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6話 旅立ちの日に

拙い文章ですがお願いします。

ギルバートに言われた通りの方向へと向かっていくと十分ほどしてから檻のある場所が目に入る。

門番みたいなのが立っているから多分そうだろう。

マキロイたちがいたアジトとは真逆の方向だ。


門番をしている村人に挨拶を軽くする。

門番によるとマキロイは廊下の一番奥の檻にいるらしい。

檻のある建物に入ると中が暗くなっている。廊下を進んでいくと多数の檻が見えてきてその奥に向かい合うように一つの檻がある。

そこだけ警備が厳重だ。とは言っても老人が3人いるだけだが・・・。

いざって時大丈夫か?


「あそこだな。」



マキロイは1番奥の檻で横たわっていた。

檻の前にいる門番に声をかける。


「はいってもいいか?」


「ええ、どうぞ。意識は未だ戻っていませんが一応ご注意を」


「起きたらまた倒すよ。」


「それは心強い。」


そんな軽口とともに門番が檻を開けてくれる。

檻に入ってマキロイの様子をよく見てみると、腹にはえぐられた様な傷があり、体全体ももみくちゃにされたためか切り傷が無数にできていた。


「これ結構エグいことになってるな。」


口ではそう言いながらも迅は躊躇う様子もなくマキロイの体へと触れる。

迅は簒奪者(簒奪者)を発動させマキロイの保持者(ザ ブック)と彼の魔法を奪う。

奪い終えるとマキロイから手を話す。


「よし、完了っと。」


「これがあなたがさっき言っていた?」


レイナが尋ねてくる。

初めてだから、驚くのも無理ないか。魔法のある世界だからちょっと驚く程度だけど。


「まあな、毛ど見た目とかに変化はないぞ。奪われた本人は喪失感がある・・・はずだがな。

あ、そうだ門番。こいつって指名手配とかってされてたのか?」


「ええ、一応。C級悪党としてですが。

捕まえた報奨金はあなたたちに差し上げるつもりなのですがあいにくとこの村にはギルドとかがなくて報奨金とか出せないんですよ。それでどうしようか村長が考えているはずですよ。近くの街までいかないといけないんですよね懸賞金を受け取るためには。それだとどうしても時間が・・・。」


ああ、なるほど。こんな田舎にギルド作ってもしょうがないだろうしなぁ。かといってマキロイたちを運ぶ人員もいないしと・・・と。このままだとどっちにしても待たなきゃか〜。


「すみません。」


門番の男が申し訳なさそうに謝ってくる。

だが、ぶっちゃけそこまでの問題でもない。


「気にするな。当てはあるからな

それより用事は済んだ、悪いな忙しいとこ。戻るぞ。」


迅はそのまま檻を出て、洞窟の外へと出ていく。

洞窟を離れて少ししてアリアスが聞いてくる。


「さっき、あなたが言っていたあてって何よ?あなた異世界に来て2日目なのに知り合いなんていないはずじゃない、コミュ力あるわけでもないのに。」


「うっ・・・。」


グサってきたよ。グサって。


「ああ、マーサを拷問したときに吐いたんだが明日の夜に、まあつまり今日の夜だな、奴隷商人がこの村にくる手筈になっていたらしい。ヘイカーズの奴ら、村の奴らを奴隷として売って金を稼いで、その金で奴らはそのままこのまま木野村にい居座る気だったんだろ。

んで、それを有効活用しよかなぁ〜と。これからいったんギルバートに相談に行くんだ。」


「げ、また戻るの?」


アリアスとレイナの二人はは不服そうな顔をする。互いに理由は違うが。

レイナはあれだ。人嫌だからだな。とりあえずスルーだ。


「アリアス、人道的に納得できないのはわかるが、これは必要なことだ。ルーン村にも俺たちにとってもな。」


「わかってるわ。」


アリアスはスタスタとギルバート達がいる家の方に歩いて行ってしまう。

それを迅とレイナが苦笑しながら後を追いかけて行く。



が、家に戻るが肝心のそのギルバートがいない。

アリアスが居間で掃除をしていた妙齢の女性に話しかける。


「すいません、ギルバートさんてどこにいますか?」


「ギルバートなら、書斎にいますよ〜。」


と笑顔で答えてくれる。レイナの姿を見た瞬間にその顔が引き攣ったが。

そこで迅はふとした疑問を感じる。


「結局この家って誰のもの??」


アリアスとレイナが同時に呆れた様な顔になる。


「今更?あなた、それも知らないであんなに爆睡してたの?

ここはギルバートさんのお宅よ」


「そうだったのか。なら汚して悪かったな。」


ちなみに女性が掃除をしていたのはマーサが粗相をしたあたりだった。


迅がノックもなしに書斎に入るとギルバートはちょうど机に向かっていた。


「ギルバート!ちょっと話があるんだが。」


「何ですかな?迅殿」


「あの、檻に入れられているヘイカーズの奴らだがどうするつもりなんだ?」


うーんと唸るようギルバート。

対応はやはり決めかねているのだろう。


「奴らを奴隷として売らないか。分け前は半々でいい。その方がどちらにとっても好都合だろ?」


「こちらがそんなにいただいていいのですかな?あと、奴隷商を呼ぶとなると時間がまあまあかかりますぞ?」


困惑した様子のギルバート。

迅がニヤッと笑いながら、


「ま、宿賃みたいなもんだ家も少し荒らしたし。あと、奴隷商の方も問題ない。もう手配している。マキロイ達がな。」


話が済むと迅は自分の部屋にすぐに戻る。これはまあレイナのためだな。ギルバートに限った話じゃないが村人を毛嫌いしている。それならいいんだが、これが雰囲気が気まずいんだ。流石にそれには耐えたくない。


「そういえば、お前の魔法についてまだ聞いてなかったな。」


「ああ、ダーリン達の話ばっかり聞いて、まだ全然私のこと言ってなかったね〜。改めまして私はレイナ・ヴァルシュタイン。21歳よ。ちなみに処女だから安心してね〜ダーリン。」


「ほう、そうなのか。ちなみにアリアスはどうなんだ?」


迅がさりげなくアリアスへと話を振る。


「私だってもちろんしょz.......何 言わしてんのよバカ!!」


アリアスの拳が迅に当たる寸前にストップさせる。


「待て待て待て。何か誤解してないか?俺はお前の年について聞いたんだぞ?」

「そ、そうなの?ならごめんなさい。私の歳は......ってどっちにしろだめよばか!」


一旦は止まった拳だが、やはり誤魔化せなかったらしい。


「つっーーーおまえなー」


2人は睨みながらいがみ合う。


「あの〜?そろそろ続きをいいかしらー?」


「あ、ああすまん」

「ご、ごめんなさい。」


「そうそう、それで父親は私が8つの頃に病死して、それからは母が必死に働いて養ってれていたんだけどその母も16の時に亡くなってね。それから各地の町や村を転々として、ルーン村に来たのが半年前かな〜。

この眼の所為でどこに行っても扱いが最悪だったけどね。

だから最初から奇異な目でみたりしないのはあなたが初めてよ。」


「改めて俺は綺麗だから好きだぞその眼。」


「やっぱり変ね、ダーリンて」


「そうか?俺は元々この世界の人間じゃないからな。価値観も違うところはある。

まあ、俺はそんなことじゃ人を判断しねーよ。

んで?お前の力は?結局言ってないぞ?」


「そうがっつかないの〜。私のこの眼は幻視の瞳(げんしのひとみ)といってその効果は見たものに任意で幻覚を見せることが出来るの。こんな風にね?」


そう言ってレイナは迅の眼を見る。

迅の視界が突如ぶれて気付くと、何もない白いベッドだけがある空間にいた。


「一体どうなってんだ?」


「これは私が作り出した世界よ。」


レイナの声が空間全体から聞こえて来る。


「こんなこともできたりして。」


そう言うと、今度はベッドの上にアリアスが突如として現れる。

ベッドの上のアリアスは何も言わずに着ている服を脱ぎ始める。

迅はそれをただ食い入る様に見つめている。1枚、また1枚と服を脱いでいく。


迅が生唾を呑み込む。迅の心臓がドクンドクンと高鳴り続ける。

そしてとうとうアリアスの白い手が、彼女の綺麗なブラのホックに手をかけ、


カチャリ


外れた。だが今だに二つの豊かな双丘は確認できない。アリアスが段々と手の力を緩めていく。

そしてとうとう・・・。


「はい、そこまでー。」


「なっ。」


「そういうのは本人のを直接見ましょう。ちなみに私なら全然ウェルカムだよ?」


「そ、そうだな、じゃあお願い・・・はしないでおくか。それにしてもこれは凄まじい威力だな。」


「話を逸らしたわね。でも可能性はありそ〜。」


レイナはふふっと笑う。

そしていつの間にか元の部屋に戻っていた。


これはすごいな。


「ねえ、迅は何を見せられたの?」


「そういうお前は?」


「私は白い空間に飛ばされただけ。昔なら幻覚なんてかかんなかったんだけどね。」


少し自嘲するように笑うアリアス、だがすぐに切り替える。



「で?迅は?」


「まあまあそんなことはどうでもいいじゃないか。なあレイナ?」


「ふふ、私達だけの秘密よね〜。」


「ちょっと何見せたのよー」


アリアスが詰め寄ってくる。

対して迅はさっきのことを思い出してしまうので視線を合わせない。

話題を変えるようにレイナに質問していく。


「ちなみに他に魔法は使えるのか?」


「風魔法が使えるぐらいかな〜。そういえば迅の魔法適性はなんなの??」


「そりゃ・・・あれ?なんなんだろ。

アリアス!!俺の魔法適性教えてくれ!!」


「嫌よ!!」


アリアスがむくれている。


「はあ、わかったよ。さっき見せられたのはめっちゃでかい巨人が群れで俺に襲って来る様だよ。せっかくアリアスを怖がらせない様にしていたのに。」


「私のためだったのね。ありがとう迅。」


ふ、ちょろいな。


アリアスが感激した様子で迅を見る。

その2人の様子を見て微笑見ながらレイナが言って来る。


「ダーリンは悪い男だな〜。」


「みんなが幸せならいいのさ。覚えておきな。レイナ。


それで俺の適性は?」


「ああ、あなたの適性は全属性よ。ちなみにマナの量も尋常じゃないわ。」


アリアスは気bんを良くしたのか、あっさりと答えてくれる。


「ふーん。そうなのか。ま、そんなもんかな。」


迅はそれを聞いても平然とした顔をする。


対照的にレイナの顔は驚きで満ちている。


「だ、ダーリン。すごいよ〜!なのになんで驚かないの?」


「そうかぁ?ま、これで姉さんに会いやすくなったてのはいいことだな。 」



ガラガラガラガラ



窓の外を見てみると荷台の馬車が村にちょうど入って来ていた。いつのまにか夜になっていたらしい。雑談もしていたしな。


「よし、着いたみたいだな。」


迅達が家の外に出ると、ちょうどギルバートがヘイカーズのメンバーを小太りの40代くらいの男の奴隷商人に引き渡していくところだった。


「11人ですね、あの短髪の女が70銀貨後の女2人が50銀貨ずつ男どもは1人10銀貨です。

はい、しめて金貨2枚と銀貨40枚ですね。」


ギルバートは了承しかけるが、迅が待ったをかける。


「ちょい待ち。ちょっと耳貸してよ。おじさん。」

「なんだよ小僧。」


水を差されて不機嫌な態度の男。

迅は黒い笑顔を浮かべながら奴隷商の男に近づいていく。

奴隷商はいぶしみながらも迅の方に耳を傾け話を聞く。

迅が何かを言うにつれて次第に奴隷商の顔色が青くなっていく。


アリアスたちからは迅が何をいっているのかは聞こえてこないのだが・・・。


「あれは絶対ロクなこと言ってないわね。」


「会って1日ぐらいだけどわかる〜、あれは脅してるわね。」


迅が奴隷商から離れた時にはもう奴隷商の顔は顔面蒼白になっていた。


「あ、あ、あのすいません金貨4枚でよろしいでしょうか。」


「え?聞こえなかった。もう一回いい?」


「金貨5枚で!それ以上は・・・。」


もう奴隷商は勘弁してくれって感じだ。


「しゃあねぁなぁ。」


迅が渋々と言った感じで頷いてギルバートへと目線をおくる。


「すいません、金貨4枚と銀貨100枚にしてもらっても?」


ギルバートがそう尋ねると奴隷商はすぐさま準備しギルバートに金貨4枚と銀貨100枚を渡すとそそくさと奴隷を連れて帰って行ってしまう。


「あなた何言ったのよ。」


内容の想像はある程度つくからか、アリアスが睨みながら迅に問いかける。

迅は素知らぬ顔で受け流し、アリアスに答える。


「いや、特に何も。お前、犯罪者のC級の奴とつるんでるんだー、このこと報告したり噂流したらどうなるだろうね?って言ったらあんな感じになっただけだよ?」


「あなたねぇ。」


「今日はもう疲れたなぁ。寝よーっと。レイナ一緒に来るか?」


迅がレイナに手を差し出す。


「もちろん、ダーリン!!」


レイナが嬉しそうに迅の腕に抱きついていく。


「あなたたち2人じゃ何があるかわからないわ。私も一緒のところで寝るわ。」


アリアスが不服そうにだがその後について来る。

思い出した様に、迅がギルバートに伝える。


「あ、忘れてた。明日俺らこの村からでてくから三日分の食料と野営道具一式くれ。それでマキロイの報奨金はやるから。」

「そ、そんなんでいいんですか?わ、わかりました。用意しときます。」


ギルバートの返事を満足そうに聞いて迅達は部屋へと向かった。ちなみに迅は部屋の床で寝させられた。


翌朝、ギルバートに村からの報奨金と奴隷の分の金貨と旅の用具などを受け取ると迅達は村の連中に見送られながら村から出た。

レイナが終始鬱陶しそうにしていたのはもはや言うまでもないことだろう。

お読みいただきありがとうございます。

評価などお願いします。

みなさんの意見が聞きたいです。

次回は迅が魔法頑張ります。

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