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25話 激闘の終焉

拙い文章ですがお願いします。

ロノウェは自身のマナのほとんどを使って一本の巨大な光の槍を形勢する。

一旦迅から距離を取るロノウェ。


「あーあ。タイムアップだ。」

「は、ついに諦めたか。死ねぇぇぇぇぇぇぇ。刺殺蝶(クドゥグラース)


ロノウェは光の槍を迅へと向かって投げつける。

しかし迅はその場から一歩も動けない。

一瞬で迅の目前まで光の槍は来る。

迅はふと下を向いていた顔をあげる。

ロノウェは迅のその顔を見てしまう。


(笑っている......だと!?)


その時唐突に聞こえる凛とした声。

「絶対障壁!!!」

迅の目の前に大きな透明な壁が現れる。

その壁へと激突する刺殺蝶。

絶対障壁と刺殺蝶が一瞬だけせめぎ合う。

しかし刺殺蝶はすぐにパリンという音を鳴らし、空中へと消え去っていく。


「来ると思っていたよ。お前は。」


そう言って、声の聞こえた方を見る迅。

そこにはボロボロの様子でこちらに向かって微笑むアリアスの姿が。


「まったく。女神の使い方が荒いのよ。この馬鹿ジン。」


アリアスはそう言って、また床に倒れ込んでしまう。

迅は軽くフッと微笑みかえす。


「悪いな。あとでこの借りは返すよ。とりあえず今はあいつを倒さないとな。

等価交換!!!」


迅は一瞬でマナを練り紅いオーラを放つ。

そのまま村正を再び手に持つ。


(一太刀入れられるかどうか....か。)


迅はそのままもう一度マナを練る。


「もうこれでマナはほぼない。

二重魔法。風魔法エアーファング。」

迅はウォーターエンチャントの上からさらに風魔法をかける。



「なっ。二重魔法だと。あれは相当な使い手しか使えないはずなのに」


迅は一瞬でロノウェの前まで移動する。


「そんなことより自分の心配をしたらどうだ。」

「くっ。ペースア......ギャァァァァァァァァァァァ。」


迅はロノウェが青白い光を発した瞬間。

村正でロノウェの胴体を一閃する。

ロノウェの鈍色の甲冑は迅の一太刀によって断ち切られる。

ロノウェはペースアップを発動できずにそのまま地面へと倒れる。


「こ....このままで終わると思うなよ。

魔人軍は着実に強くなっていっている。


ああ、そうだあと1ついいことを教えてやろう。

魔人軍の中でも俺の実力は底辺に位置している。

これからが楽しみだなぁ。おい。」


ロノウェはそう言いながら地面に倒れる。

しかしその声音は笑っていた。

話している間にもロノウェの身体は灰となって崩れていく。

そして最後に一言迅へと告げる。


「お前は後悔するぞ。ここで死んでおけばよかっ.....ガハッ、」


迅はしゃべっているロノウェの首を断ち切る。

青い血液があたり一帯に飛び散る、

ロノウェの首は後方の草むらの方へと飛んでいき、灰となって消え去る。

後には戦いの跡しか残らない。

それを見つめる迅。


「うるせーよ。きたねー口は閉じてろ。続きはあの世で仲間たちと言い合うんだな。仲間もすぐにも送ってやるからよ。」


迅がちょうどそういい終わった瞬間に等価交換の効果が消え、紅いオーラも消え去る。

深夜0時を鳴らす鐘が鳴り終わる。


「ハァハァ、それにしても危なかった。あと一歩でもアリアスが来るのが遅かったら。」


荒い息をし、片膝をつく迅。


「ホントね。もし0時になって、私の絶対障壁が使えるようになってなかったらあなた確実に死んでいたわよ。というか、この辺吹き飛んでいたかもね。まぁ、私たちも迅に助けられているわけなんだけど。」


そこにアリアスがレイナとレベッカの肩を借りながら迅の方へと向かってやって来る。


「うぅぅぅぅぅぅ。ダーリンの活躍を見れなかったの!!もう一回。もう一回見せて欲しいの。ダーリンがアリアスを救ったところ。もちろんアリアスのところは代役として私がやるの。」


レイナが迅に向かって涙目で懇願する。

その様子を見ているレベッカは上を向き、顔に手を当てて呆れた様子となる。


「はは。無理言うなよレイナ。あんなギリギリはもうごめんだ。よく間一髪で間に合ったと思うしな。

それにお前らが危ない目に合うのは許せねーしな。」

「ジン...........」

「ダーリン........」


迅の言葉を聞いたアリアスとレイナがトロンとした目で迅を見つめる。

優しい目線でそれを見つめ返す迅。

するとコートに宿っているリリィから悲しい感情が迅へと流れ込んで来る。

迅は一瞬苦笑しながらも、


「もちろんリリィも危ない目にはあんまりあってほしくないと思っているよ。」


迅はそう言って、優しくコートを撫でてやる。

するとリリィから喜びの感情が流れて来て、それに合わせてコートもウネウネとする。

どうやら照れているようだ。

コートがクネクネ動いていることに不思議な顔をするレベッカ。

その様子を眺めていた迅は立ち上がる。


「どうしたのか?ダーリン。」

「ん?帰るに決まってるだろ。もう疲れ.......たし.......な。」


歩き始めようとする迅。

迅だがは言い切ることができずにバタッと地面へと倒れ込んでしまう。


「ガハッ。」


迅は地面へと大量に吐血する迅。


「ジン!!!!!」

「ダーリン!!!!」

(御主人!!!!)


アリアス、レイナ、リリィの悲鳴のような声で叫び、迅の元へと急いで駆け寄ってくる。そのまま

抱き起こすアリアスとレイナ。

自分の名前を呼ぶ声が迅の耳元でする。

しかし迅はその声に応えることはできない。


(やば.........血を......流.....しす.....ぎた)


迅の意識はそう思考したところで暗闇の中へと落ちていく。





光が差し込まない大きな部屋の中に2人の巨大な男たち。

1人の男は大きな玉座へと座り、もう1人はその前で跪いている。

暗闇のせいで2人の顔はどちらも見えない。

しかし体躯がどちらも巨大なのは玉座の大きさからもわかる。


「ご報告したいことがあります。」


跪いている男が玉座に座っている男に向かって話しかける。


「なんだ。」


その問いに低い周りを威圧させるような重みのある声で反応する玉座に座っている男。


「どうやらウルスラで動いていた第27位のロノウェが死んだようです。」


跪いている者が玉座の者へと丁寧な口調で報告する。


「そうか。この感じはやはりそうだったか。」

「はい。魔人軍の複数のものに確認させました。やはり死んだようです。」

「いくらロノウェの実質的な戦闘力は魔人の中では低いといっても奴は賢い。奴よりも実力が強い相手には戦わないはず何だが。

ウルスラでロノウェを倒せるような実力者は他の場所にいたはずだが。そこはどうだ。

確かロノウェは、ウルスラの五大都市の一つオケアスで動いていたんだったな。」


そう言いながら、一瞬頭に手を当ててため息をつく玉座に座る男。


「ええ。

ロノウェはオケアスで第一王子との繋がりを強めて我々魔人側にに寝返らせていくはずでした。

後、オケアス周辺ににロノウェ以上の実力者がいないのは確認済みです。唯一倒せるかもしれないのは騎士団長のフリードですが彼はそんな風に動くものではないはずですし。これは推測ですが我々がまだ知り得ない者、もしくは者たちが出て来たということでしょうか?」


玉座の男は少し考えてから跪いている男へと命令する。


「まぁ。そうなるか。一つ予想はつくがな。

まぁ時期はちょうどいいといえばいいか。ロノウェを失ったのは想定外だが。

...第57位のオセと第61位のザガンに知らせて、ウルスラへと向かわせろ。そしてロノウェが倒されたのを隠密に調べさせ、倒した相手を始末させろ。迅速にだ。そしてそのままウルスラの攻撃に参加させろ。早く仕留めてしまいたい。」

「しかし、いいのですか?オセはフォレストで内部工作を、ザガンは反抗派と今戦っていますが。」


跪いていた男は一瞬、驚いたような顔をして玉座にいる男を見上げ、問いかける。

だだ玉座に座る男はその問いかけに微動だにせずに厳しい視線のまま返事をする。


「良い。引き上げさせろ。どちらにしても今はフォレストも反抗派も放っておいても問題はないからな。一人二人減っても問題はない。フォレストは俺たちに何かしてくるわけじゃない。あくまで中立だからな。反抗派も何かできるほどの戦力はない。もし仮に何かあったとしても、私と魔人軍がいる。女神の力も手に入れたしな。

しかしウルスラは別だ。奴らヒューマンは早めに滅ぼしておきたい。」


「そうでございますか。了解しました。ご命令どおりに。」


そう言って、跪いていた男は部屋から退出していこうとする。


「待て。」


玉座の男がそう言って跪いていた男を呼び止める。


「何でしょうか?」


跪いていた男は丁寧にお辞儀をしてそれに応える。


「アリアスの行方はどうだ。」

「いえ、未だに何の情報も得られません。どうにも無作為転移で逃げられましたからね。その跡を追うことは我々にもわからず。」

「チッ。厄介なものを使ってくれたなアリアスは。さすがは女神.......か」


忌々しそうな口調で唸る玉座に座っている男。


「もう良い。下がれ。」

「かしこまりました。失礼いたします。」


跪いていた男は今度こそそう言って、その部屋を後にする。

玉座へと座る男は酒のようなものをグビッと煽り飲むと誰もいないはずの虚空へと向かってひとりごちる。


「それにしてもロノウェが倒されるとは。まさかアリアスとは関係があるのでは。未だにあいつの行方はわかっていないしな。ロノウェが倒されたということはアリアスも若干だが本来の力を取り戻したということ...か。まあ、見つかるまではこちらからは何もできないか。

まぁウルスラを滅ぼすのが第一目標に変わりはない。」






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