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26話 静かなる危機

拙い文章ですがお願いします。

更新遅れました。

「ん?こ........こは?」


迅は瞼へと入ってくる陽光の眩しさで重たい瞼を持ち上げる。

そこには真っ白な天井で見たことのある光景が。

次いで辺りを見回してみる迅。

そこにはベッドが他に三つあり、簡素な机と二脚の椅子が目に入ってくる。


「ここは...黄金の豚亭の俺らの部屋か。だが、アリアスたちはいないな。どこか行っているのか?」


壁際を見てみると、迅がいつも着ているコート(リリィ)が掛けられている。

迅は自分の身体がどうなっているのか気になる。

自分の身体を見てみようとベッドから身を起こし、シーツを取ろうと手を動かした瞬間。

迅の全身にビリリと痺れるようなそれでいて強烈な痛みがはしる。


「グハァ。かはっ。」


それと同時にベッドに吐血する。


(つぅぅ。ロノウェとの戦いでマナをほぼ使い切って、さらに脇腹に穴を開けられて全身に傷を負っていたからなぁ。あの時は等価交換のおかげで痛みを感じなかったが。

これってちょいヤバめかも?)


何とか起き上がろうとするが痛みで上手く起き上がれない。

起き上がることも結局できずにそのままベッドにドサっと倒れこむ迅。


(そういえば、今日はいつだ。何日眠っていた!?)


迅は現在の状況を思い、辺りを見回すが日付を表すカレンダーらしきものはない。


(記憶が全然ない。最後にロノウェを倒したところまでは覚えているんだが。)


迅がロノウェとの戦いの後必死に思い出そうとしていると唐突に部屋の扉が開く。


バン!!!!!


アリアス、レイナ、リリィが慌てた様子で部屋へと入ってくる。

だが、部屋の扉を開けるだけで入口から動こうとはしない。

そんなアリアスたちの様子を迅は訝しく思い、3人の様子を眺めてみる。


(どうしたんだ。こいつら。)


「おーい。どうした。お前らーーーー?。うぐっ。」


迅が3人を呼ぶと全員一回顔を見合わせると、迅の元へとすごい速さで駆け寄ってくる。

「ジン」

「ダーーーリン」

「御主人」


アリアスとレイナはベッドの右横に、リリィは左横に屈んでそれぞれ迅の様子を確かめる。

全員が共通してそれぞれ目に涙を浮かべ、迅のベッドに突っ伏す。

その時に迅にも激痛がくるわけだが、そこは男の見せ所。

迅は笑顔でやり過ごす。


(グハァ。傷にィィィィィィ。ま、どうやら心配をかけちまったみたいだしな。許してやるか。)


「このバカ!!私の魔法が間に合わなかったらどうするつもりだったのよ!」


迅が微笑ましく思っていると、アリアスから怒った声が聞こえてる。

その瞳には涙が溢れていたように見える。


「ん?泣いてなかった?」


その様子に器用なことをするな〜と呑気に考える迅だったが、アリアスの怒りはそれだけでは収まらない。


「うるさい!!大体あなたが戦ったのはあの魔人よ。女神である私がほかの神が手助けしていたとはいえ、負けた種族なのよ。それと戦って。今回はたまたま生き残れたけど次はどうなるかわからないわ。まだ私たちが戦うには早いのよ。」


アリアスは迅の反論を一蹴して追い討ちをかける。


「ああ。だが生き残れた。」

「だけどそんなに大きな怪我を負ったじゃない!!」


迅が軽く言い返すが、逆にアリアスが迅の脇腹を指差して言われてしまう。

そこにレイナも入ってくる。


「そうなの。ダーリン。魔人と戦ってそんな大怪我までして。さすがに今回は許せないの。あの荒野でダーリンがあのホワイトアウトの魔法を使った時も言ったはずなの!!心配したの〜。」

「す、すまん。」


迅はアリアスとレイナの剣幕に流石にたじろいでしまう。


「あなたたち。御主人様が悪いとばかり言うけれどこれは戦いの中で起きたことよ。戦いでは怪我だって負うものよ。今回魔人とまともに戦えたのは御主人様だけ。しかも正門で囮をした後にね。私たちは何もできていない。」


リリィが悔しそうにしながら言う。役にあまり立てなかった事が不甲斐ないと思っているのだろう。それは自分への自責にも聞こえる。

その言葉でアリアスとレイナも言葉をなくし、部屋に沈黙が満ちる。


「ま、今は生き残れたんだ。それでいいだろ。今回は当初、魔人が出るとはさすがに考えられなかったしな。

それにいいこともあったはずだ。

多分アリアスは力を少しだが取り戻せたんだろう?」


「ええ。まあね。そのおかげで助けることもできたのよ。あ、あなたが倒れ込んでいる間の話をしなきゃいけないわね。

実はあの後「ちょい待ち!!!!」......どうしたの?」


アリアスが事情を話し始めようとした時、迅から制止の声がかかる。

ちょうどその時、迅のベッドからも音が聞こえる。


グゥゥゥぅぅぅぅぅぅ。


大きなお腹の鳴る音である。

それが重かった部屋の雰囲気を一気に吹き飛ばす。


「あなたねぇ。」

「ダーリン。」

「御主人様。」


全員の肩の力がふっと抜け迅以外の全員が苦笑する。

しかし迅の顔はいたって真面目である。


「何を笑っているんだ?お前たち。まあいい。とりあえず腹が減った。飯食いに行こう。今何時だ?」

「お昼の11時ですよ。御主人様。」


リリィはすぐに切り替えて真面目な様子で迅の質問に答える。


「そうか。ならまだ黄金の豚亭にも人もあんまいないはずだな。行くぞ。」


そう言って、迅は立ち上がろうとするが起き上がることはできない。


「っとまだ上手く身体を動かせないんだった。ちょっとリリィ肩を貸してくれ。」


リリィは一瞬で迅の元へと行くと、壁に掛けてあったコートを着せ迅の手を取り自分の肩に手を回させる。

その時、迅の手がリリィの豊満な胸へと当たる。

迅はアリアスにバレない角度でそっとその感触を楽しむ。

リリィの胸は服の上からも分かるほどの大きさであるが、触ってみると紛い物ではないと一瞬で分かるようなマシュマロのような柔らかさとともに確かな弾力もそこにある。

リリィも迅の胸が触れていることに気づくが何も言ってこない。

むしろ、頰をほんのりと紅くさせ、目を瞑り、喜んでいるようにも見える。

リリィの息遣いが若干乱れてくるのも迅は触れ合っているため感じることができる。

そのため、迅は考えてしまう。もっと深く触りたい、揉みほぐしたい。

リリィの息遣いをもっと荒くさせたい、と。

しかし誤算があった。

その角度はアリアスには気づかれない。だがこの場にいるのは全員合わせて4人いるのである。

レイナにはその現場が見えてしまっているのである。

迅もレイナから見えていることに感触を存分に楽しんでから気づく。

レイナが迅の眼を見て凝視する。

迅もレイナのその眼から眼をそらすことはできない。

冷や汗が迅の顔に張り付く。


(や、やばい。)


レイナが段々と迅へと真顔で近付いてくる。

しかし迅はまともに動くことができない。

そのため、レイナとの距離は段々と近くなって行く。

しかしその間も迅のリリィの胸を揉む手は止まっていない。簡単には止められないのである。

これはもう男の性とでも言うべきものか。

リリィはレイナの接近に未だに気づいていない。

そして目の前まで来ると、バッと手を徐に伸ばす。

その手は迅が揉んでいない方の左の胸へと伸びていき、掴む。


モニュン。


「あぁん。」


レイナがとどめを刺す。

リリィの普段は聞かせないような声が漏れてしまった。その声に迅は生唾を飲み込む。男としてはとても嬉しいのである。

レイナはそのままリリィの胸を揉み続け、少しして手を離す。

だがレイナの動きはそこで終わりではなかった。

自分のところへ戻すと思われていたレイナの手は止まらない。

そのまま迅の空いている方の手を掴むと自分の首に腕を回させる。

その回ってきた手はレイナの胸へと誘導される。

迅もそのレイナの誘惑に逆らうことはできない。

結果レイナの胸もモミモミしてしまう。

レイナの胸もまた巨乳である。

大きさではレイナには負けるが、柔らかさはリリィのそれとはまた違った柔らかさでまるでプリンのようである。形もとても綺麗でお椀型のようになっているのが服の上からでも分かる。

迅の気持ちはどんどん高ぶって行く。

その迅の興奮した様子ににレイナは嬉しそうに笑みを漏らし


「ダーリン〜。」


といつもとは違う甘く囁くような声を漏らす。。

その様子に迅の気持ちは一層ざわざわしだし、胸を揉む手も一層速さを増して行く。

それに合わせてリリィとレイナの息遣いも荒くなっていく。

迅の心のメーターがオーバーヒートしようとしたその瞬間。


「何そこで止まっているのよ。ご飯食べに行くんじゃなかったの??」


迅たちの背後にいたアリアスが迅たちが不自然にドアの前で立ち止まっていることうを訝しんで歩いて来る。


(ヤバい!!)


迅は一瞬でリリィとレイナとアイコンタクト。

全員が頷きあう。

迅は動かしていた手を止め、平常心となる。

他の二人も高ぶっていた気持ちを抑え、真顔になる。

この間1秒にも満たない。

ナイスチームワークである。


「すまん。ちょっと上手く動けなくてな。だがもう大丈夫だ。悪い、ドア開けてくれるか?二人とも手が回らなくて。」


迅がアリアスに答え、逆にドアを開けるように頼む。


「しょうがないわねぇ。」


アリアスは歩きながら答え、迅たちの横を通り過ぎる。

これにより、一瞬だけアリアスの視線を外すことに成功する。

アリアスは迅たちの前へと出ると、部屋のドアを開けてくれる。


「ほら。これでいい?」

「サンキュー。」


迅たちは内心でガッツポーズをする。

初めてアリアスの目をかいくぐることに成功する。

いや、したと思った。

アリアス以外の全員が安堵した様子となり、部屋のドアを通る。

その時、ドアを抑えていたアリアスが笑顔でボソッと通り際に呟く。


「さっき、私に隠れてしていたこと後でゆっくり聞かせてもらうからね。」


全員の顔に冷や汗が流れる。

元女神の目はやはり鋭く、健在であった。



黄金の豚亭の食堂は案の上人も少なかった。

それは断じてアリアス先生による講座が開かれているからではない。自分も巻き込まれては堪らないと客が逃げたからでは無いのである。


その後、1時間ほど続いた説教という名の講座も終わり、一通り食事を済ませると迅が真面目な顔となってアリアスたちに尋ねる。


「聞きそびれていたんだがあれから何日経った?」

「三日よ。」

「そうか、そんぐらいやっぱり経っているか。それで俺が倒れた後のことを聞いてもいいか?」


迅がアリアスへとさらに尋ねる。


「ええ。いいわよ。あなたが倒れた後ね。」


アリアスの説明が始まる。



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