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55話 なんか聞いたことのある話だぞ?


「それでじゃがな、本来はここで話は終わるんじゃが......。」


そう言ってスヴェンが話を続ける。というか、口調が崩れて来ている。

そりゃそうか。俺たちも形式上は冒険者で、こっちはギルド長、ギルマスだもんな。


「それはあれか。俺たちがこんな部屋に連れてこられたこと関係があるのか?まあ、ある程度予想はできるが。」

「ああ。そうじゃ。こう自分で言うのなんだが、このギルドの戦力はなんというか......」

「弱いか?」

「お主......。遠慮というものを........。まあ良い。そうぶっちゃけて弱い。あのゴブリどもが調子に乗れる程度にはのう。」


ハァとため息をつく。


「なぜだ?」


当然疑問が出てくる。冒険者の仕事は魔獣などを狩るのが主な仕事となる。他にも護衛や採取などもあるが依頼の多くは討伐だろう。それを行う冒険者の戦力低下は結構な問題なんじゃないか?


「別に昔はこんなことはなかったんじゃがな.......。」

「てことはこうなったのは最近なのか。」

「そうじゃ。まあ、そんなことよりもじゃ。お主たちの実力派既にGランクやFランクではないと考えておる。お主らの中にはレイナもおるしのう。」


微妙にはぐらかしたな。深入りはしたくないからいいが。


ちらっとレイナを見るスヴェン。しかしレイナは反応しない。

そんなことよりも今重要な問題が出て来たな。


「ん?ランク?なんだそれは。」


迅が聞いてないぞとスヴェンを見る。

しかしそんな迅に向かって呆れた視線が他の面々から向けられる。


「わし、さっき話したんじゃが。」

「は?」

「いや、だからさっき話したんじゃよ。」

「なに?まじか?」


アリアスたちをみても、うんと頷いている。


「お主、聞いてなかったのか?」


胡乱げな目線で今度は迅が見られる。

途端にいたたまれなくなってくる迅。


「いや、まさかそんなわけないだろ。ははは。」


目を泳がせながら笑う。


「じゃあ、ランクがどのように分けられているか聞いてもいいかのう?」


なぬ!?やるじゃないか。このハゲ。

くっ。リリィ!!

困った時のリリィ様だ。


『はぁ。それじゃなんかよキャッチフレーズみたいになってるじゃないですか。何でも屋さんじゃないんですよ!もう。ちゃんと聞いててくださいよ。』


そう言って、リリィから情報を教えられる。それをそのままスヴェンのジジイに話す。

リリィ曰く、

ギルド依頼を数こなすと、自動的にランクがEまでは上がる。

一つ上のものまで受けることができる。


G〜Sまでの8段階制度。


G....簡単なものの採集や荷物運びなど街中でできるもの。

F.....初心者。

E....初心者に毛が生えた程度。中級者。


試験。


Dランク....ようやく一人前と認められる。

Cランクに上がるまでが大変。

多くの冒険者がここにいる。


Cランク....熟練者

大抵の人はここまで。


Bランク....天才級


魔人の60番代までといい勝負ができる。20パーセントぐらいで勝てる。← アリアス、レイナ



そこそこいる。


Aランク....人災級


魔人の20よりしたと同格のゾーン。

しかしA級の下位と上位でも差は大きい。


王国には10人。

下位7人。上位3人。


Sランク....人外。

人間では到達できるはずがない領域。

魔人のトップ20はこのゾーン。

A級以上のため力の差はピンキリ。


王国に1人。



ということらしい。


『そういえば、物語とかだと冒険者ギルドはランクがあるのが多かったな。金ランクとか呼び方は色々あったが......。』

『御主人の知識にあるそれと似たようなものです。』


「さてと話がそれたな。元に戻そうか。」

「いや、お主がずらしたんじゃろうが........

まあいいか。それでお主らの実力は既にGFEにはないのだろう。しかしだからといってすぐにあげるわけにはいかん。わしも直にその力見たわけではないからのう。」


ニヤッとするスヴェン。

なんか含みのある言い方だな。


「何が言いたい?」

「ランクは依頼の討伐成功数で上がっていく。それはさっきも説明した通りじゃ。それと試験じゃな。

しかしじゃ。これが全てというわけでもないのじゃ。」

「とは?」

「一つ上位の冒険者相手に三回連続して勝つことじゃな。まあ、それでランクを上げることができるのはBランクになるまでじゃがな。ちなみに闇討ちとかでは上がらないぞい。ギルドの目の前でのみじゃ。」


チッ。これなら一気にAランクぐらいまでは上げられるかと思ったのにな。

まあ、いいか。別にランクをあげることが目的じゃないしな。


迅の反応を見て面白そうに眺めるスヴェン。


「なんじゃ?一気に上がれて楽とか思ったんかの?」

「ん?なんのことだ?」


何食わぬ顔で返す迅。内心はヒヤッとしていたりするが。


「ガハハハ。まあよいわ。それでじゃ、もう一度他のDランク冒険者と戦うのじゃ。さっきお主らが倒しらゴブリ供、いやゴブモヒカンたちはDランクだったしのう。それで勝てればお主らをDランクにしよう。」

「ふーん。まあいいか。

それでそれの何がお前らのメリットになるんだ?メリットになるから俺にそのことを教えてくれたんだろ?」


人が善意でそんなことを教えるわけが無いからな。


「端的に言うとのぅ、使える戦力は使えるようにしておきたいんじゃよ。GFEで埋没させておくのはもったいないしのう。」

「緊急の時に行動は制限されるとかは?」


そう。小説とかで最も多いのはこのパターンである。

だからこそ聞いたこの質問。


「ああ、あるのう。」

「やっぱりか。」


少し瞑目する迅。


うーん。めんどくさくなりそうだなぁ。


「あるにはあるが発動されるとしたら魔獣の大量発生で人手が必要な時とかじゃからな。そうなると生活に危険が迫っている時だからのう。発動されるのはその時そこにいた冒険者じゃ。そこまでデメリットではないんじゃないかのう?」

「まあいいか。それで、Dランクの冒険者と戦うにはどうすればいいんだ?何かした方がいいんだろ?」

「ああ。そうじゃ。魔の山のステルベンに行ってハイアルベロを倒して来てほしい。最近、急に活性化したみたいでな、冒険者にも被害が出ていてなぁ。ほんとは早く冒険者を派遣したいんじゃが、いかんせん残っているのがのう。」


嘆かわしいと言いたげな様子のスヴェン。


「あれ?」

「ん?」

「んー?」


それとは対照的に変な声を出す迅、アリアス、レイナ。


「ん?どうしたんじゃ?」

「いや、俺らさステルベンを通ってこの町に来てるんだよ。その時にさアルベロを倒したんだけどなぁって思ってな。」

「詳しく聞いてもいいかのぅ。」

「ああ。いいぞ。じゃあ頼んだアリアス!」

「リリィがいないと私がその役になるのね.....」


『大変ですねぇ。アリアスも。』

『ああ、大変だよなぁ。女神を辞めても大変なのは変わらないのかもなぁ。』

『御主人がやれば休ませてあげられるんじゃないんです?』

『それとこれとは問題が別だろ?』

『はぁ。』



リリィと念話しているうちにアリアスの説明は説明終えたらしい。

今は荷物からアナザーアルベロのものとハイアルベロのものを出している。


「こ、これは!?」


なんかめっちゃスヴェンが驚いている。

そんなに強い認識だったたのか?なら行かせようとするなよって話になるんだが。


『あれじゃないですか?必要な人材というのは中途半端な実力の方じゃないような方だったんでは?この程度は余裕で勝ってもらえないとみたいな感じで出したんでは?』

『の割には驚いているけどな。』


未だにスヴェンは驚いている。

何度見もしてるもの。自分の眼が信じられないらしい。老眼かのぅとか言ってるし。


「こりゃ驚いた。ヴェロアルベロが出てたとはのぅ。それは冒険者が帰ってこないわけじゃ。」


ようやく現実世界に復帰したらしい。今度はうんうんと頷き始め、ワシの眼はまだまだ現役じゃったとかいってるが。


うん。微妙にウザイ。


「よし、分かった!お主らに挑戦権を与えよう!!」


スヴェンが堂々と宣言する。

さっきまで老眼かのぅとか言ってたとは思えない。という訳でこの流れはまた冒険者と戦うことになるらしい。

まあ、結果オーライかなぁ。

感想や評価お待ちしてます。

誤字脱字あれば、直させていただきます!

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