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20話 邂逅

拙い文章ですがお願いします。

「それにしても敵の数が少ないな。こんなにスイスイ行けるとは。あの迅という男が囮になったのは成功したと言うことだが...。ホントに大丈夫なのか?相手は少なく見積もっても50人はいるんだろう。」


レベッカが座り込んだままの状態で言う。


「ダーリンの強さはあなたが身を以て知っているはずだけど〜?」


レベッカの顔が苦々しいものとなる。


「そ、それは、そうなんだが。ただ単純にだな。数の力というかだな。」


話を続けるレベッカにレイナは先ほどよりも冷たい視線となる。


「まぁまぁレイナ。レベッカは別にジンの悪口を言いたい訳じゃないわ。ただ単に心配してくれてるだけよ。」


「分かってる〜。でもさ〜ダーリンは絶対に負けないもの。」


それでもレイナは納得行かなそうな顔だ。


「すまなかった。余計なお世話だったようだな。」


レベッカはそう言って立ち上がるとレイナへと手を差し出しレイナもその手を掴む。


「まぁありがと、ダーリンの心配してくれて。でも大丈夫だから。」


レイナは立ち上がると、控えめな声でボソッと呟く。

その様子にアリアスとレベッカは小さく笑う。


「何笑ってんのー。」


それに気づいたレイナが2人へと食ってかかる。


「んーん。なんでもない。それよりそろそろ動き出しましょう。いくらジンが引きつけてくれているとはいえ、上にも何人か残っているはずだわ。

ナッシュたちが遅いのを不審がって、下に来るかもしれないわ。」


アリアスは微笑みから一転、真剣な表情となる。


「ああ、そうだな。」


3人は二階へと続く階段を登り始める。


「二階ってどうなっているんだっけ。」


「そんな複雑じゃないぞ。廊下を進んでいき、曲がり角を右に曲がって、奥にある部屋にルーカスはいるはずだ。」



アリアスの問いにレベッカが階段を登りながら、小声で教えてくれる。


「それよりも気をつけろ。ここからは....」


レベッカがそう言った瞬間、二階から魔法がレベッカに向けて放たれる。


「ボルテックス!」


イカズチがレベッカの方へと向かってきて思わず剣で受けてしまうレベッカ。


「しまっ。うあああああ。」


剣を通してレベッカの身体に電気が流れそのまま倒れこむ。


「「レベッカ!!」」


アリアスとレイナが声をかけるが、反応はない。


「おいおい、死んでくれるなよ?戦いはこっからだぞ。」


アリアスたちが二階を見上げるとさっき魔法を撃ったと思われる男の魔法士が詠唱を始める。

その隣の女の騎士もアリアスたちの方に向かってくる。。


「ヤバ。」


レイナもまた魔法の詠唱を始めそして同時に魔法が完成する。


「ライトニングアロー」


五本の雷の矢がアリアスたちに迫る。


「アースウォール」


それをレイナが土魔法で土の壁をを作り、感電を防ぐ。


「アリアス!!」


その言葉に答えるように、女騎士に向かって行くアリアス。

剣とナイフで斬り結ぶ。


「なかなかやるねあんた。」


剣を振り回しながら話しかけてくる。


(ナイフじゃ分が悪いわね。なら。)


アリアスはバックステップで距離を一旦とると、ナイフを投擲。


「何を!?血迷ったか。」


剣でナイフを弾く女騎士。

アリアスは女騎士が目を離した一瞬で距離を詰める。


「なっ。」


アリアスは剣が触れないリーチに入ると、顎を思いっきり蹴りとばす。


「がはっ。」


女騎士は吹き飛び体勢を立て直そうとするが上手く立ち上がれない。


「脳を揺らしたからね。まだ無理じゃないかしら。」


アリアスはそのまま女騎士の剣をとり、胸へと突き刺す。


「くっ。」


アリアスは苦悶の表情を浮かべるが、一瞬で思考を切り替えると、レベッカのもと駆け寄る。


「大丈夫?」

「ああ、すまないな。油断した。」


(痺れている以外には目立った外傷はないわね。これなら。)


「小回復!!」


緑の光がレベッカを包み込んでいく。

その光がやむと、体の調子を確認するレベッカ。


「ありがと、行こうか。」

「ええ。」


近くでは魔法を打ち合っているためこちらの様子には気づいていない。

レベッカがそのまま突っ込んでいく。


「なっ。おまえ...」


魔法士は詠唱中のため反応できない。


「死ね。」



レベッカが剣を振り下ろす。

「ガハァァァ」

魔法士は血を撒き散らしながら階段を転がり落ちていく。



「はぁはぁ。」


レイナが膝をついて肩で呼吸する。


「レイナ大丈夫??」


アリアスが声をかける。


「........ええ。大丈夫よ。早くいきましょう。」


そのまま階段を登り、廊下を進んでいく。

曲がり角を曲がると眼前に大きな扉が出てくる。


「レイナ、魔法の準備しといて!!」


何人いるかしら。これで大人数いたらさすがに.....

一瞬そんなことが頭を過るが、すぐに打ち消す。

そしてそのまま走り、扉を開けて中へと転がり込む。

起き上がりざまに周囲を確認する。


3、4、5......6人ね。


部屋にいたのはルーカスにギス、黒いローブを被った者に黒い鎧を纏った騎士が3人。

騎士は全員大柄な体型でアリアスたちが入ってきても微動だにしない。


「な、なんだおまえたちは!!そっちの鎧姿の女は.......騎士団の女か。チッ。先に襲撃されたか。おい、おまえら。あいつらを殺せーー。」


ルーカスが慌てた様子で黒騎士3人へと命令する。


「御意。」


そういうと、3人はアリアスたちに向かって剣を抜きながら向かってくる。

黒騎士たちは別々に攻撃してきて一体一の戦いへと持ち込まれてしまう。


「レイナ!!」


アリアスが叫ぶと同時にレイナの魔法が発動する。


「エアーランス!!」


レイナが詠唱してあった魔法を放ち、分断されないようにするが。


「その程度!!」


黒騎士たちは軽快な体捌きで避け、剣で防いでいく。

全て弾かれる。


この騎士たち、他とはレベルが違う!!これは、かなりまずいわね。

そのままアリアスたちに向かってくる。

アリアスたちも剣で応戦する。


「くっ。受け切れない。」


アリアスは黒騎士の一撃を受けきれず吹き飛ばされる。


「この程度か。」


黒騎士はその場でアリアスが構え直すのを待つ。


もうスタミナが....


アリアスがこないと来ないと悟ったのか黒騎士から斬りつけてくる。

それをアリアスはギリギリで捌いていくが次第にかすり始める。


「おいおい、どうしたぁ。元気ないじゃないか。」


黒騎士が愉快そうに話しかけてくる。

アリアスは何も答えない。


どうしよう。このままじゃかなりまずいわ。とりあえずこの黒騎士を倒さないと。

そう考えている間にも黒騎士の攻撃は苛烈さを増していく。

そしてとうとう。

「オラァァァァ、これで終わりだーーー。」

黒騎士がアリアスのがら空きの胴体に向かって剣を斬りつけてくる。

使うしかない。


「絶対障壁!!!」


ガキィィィィン


「な、なにぃぃぃぃぃ」


黒騎士の渾身の一撃がアリアスの絶対障壁によって跳ね返され、大きく仰け反る。

アリアスは手に持った剣に力を込める。


倒すなら今しかない!


「ハァァァァァァァァァ。」


アリアスはがら空きとなっている黒騎士の首に向かって思い切り剣を斬りつける。

斬撃は黒騎士の鎧を貫通し、頚動脈を切り裂く。

黒騎士の血があたり一帯にと飛び散る。


「な、なん...だよ。それ。.........反則だろ」


黒騎士はそう言い残し息絶える。


「はぁはぁ。あと2人ね。」





「レベッカ。その程度か??」


黒騎士が斬り合いながら挑発してくる。


その顔には余裕の色すら見える。

クッッソ。


「そんなわけないじゃない。」


黒騎士の剣を思いっきり弾いて距離をとるレベッカ。


「何をするつもりだ?」


魔法の詠唱を始める。


「そんなことさせると思うか?」


黒騎士がその隙を狙って剣で斬りつけようとする。


「させないわ。」

アリアスがその間へと入って剣を弾く。


「お前は確かオービが。チッ。やられたか。邪魔だぁぁ」


黒騎士の剣が苛烈さを増す。

「くっ。」


アリアスがギリギリでそれを捌いていく。


「ありがとアリアス。もういいぞ。フレイムエンチャント。」


レベッカの足と剣が燃え上がる。

アリアスはこくんと頷くと、黒騎士の攻撃を大きく弾く。

そこに割り込むレベッカ。

アリアスはその間にレイナの方へと向かっていく。


「じゃあ行くぞ。」


そう言うと、一瞬で黒騎士の前まで現れる。


「なっ。」


かろうじて避け、距離を取る黒騎士。


「はぁはぁ。危なかった。」

「いや、終わりだ。」


炎の剣で黒騎士を斬る。


「うわァァァァァァ。」


レベッカは自分の炎を消すと同時に倒れこんでしまう。


敵はあと1人優先すべきは……


「レイナ!!」


アリアスがレイナが相手している黒騎士へと斬りかかる。


「ハァァァ。」


「くっ。面倒な。」


黒騎士がレイナへの攻撃をやめ、アリアスの攻撃を受け止める。


「おいおい、軽いぞぉぉぉ」


アリアスの剣を受け、逆に弾き返す。


「お前ら。もうスタミナは残っていないようだなぁぁ。」


黒騎士が軽快な動きでアリアスを一瞬で追い詰めていく。


「もう私の役目は終わりよ。」


アリアスはそう言うと、大きく後ろへと飛ぶ。


「何を。...お前は。しまった。」


アリアスの後ろにはいつのまにかレイナがいた。

アリアスが飛んだことにより、レイナと黒騎士を遮るものが無くなる。


「やっと目があったね〜。幻視の瞳」


その瞬間。黒騎士は持っていた剣を落とし、倒れる。

だが、レイナも倒れ込んでしまう。


「もう...マナが。」

「レイナ!!!」


アリアスが駆け寄ろうとするが、声をかける存在が。


「久しぶりですねぇぇ。アリアス。」


声をかけられたの方を向けばそこにいたのは黒いローブの男。


「誰よ。あなた。」

「ああ、このローブを取らないとわかりませんか。」

「……ロノウェ。」


最悪のタイミングね。

そこには青い肌、頭には下向きに二本の角が生え、牙も二本生えていて両手の爪も極端に長い。


「な、何だお前は。魔人なのか。」


ルーカスとギスが怯えながら叫ぶ。



「うるさいです。」


そう言って、爪を一閃する。


「え?」


ルーカスとギスの頭が宙を舞う。

ロノウェはアリアスの方へと顔を向けて言う。


「お久しぶりですね〜。あえて嬉しいですよアリアス。早速ですが、死んでください。」


ロノウェは笑顔でそう言うと、一瞬でアリアスへと迫る。

もう絶対障壁も剣を持つ力もない。もう.....


ロノウェの爪が迫る。

アリアスが目を瞑り、微かな声で呼ぶ。

「迅」


カキィィィィン




「呼んだか?ダ女神。」

アリアスの目の前に黒と赤のグラデーションのコートを着たアリアスたちが待ち望んだ背中がそこにあった。

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