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24話 残虐紳士の変貌

拙い文章ですがお願いします。



「「ただで死ねると思うなよ。」と言いましたか?。どうやって私と戦うと言うんですか。私はまだ50パーセントですよ。もしも私がフルパワーで戦ったらあなたじゃついて来れませんよ?とうとうトチ狂ってしまいましたか?」


ロノウェがおかしなものを見るような目つきで迅を見る。

迅は嗤いながらそれに応える。


「お前さ。考えたりしないのか。お前がやっていることを俺もしているかもしれないって。知的ぶっているけど見かけだけで実際は頭が相当弱いようだな。」

「な、なんですと!?ただのヒューマンがそんなこと。」


迅はそう言うと、マナを練り上げて魔法を発動する。


(御主人。あれを使うんですか。)

リリィが話しかけてくる。

(ああ。今あれは何分使える??)

(今使えるのは50パーセントが限界で持って10分かと。副作用は分かりません。)

(分かった。それまでにアリアスを起こしておいてくれ。)

(了解しました。)


「無属性魔法等価交(マナ・スワップ)換発動。」


迅がそう言った瞬間、迅の身体から紅いオーラが噴出する。

そのおかげか迅の身体はとてつもなく軽く、力も入るようになる。

顔の傷も消えていき、肉体の疲労も無くなる。

だがそれと同時に迅の中のマナがごっそりと無くなるのを感じる。


(これは想像以上だな。さっき一回使ったが。

それにこの紅いオーラはなんなんだ。)


迅は自分の身体を見てグーパーしながら考える。


(まぁそんなことは後でアリアスとかに聞けばわかるだろ。

それよりも今はあのクソ野郎を殺す。)


迅はそう考えて前を向く。

ロノウェの顔を見ると、その顔は驚愕で満ちていた。


「なっ。その姿は....いやまさか。そんな。」

「何を思っているか知らんが行くぞ。」

「ちッ。あれが出てきてこの姿のままではまずい。本気でいかねば。はぁぁぁ。」


ロノウェがそう言って全身に力を入れた瞬間。

ロノウェのマナが一気に膨れ上がり、身体もそれに合わせて膨張していく。

顔も醜悪な姿となり、牙も伸びる。

結果3メートル長の魔人となる。


「ブッサイクな姿になったなお前。」


迅は忌憚のない意見を冷静に述べる。


「黙れ。俺だってこんな姿にはなりたくないんだ。しかしお前のそれを見た後では使うしかあるまい。」


ロノウェの迅を見た驚きように不自然さを感じるが怒りによってすぐに忘れていく。


「喋り方まで変わったか。まあいい、さっさとやるぞ。」

「闇魔法影隠し。」


ロノウェがそう言うと、自分の影へと手を突っ込む。

そして何かをずずずずと引っ張り上げるような動作をする。


(なんだ?)


段々と引っ張り上げてきたものの正体が露わになってくる。

出てきたのはロノウェの3メートル長の体躯を包み込むような鈍色をした甲冑。

それが意思を持ったかのようにロノウェの身体へと装備されていく。

それを何もせず見守る迅。


「準備は終わったか?」


迅がロノウェへと話しかける。


「ああ。しかし意外だ。お前なら私が装備している間に襲ってくると思ったが?」

「は、んなことしねぇよ。お前が自分で言ってただろ?獲物は嬲り殺していくのがいいって。」


迅が普段では見せないような凶悪な顔をして言う。


「は。減らず口をよくもこう叩ける。」


迅はもう何も答えない。

静かに内なる怒りをその目へと移しロノウェを睨む。

ロノウェもその視線を真っ向から受け止め、睨み返す。

互いに微動だにせず相手の動きを伺う。

夜風が吹き、音を立てた瞬間。

ロノウェが青白い光を発して消える。


(ほう。さっきのよりもスピードが明らかに上がっているな。だが....)


迅はロノウェの姿を一瞬で目線に捉え、自分もロノウェの動きに合わせるようについていく。


「なんだと!?俺のペースアップについてくるとは。

だが高速戦闘においては俺に一日の長がある。負けんわァァ。モルテ・アルティッリォ。」


高速で移動しながら迅へと両手の爪を使い連続で攻撃するロノウェ。

その攻撃を余裕を持って捌いていく迅。

捌いてできた相手の隙に迅も村正でロノウェと斬撃を入れる。

ロノウェは体制が整っていない。

そのため、まともに迅の斬撃がロノウェへと当たる。


カキィィィィン


しかし迅の斬撃はロノウェの甲冑に軽く傷をつけるだけに留まる。

その一刀を利用して互いに距離を取る。


(チッ。あの甲冑めちゃくちゃ硬いな。なら...)


迅が思考をした一瞬でロノウェが魔法を練り上げる。

閃光の一撃(ランポ・ボッタ)

光の光線が迅へと一瞬で迫る。

そのスピードは他の魔法よりも圧倒的に早い。

だが迅ははそれを村正で受けると、真っ二つにする。

すぐに前を見るが、ロノウェはそこにはもういない。

背後で聞こえるロノウェの声。


「どっちをみているんだ?モルテ・アルティッリォ」

ロノウェのデススピアが迅へと直撃する。

勝ったと思い、ニヤッとするロノウェ。


ガキィィィィン。


迅のコート(リリィ)はロノウェの攻撃を完全に弾く。

リリィには傷1つついていない。


「なっ。」

「悪いな。俺も丸腰で戦ってるわけじゃないんでな。」


ロノウェは自分のモルテ・アルティッリォが弾かれて一瞬大きな隙ができる。

それを見逃す迅ではない。

しかし迅は迷わずロノウェを斬りつける。


「俺の鈍色甲冑を超えられまい!...なっ。」



ロノウェはしゃべっている途中で言葉に詰まる。

迅の一刀がロノウェの足のを切り裂いたのである

ロノウェの足から青い血が噴き出る。


「おいおい。俺が何の対策もしないと思ったか。甲冑には覆いきれないところがあるのは知ってたからな。まあ、こっちでもそれが通用するかは分からなかったけどな。

ま、これでお前の足は潰せたな。」

「クッソ。」


ロノウェは足を引きずりながら迅から距離を取ろうとまた青白い光を発して移動する。

が、迅もそれにはもう対応している。


「おい、さっきに比べて格段に遅くなったなぁ。おい。」


迅はロノウェの前方へと出ると、村正でロノウェを斬りつけていく。

ロノウェは両手の爪でそれを受け、捌いていくが次第に迅の攻撃に対応しきれなくなっていく。


「そこ。」


言うと同時に右腕の関節部分の所からロノウェの右腕を斬りとばす迅。

腕を斬った感触が迅の手に伝わって来る。


「ガハッ。」


呻き声をもらすとともに迅から距離を取るロノウェ。

迅はあえてそれを追わない。


「さあどうするんだ。お前のご自慢のペースアップはもう意味がない。

お前のモルテ・アルティッリォも閃光の一撃(ランポ・ボッタ)ももう効かない。

どうする?」


迅が笑みを浮かべてロノウェへと優しく問いかける。


「ひっ。うわァァァァ。」


そう叫んでペースアップで逃げようとするロノウェ。

しかし迅も今度は見逃さない。

ロノウェの前へと一瞬で移動し、ロノウェの前へと立ちはだかる。


「どこへいくんだ?

お楽しみの時間はこれからだろう?」


そう迅が言った時、不意にロノウェが自分の残った方の腕を伸ばして俺の腕を掴む。


「何をする。潔く諦めろよ。」


迅が不機嫌な声でロノウェへと言う。

しかしロノウェは腕を掴んだまま離さない。

村正で切り離そうとしたその時、迅の身体を異変が襲う。

迅を纏っていた紅いオーラが薄くなっていく。


「これは.....」

「気づいたようだな。俺の他者の恩恵(ファヴォーレ)

そうだ。これは敵の身体力・マナを奪うことができる。

お前の身体力を奪っているのだ。だからほら。」


迅が倒れこむのとは対照的に、ロノウェが立ち上がる。

迅によって斬られた足も治っている。右腕だけはないままである。


「はははは。これで形勢は逆転だなぁ。お前はあの力がなければ俺にはついてこれない。」


そう言っている間も迅の力を奪っていく。


(このままはまずい。)

「簒奪者。」

ボソリとそう呟くと、迅はロノウェの他者の恩恵(ファヴォーレ)を奪い、力を逆に吸収する。

しかしロノウェはすぐにその異変に気付き、迅から手を離し距離を取る。

迅は内心でチッと舌打ちする。

(まずい。最低限の力しかもう残っていない。後10秒もつかどうかだな。)


「き、貴様ーーーーーー。私の他者の恩恵(ファヴォーレ)をどうやったかしらんが奪いやがったな。」

激昂したロノウェはペースアップを使い様々な所からモルテ・アルティッリォを使って来るロノウェ。

迅は立っているのもやっとの状況。

そのすべての攻撃をその身に受け、吹き飛ばされる。


「ガハッ。ハアハア。」


迅はロノウェの今の攻撃で全身から血が噴き出、口からも吐血する。

(御主人。まずいです。攻撃がかなり通っています。)


いつの間にか戻ってきたのかリリィが緊迫した様子で迅へと告げる。

(例の.....方は?)

(大丈夫です。)


ロノウェが迅の頭上へとやってきて言い放つ。


「まだまだ終わらんぞ。さっき私が受けた屈辱。思い知れ。閃光の一撃(ランポ・ボッタ)

ロノウェがそう言うと光の光線が迅の脇腹を貫いていく。


「ブフッ。ガハァ。」

迅はロノウェの一撃で口から吐血する。

また迅が倒れている地面からは大量の血液が見える。


(御主人!!)


リリィの悲痛な叫びが迅の頭の中へと響く。

しかし迅にはそれに応える余裕はない。

ロノウェが俺のところまで来て、穴の空いた脇腹を足で蹴りつける。


「ガハァァァッ。」

「ハハハあーはっははははは。」


迅の痛みに悶える姿を見てロノウェはどんどん蹴り続ける。

だが、途中で笑うのを辞めて真顔になって迅へと言う。


「ハァハァ。あ〜楽しかった。だがもう飽きたな。悪いな、俺は飽き性なんでな。」


ロノウェはそう言うと、マナを練り始める。


「ちゃーんと殺しきれよ?」

「当たり前だ。最大威力で葬ってやる。」


ロノウェは笑顔で迅へと魔法を放とうとする。

その時、鳴り始める深夜零時を告げる教会の鐘の音。

鐘の音を聞いた迅は俯いたままニヤリと怪しく嗤う。





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