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36話 知能

お待たせしました。

拙い文章ですがお願いします。

2人が迅の元へと戻ってくる。

それを迅とリリィが迎える。


「おつかれ様です。」


リリィが軽く一礼しながら言ってくる。

アリアスとレイナの2人はそれに軽く応じて、迅の方を見てくる。

迅の方を向いた2人の顔はいかにも「褒めて」と言ってほしげである。

そんな様子の2人に向かって、迅が口を開く。


「アリアス。まだまだ剣術がなってないな。

レイナ。戦闘中に油断はするな。」


褒められると思っていたアリアスとレイナは一瞬ぽかんとした顔となる。

そしてその言葉を理解して次第に俯いてしまう。

だが、迅の言葉はそこで終わりではなかった。


「でもまあ、レイナは魔法の特性を理解した攻撃が出来ていて良かったぞ。

アリアスも俺の剣技をまあまあうまく扱えていた。今度軽く稽古つけてやるよ。」


迅が、頭に手を回して何気ない口調で言う。

一泊あけて、アリアスとレイナは俯いていた顔をパッとあげる。

その顔は喜びで満ちている。


「な、なによもう。最初からそういえばいいじゃない。」

「ダーリンってば〜。もうツンツンさんなの〜。落としてあげるスタイルなの〜。」


そんな風に言う2人の言葉は言葉に反して笑顔である。

しかし言われた当の本人はなんのことだかさっぱりわからない。


(落としてあげる?なんのことだ?あとでリリィに聞いてみるか。)

迅はそう結論づけるのだった。


2人は一瞬喜ぶとそのまま地面へとへたり込んでしまう。


「だめだ〜。ちょっと疲れたわ。」

「そうね〜。私も疲れた〜。ダーリンの癒しが欲しいかも〜。」

「冗談を言う気力はあるんだな。ならさっさと先に進むぞ?」


迅が氷のような微笑を浮かべながら言う。


「「無理!!」」


2人同時に悲鳴のように叫ぶ。


「だろうな。じゃあ、そこらへんで休んでろ。あとは俺がやるから。」


どうやら迅のは冗談だったようで一安心する2人。

リリィは分かっていたようでクスクスと笑っている。

そんな2人はふと疑問に思う。


「あとは俺がやるって?なにを?もう戦いは終わったでしょ?」

「そうなの。あとはまた誰かわからない敵を追っていくんじゃないの〜?」


アリアスとレイナが口々に言ってくる。


「ハァ。それもするがな。

お前ら。さっきのハイアルベロいただろ?

あいつの最後の叫びどうだった?」


迅がアリアスとレイナの質問には答えず、逆に聞いてくる。


「うーん。特になにも感じなかったけど〜。強いて言うならだけど叫びがなんか違ったかな〜?断末魔かなと思ったけど〜。」

「私もそうだと思ったわ。」


レイナが迅の質問に答え、アリアスがそれに頷く。


「ま、俺も最初はそうだと思ったんだけどな。一応リリィに警戒してもらったんだよ。そしたらビンゴだ。な?リリィ。」


そう言ってリリィの方を向き直る迅。

それにつられて2人もリリィの方向をみる。

リリィが口を開く。


「先程、一つの物体が高速で向かっているのを確認しました。」

「ハイアルベロじゃないの?あれも結構なスピードできていたわよね?」


アリアスがリリィに「何が違うの?」と言った様子で首をかしげる。

レイナも同様の様子である。


「違いますね。」

「ああ。違うな。まあ、見ればわかるだろ。今回は俺がやるからお前らそこで見ていろ。」


そう言って迅は村正をゆらりと抜いて一歩前へと出る。

それをアリアスたちが止める。


「ちょっと待ちなさいよ迅。あなたはロノウェとの戦いで怪我しててまだ治っていないじゃない。」


そう言って迅の腕を掴むアリアス。

「つってもお前らはさっきのハイアルベロとの戦闘でボロボロで戦えないだろ?」


そんな迅の的を射た返答にアリアスはなにも言い返すことができない。

レイナは元々、戦いを生業にしていたこともあるためか迅が戦うこと満身創痍とも言える状態の自分たちが戦うことのリスクを鑑みて理解しているようである。

そのためか迅が戦うと言ってもいつも通りである。


「でも.....」


しかしそれでも何か言いたげな様子のアリアス。

迅はハァとため息を吐くと、リリィへとなんとかしてくれといった視線を向ける。

リリィがしょうがないですねと言った様子でアリアスたちへと話しかける。


「誰かは戦わないといけないんです。完璧な状態で戦える方が稀なんですよ。物語のようにはいかないんです。それはわかりますよね?」


厳しめな口調で言うリリィ。

その言葉にこくんと頷くアリアス。

リリィの言葉はさらに続く。


「ならその中で一番生き残れる確率のあるものが戦うのが必然でしょう?

しかも戦うのは御主人です。だからここは安心して任せましょう。」


リリィが、そう言うと渋々と言った様子でアリアスは頷く。

そうして掴んでいた迅の腕を離す。

腕を離された迅はハイアルベロたちとの戦闘場所まで歩いていく。

その手には村正が軽く握られている。


(リリィ。戻ってこい。)


迅は心の中で念話を送ると、先程までアリアスをなだめていたリリィは本来の居場所である迅のコートへと戻ってくる。


「来たか。」


迅が、そう言って前を上を見上げた瞬間。



ドォォォォン!!



迅の目の前で爆着するなんらかの物体。


着地の衝撃で大量の土煙が辺り一面に飛び散る。

迅は自分に降りかかるまでの一瞬の間にマナを練り上げて魔法を発動する。


「風魔法エアーカーテン。」


それにより迅の方に向かって来ていた大量の土砂が吹き飛ばされる。

迅はそのまま土煙が晴れるのを待つ。

そんな迅に対して何か小さな弾丸のようなものが土煙の中から飛び出してくる。

そのスピードだけで当たったら無事ではすまないとを理解するのは容易い。

その弾丸は一瞬で迅へと迫ってくる。

魔法を展開する余裕もない。

迅は一瞬で反応すると間合いに入った弾丸を村正で両断する。

それは迅の眼前で防がれる。

パラと落ちていく弾丸。


「いきなりやってくれるな。

最近は行儀いいやつと戦うことが多かったから久々だこういうのは。」


そう言って首をコキコキと鳴らす迅。

そんな迅の足元には両断された物体が。

それはわずか1センチほどの木の種子のように見える。

同時に舞っていた土煙も迅の一振りによって薙ぎ払われていた。


「お前がこの山のボス猿ってわけか。やっぱアルベロみたいだな。ハイアルベロよりも威圧感っていうかプレッシャーはその比じゃないが。まあ、アナザーアルベロってとこか。それにしてもやけに小さいな。」


煙が晴れた先にいたのは体調1メートルほどの人の姿をしたような木の生き物。

その全身は金色となっていて、ヒューマンの顔に当たる部分には目と口のような部分が付いている。

片方の腕をこちらに向けて上げている木の生き物。

そこから何かを発射したような感じである。


「な、」

その顔は怒っているのかひどく歪んでいる。

そしてギザギザになっている口が何かを発し始める。


「グガァァァァァァァァァァァァァァァ。」


凄まじい威圧が迅に向かって放たれる。

その余波で後ろにいるアリアスとレイナは動けなくなってしまう。


「当てられたか。まあ、あれじゃ動けないだろうが今すぐどうこうってはずにはならないな。」


迅がその様子をちらっと見て判断する。

だが、保険も一応かけておく。


(リリィ。一応見ておいてくれ。いざって時には助けに走れ。)


コートの中のリリィから了解ですと伝わってくる。

迅はフッと息を吐く。


(やるか。)


そう考えて迅の姿がふっと消える。

否、消えたようにこの戦いを見守っているアリアスとレイナには見えた。


「嘘......でしょ。」

「は、速い。全く見えなかった。」


身体はまだ動かせてはいないため見ることしか出来ない。

次に2人が視認できたのはアナザーアルベロの目の前まで移動し、村正で斬りつける迅であった。

2人と同様にアナザーアルベロは反応することが出来ない。

斬撃をまともに受けて後方の森へと吹き飛んでいく。


「まだ終わりじゃないぞ?」


迅の攻撃はそれだけで終わりではなかった。

吹き飛んでいったアナザーアルベロに向かって吹き飛ぶと同時に迅も駆け出す。

一瞬で追いつくと、村正で斬りつけていく。

アナザーアルベロも何もしていないわけではない。

必死に全身を守ろうと、無数の枝を吹き飛びながらも前方に展開していく。

だが、迅が一太刀を振るうと全て一刀に伏せられてしまう。

その結果ろくに防御もできずに迅の斬撃を受けていくアナザーアルベロ。

防御をやbられた無防備な状態のアナザーアルベロの両手足を斬り落としていく迅。

そこまですると後方に軽くジャンプして戻ってくる迅。


「こんなもんか。」


ボソッと呟く迅。

その表情はそこまで歯ごたえがなくつまらなさそうな顔をしていた。


(歯ごたえがなくて残念っていう様子ですね。御主人。)


そんな迅にリリィが念話してくる。


(まあ、予想よりはな。まあ、楽に越したことはない。

それよりもこいつの材料って金になるかな。)


迅はそんな思考を一瞬で切り替えると、金の話をしだす。


(どうでしょうか。まあ、珍しそうですから取っておいたらいかがです?)

(そうだな。売れなかったら捨てればいいか。)

(御主人。そろそろ来ますよ?って余計なお世話でしたね。)


リリィはそういうと、念話を送ってこなくなる。

迅とリリィがそんな会話をしていたあいだにアナザーアルベロの両手足が元に戻っている。

その顔は最初よりも一段と怒っているように見える。


「お、戻ったか。」

「グゥゥ。フゥゥ。キシャァァァァァァァ。」


そういうと、腕から蔓のようなものを迅に向かって2本はなってくる。

迅はそれを2本ともに斬り落とす。


「へぇ。」


しかし、斬り落とした瞬間に再生が始まり、迅の身体に巻きついてくる。

その蔓は迅の移動を封じることに成功する。


「縛ってどうするんだ?縛りプレイがしたいってわけじゃないだろ?」


アナザーアルベロが答えるはずはもちろんなく、口のような部分をあんぐりと開ける。

そこに無数のマナが溜まっていく。

それが溜まるにつれ、辺りにキィィィンと音が鳴り響いていく。

それは迅に相当の威力を秘めてることを感じさせる。


「ハァ。マジか。」


戦いはクライマックスへと突入していく。







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