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30話 跡

拙い文章ですがお願いします。

迅たちがオケアスの街を旅立って半日。

太陽はすでに中天を通り過ぎている。

迅たちは山の近くを山に向かって進んでいた。


「そういえばなんだけど〜.......」


とレイナが立ち止まり声を発する。


「ん?どした?」


迅たちがそのことに気づいて、立ち止まる。


「ウィルシスに行くには二つの道があるって言ってたんだけど〜。」

「それがどうした?」

「ここがその分かれ道なんだよね〜。」

「あら、ここがそうなの?」


そう言って、前を見ると二つの道ができている。

一つは山を迂回するように1キロ前ぐらいのところから迂回するようになっており、人が多数その道を通っていたためか、草木などがないところができており、道の広さは馬車が数台通れるようなものが出来ている。

一方、山の方に向かっての方には草木が生い茂り、わずかばかりに人が通ったと思われるようなところがある。


「そうだなぁ。別に急いでいる訳じゃないしな。穏やかな方行く........ん?」

「どうかした?」


迅が途中で言いかけていた言葉をやめ、視線を一点に集中する。

迅につられてアリアス達全員が迅が見ている方向を見る。


「何もないわ.....よね。」

「ん〜。私にも何も見えないけど〜。

もしかしたらダーリンには見えるのかも〜。

何かわかる〜?リリィ〜。」


アリアスとレイナが話し合いリリィへと聞いてみる。


「ええ。あそこに馬車の跡の様なものがありますね。」

「こ、この距離が見えるって。

リリィはまだ精霊だからわかるけども〜。

迅の眼は一体どうなっているのよ。」

「まあ、あの2人はもうヒューマンには見えないわよね〜。

まあ、それはあなたもだけど〜。」


後半は小声で言うレイナ。


「え?最後聞き取れなかったのだけど。」


アリアスが聞き返すが


「んーん。何も言ってないわ〜。

それよりも迅の方に行きましょ〜。」


レイナが迅の方を見てみると、すでに迅はその跡の方に向かって歩き出していた。


「全くもう。」


アリアスも文句を言いながらその跡を追っていく。

迅たちがその後があるところまで歩いていくと、そこには大きな馬車が通った跡が。

迅がその跡へと触れて何かを考えた様子となる。


「どうやら、オケアスを目指していた様だなぁ。」

「そうなの?」

「ああ。比較的新しいな。この辺りは昨日雨が降ったからその後だろう。

違う方の街道から来てオケアスに向かっていた様だが、ここで何かあって急遽あっちの厳しい道の方に進んでいったらしいな。

その後に複数の馬の蹄の後もあるなぁ。

リリィ。一応、この辺りで何か変わった様子がないか見て来てくれないか。」


迅が跡があるあたりをなぞりながら話し、リリィへと頼む。


「かしこまりました。」


リリィはそう言って迅に向かって礼をすると、周囲の様子を見にいく。


数分して、リリィが迅達の元へと戻ってくる。


「どうだった?」

「ここから大体5〜6キロぐらい行ったところの道から少し外れたところにハイエナが集まっていました。」

「そうか。それで?」

「確認して見ましたところ、その中に複数の死体が。

全ての遺体に魔法か刀傷がありました。」

「はぁ。一応行ってみるか。

アリアスたちはどうする?行くか?」

「ええ。気を使わなくて結構よ。」

「私もダーリンについて行くの〜。」


迅の問いにアリアスとレイナが当然の様に答える。


「そうか。じゃあ、行くぞ。

リリィ案内してくれ。」


迅達はその方向に向かって歩いて行く。

リリィが行っていたあたりに近づいて行くにつれて血の匂いが段々としてくる。


「これは.....なかなか。」

「ええ〜。なかなか悲惨なことになっているの〜。」


アリアスとレイナが顔を歪める中、迅は一切動じずに目的の場所へと向かって行く。

そして一行の目の前に大きめの布で隠された場所が現れる。

その周りには無数のハイエナが群がっており、その口元は赤黒い血で濡れている。


「ハァ。こいつら邪魔だなぁ。この死体の様子も見れないし。」


迅がハイエナの群がる様子を見て呟く。

そして一瞬でマナを練ると魔法を発動する。


「風魔法 エアブラスト。」


迅がそう行言った瞬間、風の突風がハイエナたちを襲う。

ハイエナたちはその突然の突風に気づき、慌てて避けようとするが時すでに遅し。


「飛んでけ。」


その言葉と同様に突風に煽られるハイエナ達

エアブラストをはハイエナ達を錐揉み状にしながら彼方へと吹き飛ばしていく。

しかし、ハイエナたちが群がっていたものは吹き飛ばずその場に残っている。。


「ジン、魔法の精度が上がったんじゃない??

死体には当たってないでしょ?エアブラスト。」


その様子を見ていたアリアスが感心した様子で迅へと言う。


「ああ。まあな。あの部屋に拘束されていた時何もやることがなかったからな。

魔法の精密さを上げようと思ったんだよ。ロノウェとの戦いでも無駄なマナの消費とかもあったしな。」

「私たちは休ませるために部屋にいさせたんだけど〜?」


アリアスが若干怒気の篭った声で迅へと問い詰めていく。


「いや。まあ危険な魔法は使ってないから。軽くそよ風作ったり、炎で数の形を作ってただけだから。落ち着こうぜ?

ほ、ほらそれよりもやることがあるだろ??」


迅はそう言って、アリアスから離れて死体のある方へと急いで向かって行く。


「むぅ。うまく逃げたわね〜。」


その様子をアリアスがプンプンとした様子で見つめる

レイナとリリィはそんな2人の様子を見て笑う。


迅はそんな様子には構わずに布を死体にかかっていた布を取り払う。

布を開けた瞬間、さっきのエアブラストで吹き飛ばした血の匂い以上のものが漏れ出てくる。

中の死体はハイエナに食い散らかされたためか凄惨な光景となっている。

その中の一つの死体の衣服を迅が取る。


「おい、この紋章は何かわかるか?」


迅がそう言って死体の上着についていた紋章をアリアスたちに見せる。

それを見た瞬間、アリアスとレイナの表情が一変する。


「ちょっと迅の水魔法でこの紋章のところの血を落としてもらえない?」


アリアスが真剣な様子で言うため魔法を迅は魔法を発動する。


「クリエイトウォーター。」


紋章の部分の血を落とすアリアス。


「やっぱりね、

レイナこれは王家の紋章で間違いないわよね?」

「ええ。正確には王家を守護する騎士の紋章なの〜。」


レイナはいつも通りの間延びした口調とは違い、顔はは強張っている。


「てことはこの死体は王家の誰かを守護していたものたちの死体ってことになるわね。

だけど人数はそれほど多くない。

普通ならもっと守護をつけるわよね。」


アリアスが考えながら言う。


「多分こいつらは第一王女の守護の騎士たちだろうな。

それで第一王子か第二王子どっちかの派閥に追われていて追いつかれそうになってこいつらが逃したんだろうな。

それでここで全員倒されたってことだな。」

「それじゃ、さっきの場所の跡は第一王女の...なのね。」

「ああ。行方不明だった王女の行方がわかったな。」


そう言うと、迅はマナを練り、魔法を放つ。


「火魔法 フレイム。」


迅は死体に向けて魔法を放ち、死体を燃やしていく。

それと同時に別の魔法もすぐさま放つ。


「風魔法 ウインドカーテン。」


そう言って迅たちの周りを風が覆っていく。

そのおかげで人の肉が焼ける匂いは迅たちへと届かない。

アリアスはその燃えていく死体に向かって跪き手を合わせて祈りを捧げる。

迅たちも無言で死者たちの冥福を祈る。


死体が完全に燃えると、迅たちは魔法で土に埋めると元の道に戻ってくる。


「さてと、緩やかな道で行くか、山を通る危険な道を通るか決めるぞ。」

「私は御主人に従いますので。」


リリィがそう言って迅に委ねる。


「そうか。じゃあ3人で決めるか。

せーので言うぞ?

せーの!!」

「「急で危険な道!!」」

「緩やかな道!」


「「「え?」」」

3人の声が同時にハモる。

迅は2人が急な道を選んだことを、2人は迅は緩やかな道を選んだことに関しての戸惑いである。


「え?お前たち危険な道で行きたいの?」

「当たり前よ!第一王女を救わなければいけないわ。それに第一王子側には魔人がいた。

そしたら何かしらの情報を彼女が持っているかもしれないし。

それに第一王子、第二王子にこの国の実権を握られたらこの国が滅んでしまうわ。」


アリアスがそう熱弁する、

レイナもまた


「この国の行く末ははっきり言ってどうでもいいけど、魔人関連の情報は欲しいの〜。

第一王女なら持っている可能性高いと思うの〜。」


それを聞いても迅は渋い顔のままである。

その様子にアリアスが尋ねる。


「ジンはどう思うの?」

「めんどくさい。」


迅が一言でそう言い切る。


「だって危険な道の方はめんどくさそうな魔獣とかも出てくるだろうし、それにもし第一王女を助けたりしたら完全に俺らもその闘争に入っちまうことになる。めんどくさいだろ?どう考えても」


な?と同意を求めるようにいう迅に対して、


「でもだからって。この国を魔人の手に渡すわけにいかないでしょ!?」

「でもそれもこの世の摂理なのかもしれんだろ?」


迅とアリアスの論争は平行線のまま進んで行く。


「私たちしか助けられないのよ!?」

「それでお前まで死にそうになっているだろ!?」


迅にそう言われウッとなるアリアス。ロノウェとの闘いを思い出したのである。

そんな時、今まで見守っていたレイナがそそそっと小走りで迅へと近づいて行く。


「ん?どうした?」


レイナが近づいてくることに気づいた迅。


「思うんだけど〜。もし第一王子が国をとったら重税とかかけてこの国が立ち行かなくなると思うの〜。

結果、ヒューマンは滅びる。それが魔人がやるかヒューマンがやるかどうかの違い〜。

そしたら黄金の豚亭とか未だヒューマンにある美味しいご飯は二度と食べれなくなると思うの〜。第一王女が王にならない限り〜。」


レイナのその言葉で迅がハッとした表情になる。 その考えは無かったようだ。


「そ、それはまずいな。急がなければ。

相手は馬に乗っている。俺らも急ぐぞ。このメンツなら追いつける。魔法も使え。

急な道行くぞ。」


アリアスはその迅の変わりように呆れてしまう。


(本当に自分に正直ね〜。なんで私はこんな奴のことが....)


アリアスはそんなことを考え赤くなってしまう。


(今はこんなこと考えてる場合じゃないわ。)


一瞬で気持ちを切り替えるアリアス。

隣を見るとレイナがアリアスに向けてウインクしてくる。

リリィはそれをみて微笑みを浮かべる。


迅はそんな女子たちの様子に気づかず、元来た道を引き返して行く。




かくして迅たちは危険な山へと突入することとなった。







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