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62話 昇格試験2

拙いですがお願いします。

割とあっさりとアリアスの試験が終わり、今度は俺の番だ。

と、言いたいところだが今はブレイクタイムである。本来取る必要はないブレイクタイムだが、前の試合で桃太郎三人衆の内の1人キジィが盛大にやらかしてしまったお陰で今、訓練場では後片付けがギルド職員たちによって行われている。


ったく、試合するってわかってんだから食い過ぎんなよな。はぁ負けるとは思っていなかったのか。いや、待てってことはだ。残りの2人もその可能性はあるな。気をつけなければ、二の舞三の舞だ。


ちなみに桃太郎三人衆の内の残りの2人はキジィの様子をもちろん見ていた。試合直後には顔を青くしていた2人だったがなぜか今ではホッとした顔になっている。

なんでだ?


「いや〜、俺らは運が良かったな。キジィがあの女と戦うとなった時には運がよくてめちゃくちゃ羨ましいし。呪い殺してやろうかとも思ったが、今じゃそんなこともなかったって思えるなぁ。イヌゥ」

「だな!試合と称して少々のお触りは許されるぜぇぇとか言ってたけど一瞬で負けてて触れるどこか見ることさえできてなかったんだな。」

「ああ、圧倒的な強さだったな。俺たちでも勝てるか分からねぇ。こりゃあれだぜ。ゴブリを倒したのもきっとあの女だぜ?」

「え?でも、話だと男の方がゴブリを倒したって話じゃなかった?」

「よく考えてみろよお前。戦いが起きたのは昼前のギルドでだぜ。一番人がいない時にギルドににいるのは一日中飲み明かしているやつがほとんどだ。飲みすぎててきっと男と女を見間違えたんだよ。はははは。」


いやいや、流石にそれは無理があるだろう。


「だな!酔ってたら信用できないんだな。じゃあ、俺らは楽勝なんだな。美味し仕事なんだな。ぶひひ。」


豚みたいな笑い声であげるんじゃない。

ていうかバカなのか?ギルドの受付嬢はお前らみたいに酔ってないんだから情報も正しいってことに気づかないのか。ああ。そうか現実逃避ってやつか。


「あの人たち、頭大丈夫かしら?」


顔を顰めながらアリアスも同じことを思ったのか聞いてくる。


「大丈夫じゃないんじゃない〜?仮にもし今頭が大丈夫だとしても〜これから戦うのはダーリンだよ〜?どっちにしろでしょ〜。」

「ああ。確かにね。」

「どっちにしろってなんだよ!」

「いや〜だってねぇ?」

「うん。迅だし」


なんでお互いに顔を見合わせるんだよ!なんだこの信用のなさは...。

もう気にしたら負けか。

それよりも気になるのは......。


迅の視線の先にいるのはサイとかいう男。


桃太郎たちにしても女たちにしてもペアとかだがあいつだけ気色が違うんだよなぁ。スヴェンのあの言い方も引っかかるし。


『ええ。そうですね。とりあえずの要注意人物ということでしょうね。』

『ああ。さっきアリアスとの戦いの時は手を出してこなかったがな。ワンチャン出してくるかもとも思っていたんだが。』

『御主人の時の方が可能性は高いですよ。アリアスの実力を彼らは知らなかったはずですし。迂闊に手を出せなかったとかでは?』

『たしかにな……。とりあえず警戒をしといてくれ。いざほかの奴らに襲われても一瞬で試合を終わらしてヘルプに入るから。』


リリィがふふっと笑う。


『御主人がヘルプに入る必要があるとなると魔人が出てくるレベルですからね。それよりも御主人、そろそろですよ。』


前を向くと訓練場は綺麗さっぱりと片付けられており、スヴェンが既に中央に陣取っている。


「イヌゥ、迅、お互い中央に来るように!」


スヴェンから号令がかかる。


「パッと終わらせてきてね。」

「殺したらアウトだよ〜。」

『御主人。第一王子にインパクトを与える為にも派手に瞬殺してください。』

「迅さん頑張ってください。」


最後のは多分ジュリアだな。他はまあ、勝つ前提で話をしているからな。まあ、負ける気はしないが。

軽く手をヒラヒラと振って中央へと進む。

なぜかめちゃくちゃブーイングが観客から聞こえるのだが。なんでだ?

ああ。そうかか。同じギルドだったゴブリの仇ってことだろうな。


『多分違うと思いますが。』


ん?じゃあなんでだ?


『もう、御主人悪ふざけはやめてください。どこの鈍感主人公何ですか。』


悪い悪い。分かってるって。ジェラシーってやつだろ?じゃあもっと話して煽るか?それも面白そうだが。


『だから最初から言ってるでしょう。悪ふざけはやめてくださいって。』


うーん面白そうだったんだが。しかし確かに派手に瞬殺するって難しいな。どうするかな。ていうか3回も戦うの面倒だな。よし決めた。もう瞬殺しよ。派手にとか考えずに。瞬殺したらインパクトは与えられるだろうん。


イヌゥと迅は互いにスヴェンを中心にして睨み合う。

武器は剣だ。片手剣と呼ばれるものを右手に持ち小盾を左手に持っている。


「両者準備はいいな。」


スヴェンの確認の声。

両者共に頷く。


「それでは、はじめっ。」


スヴェンの声が訓練場全体へと響く。

そして観客も対戦相手のイヌゥでさえも言葉を失った。


「え?」


そして次には唖然とした言葉がイヌゥから漏れる。

なぜ、言葉を失ったのか。それは開始と同時に迅の姿が消え、イヌゥの首の後ろに村正が当てられたからである。


「勝負あり!!」


スヴェンの声がまたも訓練場に轟く。試合時間は1秒いくかいかないか、ぐらいだろうか。正に瞬殺である。スヴェンの声を聞いて迅がイヌゥの首筋から村正を離す。


そして村正を肩に担ぐと元の最初の位置へと戻っていく。

観衆からは今何が起こったんだ? とか え? など言った声があらゆる場所から聞こえてくる。

ジュリアもそのうちの1人であり……。


「今のどうなったんですかっ!?」


食い気味にアリアスたちに訪ねてくる。

ジュリアとしては嬉しい誤算なのだろう。


「あれは多分ね、迅は相手が瞬きした一瞬を狙って移動、そのスピードでそのまま後ろに移動しただけだから特にトリックはないわね。移動の瞬間は見えないようにしていたみたいだけど。言っちゃえばただの力押しね。あの距離だからできたんでしょ。」

「そうね〜。あれはスピードっていうよりは瞬発力ね〜。」


アリアスの説明に軽くレイナが補足を入れる。


「シュアはどうだった?」

「……恥ずかしながらはっきり言わせてもらうと、何もわからない、としか。

ただ強いということだけですね。わかるのは。」


悔しげに言うシュア。だがそこで飾らないあたりがシュアのいいところだろう。


「ただ護衛としてですと攻撃力という点ではまだ分からないないですが。」

「まあ、そりゃダーリン全く攻撃してないしね〜。」


しょうがないね〜と苦笑しながら言う。


「ダーリン〜。スピード特化かもって2人に言われてるから次はちゃんと攻撃してね〜。」


レイナが混乱している観客などおかまいなしにそう言い放つ。


「ちょ、ちょっとレイナさん。私はそんな風には一言も…。 」

「でもシュアは言ったよ〜。」

「それは…そうですが。 」

「主は部下の責任を取るものだよ〜?」


ジュリアは何も言い返すことが出来ない。


「まあ、気にしないでいいわよ。迅はそんなこと気にしないはずだし……多分。 」

「何ですかその最後の自信なさげな多分は。そこは自信持ってくださいよ。お願いですから〜。」


半泣きな感じのジュリアn目をそらすアリアス。


「迅ってほら、気分屋なところあるからさ、うん。」

「え〜。」

「お嬢、本当に申し訳ありません。私のミスでこんなことになってしまい。私にできることならなんだって致しますので。何卒。」


シュアが土下座でもしそうな勢いで謝り始めている。


「そ、そんなに謝らなくていいから。てか注目集め始めてるからやめてっ。」

「こ、これは申し訳ございません。私が至らないばかりに。ああ。また…。」


その様子を迅は遠目で見ていた。

というかレイナに呼ばれたのだからその様子を見るのは普通なのだが。なのに迅の返答そっちのけで話している。話題は迅についてなのだが…。そんなこと迅にはわかるはずもない。


あいつらなんであんなところで漫才始めてるんだ?目立ってることに気づいているのか?


『本当になんででしょうね。』


2人して ? となっていた。


ちなみにその後ろではそんな様子を恨ましげに桃太郎たちが見ていた。




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