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21話 血の雨が降る夜

拙い文章ですがお願いします。

時は迅が正門をこじ開けた時まで遡る。



「よ、よくもセンをぉぉぉ」


3人の騎士と私兵が剣を持って向かってくる。


「ほう。これはセンっていうのか。

ま、どうでもいいが。」


センと呼ばれていた男の、2つに分かれた身体を突っ込んできた相手の方に向かって蹴り飛ばす。


「なっ。センをどこまで愚弄するつもりだぁぁ」


突っ込んできた敵はセンの死体を避けるために急停止する。


バカが。


「ウォーターエンチャント」


一瞬で魔法を発動し、村正へのかける。

村正の刀身全体に薄い水の膜が作られる。


「魔法を一瞬で!?」


遠巻きにいたやつが驚きの声をあげる。



「いや、あれじゃ切れ味はでねぇはずだ。今のうちにやっちまうぞ。」


周りで見ていたやつらも突っ込んでこようとする。


問題ないな。


止まっていた敵に一瞬で近づき、懐へと飛び込む。そのおかげで相手はがら空きの胴体を俺の方へと晒している。


「死ね。」


1人目を斬るとそのまま近くにいた敵の腕を斬り落とす。


「がはっ。」

「ぎゃァァァァう、腕がァァ。」


1人目は即死するが、2人目が痛みで転がり回る。


「目障りだ。」


2人目の首をそのまま刎ねる。

その光景をみた3人目のやつは及び腰になって逃げ出そうとしている。


「逃げんなよ。」


思わず苦笑してしまう。この辺りに練度の低さが見て取れる。

斬った2人目のやつが使っていた剣を三人目へと投げつける。


「うわぁっ。」


3人目の男は碌に対応もできず、剣は胸へと突き刺さりそのまま貫通する。


「弱すぎるよなぁ。さて、次は誰がやられる?」


リリィ、今何人残ってる?


相手を挑発しながら心の中でリリィへと念話する。


『ホワイトアウトで倒せたのは大体50人前後ですね。今ここにいるのは魔法士が10人程度で騎士と私兵が20人かしら。』


大体80人は釣れたのか。まぁまぁだな。


だが次第に敵も連携が取れてくる。その証拠に敵は何も答えない。


「おい、お前ら。奴を囲めぇぇぇぇぇ」


他の敵よりも一際立派な鎧をきたリーダーらしき男が後方で声を張り上げる。


「奴は1人だ。魔法で袋叩きにすれば問題ない。魔法士は魔法の詠唱を。その他の者は魔法士を護れぇぇぇぇぇぇぇ。」


魔法士は魔法を発動するために詠唱をし始め、その前に騎士が立つ。魔法士たちが詠唱している間守護するつもりだろう。


「俺が魔法をただ撃たせると思うか?」


リーダーの男がいる所に向かって突っ込んでいく。


「させるかァァ。」

「ここは通さん。」


騎士が盾の役割をする。

だがその程度どうとでもなる。1人2人と村正で瞬殺させていく。

敵を斬りつけた瞬間に他の騎士や私兵が一斉に俺に向かって斬りかかってくる。


あの数は捌き切れないな。


元いた場所までジャンプする。

同時に聞こえるリーダーの声。


「魔法撃てぇぇぇぇぇぇぇ。」


どうやら詠唱は完了したらしい。

リーダーの声で魔法士が一斉に魔法を放つ。


「「エアーバインド」」


魔法士二人が動きを封じるための魔法を放たれる。魔法は風の渦となって俺目掛けて放たれる。

高速で迫ってくる風の渦。まああいつら基準の()()だが。

その場を離れ、エアーバインドを避ける。

行き場を失ったエアーバインドは後ろにいる敵の一人へと向かう。


「何をやってる。解放しろ!!」


もみくちゃにされながらも叫ぶ敵の男。

すぐに魔法は解除される。


「そんなのろい魔法なんて当たるかよ。」


あえて相手を挑発し続ける。

とうとう堪えきれなくなったのか、リーダーの男が声を荒げる。


「黙れぇぇぇぇぇぇぇ。貴様に殺された仲間の恨み晴らしてやるわァァァァァァ。」


「あ?? 何言ってんだお前。本気で言ってんのか。お前らも散々ヒューマンを殺してきたんだろう。ヒューマンは殺すくせして自分たちが殺されたら文句を言うだと。そんなこと言ってる暇あったらさっさと俺を殺してみろよ。」


迅の言葉を聞いたリーダーの男は激昂する。


「魔法士よ!!発動だ!!」


魔法士たちが一斉に魔法を発動する。


「「「「フレイムバレット」」」」

「「「「ストーンランス」」」」

2つの魔法がおり混ぜられる。

炎の小粒の球と石槍が迫ってくる。

一飛びして上空へと逃げる。


「そんなこと見切っているわぁぁぁ。」


避けた魔法が軌道を変えてまた向かってくる。

同じ轍は踏まないってことか。


「ホーミングか。面倒なことを。」

「はーはっはっはっは。」


勝ったと思ったのか、リーダーが高笑いし始めている。

リリィ。


『了解です。御主人。』


思考が伝わったのだろう。一瞬で肯定の返事が返ってくる。

魔法士たちが放った魔法がそのまま当たる。


バガァァァァァァン


魔法が当たった影響で爆煙が上がる。


「死んだ。死んだぞ。はーははははははは。」

リーダーの高笑いは止まらない。


「レイスさん。みてください!!!」


騎士の1人が迅のいた場所を指差しリーダーに向かって叫ぶ。


「なんだ!?」


レイスは煙が上がっている場所を確認する。

その場所の付近は紅く光っており、その光はどんどん増していく。


「なんの光だアレは。」


爆煙が晴れていく。

その中心にはコートを紅く光らせた迅の姿が。


「死んだと思ったか?ああ、そうだこれはお前らに返すな。」


手を軽く振ると紅く光っていた迅のコートが爆発的に明るくなる。


「なっ……」


レイスたちは全員目を伏せる。


「おい、目を伏せていいのか??」


「なに?」



レイスたちが目を上げた瞬間。

魔法士たちの眼前には彼らの放った魔法と同じ魔法が。


「なんだとっ……。」


魔法士たちを炎の小粒の球、石槍が襲う。



「ガハッ。」

「グギャアァァ」

「腕がァァァァ。」


そこらかしこで断末魔が上がる。


「貴様ァァァァァァ。」


レイスが目を釣りあげて睨んでくる。


「これで、目障りな魔法士は全員消えたな。あとはそいつらだけか。」


地面に着地すると、村正を騎士たち全員に向ける。

それをみて怯む騎士たち。


「怯むな。貴様らァァァァ。

こうなったら私自身で。」


レイスは自身の剣を引き抜くと、迅目掛けて突っ込んでくる。


「はァァ。」


それを村正でで捌いていく。

周りの様子も片手間に確認する。


他の奴らは動く気配はないな。いや、どちらかと言うと動けない感じか。まあ、味方が60人以上、それも訳もわからず殺されているんだ。それも当然か。ならここで完全に心を折っとくのもありだな。そのためにはこいつを殺すのがベスト……か。

リリィ。奴らが動いたら教えてくれ。


『畏まりました。』


レイスの攻撃を巧みに避けていく迅。


なかなか強いじゃないかこいつ、命令するばかりじゃなかったのか。だが……。

甘く入ってきた剣を思い切り弾く。

その影響で大きく仰け反り飛ばされるレイス。


「今度は俺だ。」


体制を崩しているレイスに斬りかかっていく。

それをなんとか避け、捌いていくレイス。

しかし技量は迅の方が上。次第にレイスの身体に傷がついていく。


「くっ。」


レイスは剣を無理矢理叩きつけて、大きく後方へ飛ぶ。


「はぁはぁ。このままでは。

おい、お前たち一旦時間を稼げ。」


レイスはそう命令すると、魔法の詠唱を始める。


「いや、そう言うのだるいから。」


魔法の詠唱を待つ訳がない。

レイスへと向かっていき、斬りつけようとする。

だがそれを二人掛かりで受け止める騎士たち。

他の騎士たちもその騎士たちの行動に触発される。


「あいつらがやってるんだ。俺たちもいくぞ。」

「おーーーー!!!!」


左右、後ろ、様々な方向から斬りかかってくる騎士たち。


「チッ。」



迅も全てを受け止めきれないと判断して後方へ飛ぶ。

しかし騎士たちは追い討ちをしてこない。

「レイスを護る…………ってか。

ならこちらから行くぞ。」


怒涛の勢いで騎士たちの中へと斬り込んでいく。

騎士たちも剣で防御していくが、一撃食らうだけで剣が斬られていく。


「なぜ!?」


騎士たちの中で驚きの声が上がる。


「俺の水魔法は他の奴らとは違くてな。ウォーターカッターのようなものになっているんだよ。それに加えての村正のキレ味だ。まあそんなこと知ってもお前らにとっちゃ意味ないが。」


喋りながらも騎士たちを1人、また1人と倒していく。

残りが3人となった時にレイスの声が聞こえる。


「お前たち。よくやった。無属性魔法 等価交換(マナスワップ)。」


レイスは一瞬で迅との距離を詰め、剣で斬りつける。


「くっ。スピードが上がっている。」


ギリギリで斬撃を捌いていくが先程よりも圧倒的に速い。


「スピードだけじゃないぞっ!」


そう言って、レイスは斬りつけてくる。

それもまたガードしようと、剣を出しかけるが。


(御主人!!!)


リリィの制止の声がが頭に響く。

迅は村正を無理やり止めるとギリギリで斬撃避ける。

レイスが振り下ろした剣が地面に当たり、その衝撃で迅は後ろへと吹き飛ばされる。


「なんていう力だよ。」


くるりと空中で回転し着地する。


「どうだ、どうだ、どうだァァァ。まだまだ行くぞォォ。」

レイスは迅へと向かって再度斬りかかってくる。

それが5分以上も続く。


「レイスさんが押してるぞ。」

「やっぱあの人が最強だ。」


残された騎士たちが口々にいい、レイスの名を叫び始める。

その間も斬りつけ続けるレイス。


「はァァァァ。」


レイスの気合の入った一撃で体制を崩される。

そのすきを狙ってレイスの蹴りが腹部へと入る。


「グフっ。」


苦悶の声が漏れる。

だが悶絶している場合ではない。あえて蹴りの流れに逆らわずそのまま後方へと飛ぶ。


「はぁはぁ。」


その様子を見て、レイスは追い討ちをかけてくる。


「これで終わりだ!!!」


レイスは剣で斜めに斬り下げようとする。


勝った。そう確信したかのような顔をレイスはしている。

剣を振り下ろすレイス。

迅は笑っていた。


「勝ったと、思ったか?」


カキンっ


レイスの斬撃は片手一本で持った村正によって弾かれる。


「なにっ」


レイスの顔が驚愕で満たされる。


「お前、初めて俺に押し勝てて調子にのったな?無理な力での戦い。その反動でお前のスピードもパワーもは最初よりも遅くなっているぞ? 」

そう言われ、他の騎士たちの様子を見るレイス。


「クッソガァァァ。」


自分の窮地を悟ったのかレイスは叫びながら闇雲に剣を振り回しながら突っ込んでくる。


「見苦しいぞ。」


そんなレイスを一閃。


「がっ。」


迅はレイスを殺した勢いのまま他の騎士のところに向かって行き殺して行く。


「これで終わりか。さてとレイスの力使えそうだし奪っておくか。」


レイスの死体へと近づき簒奪者を発動、等価交換を奪う。


「さて、結構時間がかかっちまったな。アリアスたちの方へ向かうか」


領主の屋敷の中へと向かってこの場を去る。

後に残されたのは無数の死体と血だまりだけであった。

更新遅れてすみませんでした。

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