前が今報告しろって言った男だよ。ったく顔ぐらい覚えておいてくれよ。一応お前らの敵なんだからさ。」


呆れて笑ってしまう。後ろではアリアスたちも呆れているのが雰囲気でわかる。


「敵襲だぁぁ!」


今更おせーよ、ここまで来てる時点で気づけよ。


「何故誰も来ない!?」


「お前の部下は死んだよ。」


「なっ。」


「てことでお前も後を追いかけな。」


村正を一閃し、次の瞬間には副隊長の首が宙を舞う。


「それじゃ待つか。隊長のレータさんが戻ってくるのをな。」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ