表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/86

18話 戦場

拙い文章ですがよろしくお願いします

アリアス、レイナ、レベッカとサイモンは裏門から少し離れた木の上で待機していた。


「ジンからは合図をだして、裏門の見張りが目を離した隙に見張りと門番を殺して、入れって言われてるけど合図って何かしら。」


アリアスが独り言のようにボソリと呟く。


「ダーリンのことだから何か策があるはずな多分〜。ま、おおよそ予想はつくのだけど〜。」


レイナが意味深な表情で答える。


「え、予想ついてるの?」

「ちょっとね。

そういえば、アリアスさっき見張りを殺すとか言ってたけど、もうヒューマンとか生き物を殺せるようになったの?」

「別に平気なわけじゃないわ。可能な限り殺したくはないし出来るなら再考するチャンスをあげたいとは思っているわよ。でも、私の考えを実践するほど今の私には力は無いから。

自分にできないことをしようとする者は死ぬわ。周りも巻き込んでね。

だから早く力を取り戻さないと。」


レイナはそこで気づく。

アリアスの拳が握り締められていて、血が滴り落ちていることに。


「アリアス.......」


レイナの言葉にはアリアスは気づかない。

それからは誰も喋らず、ただ実行の時を待つ。

それから数分後。

突如何かが爆発したかのような轟音が辺り一帯に響き渡る。

全員がそれを認識した瞬間慌てて耳を塞ぐ

「い、一体これは」


レベッカが呟く。

そして全員が轟音がした方向を向く。

そこには白い噴煙が巻き起こり、多数の土砂が噴出していた

その噴煙は天にも登るような勢いであった。

レベッカとサイモンはその光景を目の当たりにして口をあんぐりと開けている。


「な、なんだあれは」

「あれは一体どういうことなんだ。神の怒りか。

おい、何か知っているのか。」


アリアスたちはレベッカの問いには答えず、ただそれをやったであろう人のことを思い浮かべる。


「全く、ダーリンたら。本当にわかりやすい合図ね。」

「そうね。あれを使うなら教えといてほしかったわ。後でお説教ね。」


アリアスの言葉を聞いたレイナは内心で思う。


(ダーリン、御愁傷様)


知らぬ間に迅の拷問が決定していた。


「いつまであの光景に見とれてんの。早く行くよ」


レベッカたちに対するれいなのアタリはやはり厳しい。


レイナの言葉にハッとしたかのように二人は動き出す。

レイナとアリアスもフードを被り、木の上から降りて、裏門の様子を見る。

裏門は迅の爆発の影響か人が少なくなっている。


「今がいいタイミングかしらね」

「そうね。行くよ〜」


レイナが動き出そうとすると、アリアスが待ったをかける。

なぜ?と言う目線でアリアスの方を見るレイナ。

その視線に答えるようにアリアスが口を開く。


「1つだけ質問。なんでレイナは私や迅、リリィと喋る時とその他のヒューマンと話す時は口調が違うの?」

「なんで今〜?」

「いや、サイモンやレベッカとの連携が重要だから。不安要素は無くしておきたいのよ」

レベッカやサイモンの方を見ると、アリアスの疑問と同じことを思っていたのかうんうん頷いている。


「時間がないのに〜もう。私はそもそもヒューマンが嫌いなの。私のことを偏見で見て来たからね。ダーリンやアリアス、リリィは普通に最初から接してくれた。だけど他の人は違う。だけど大丈夫よ。やらなきゃいけないなら一緒にやるよ。それがダーリンのために、私たちのためになるならね。だから安心して。」


そう言って、レイナはアリアスの方に向かって満面の笑みを向ける。レベッカたちの方は睨んでいたが。


「疑問は解消した?

早く行ってダーリンの負担を少しでも軽くしないと。」


そう言って、レイナは木の下から素早く出ると、相手にバレないように影を通って門へと近づいて行く


「待ちなさいよ」


アリアスも慌ててレイナの後を追い、その後に続いて、レベッカとサイモンがついて行く。

二人はアリアスたちについていきながら内心で驚愕する。


(どれだけ速いのよ。この二人。レイナはまだわかる。昔は冒険者をやっていたからね。でもこのアリアスという女はどういうことだ。この細い体のどこにそんな力があるというのだ。我々がついて行くのに精一杯なのに。この二人は涼しい顔で。我ら騎士団も生半可な鍛錬をしているわけじゃないんだぞ。)


2人の後ろを走っているサイモンも驚愕した表情をしている。

後ろの二人がそんなことを考えていることも知らず、前にいるアリアスとレイナは門に向かって突き進んで行く。

1分もかからないうちに門の下へと辿り着く。


「ここからどうするの?」

「ハァ。門の上に行くに決まっているでしょ。」


レイナは呆れながらレベッカに応えると魔法を詠唱し始める。

10秒ほど詠唱して、レイナの魔法が完成する。


「行くよ!各自戦闘の準備して〜

風魔法エアブラスト!!」


「「「え?ちょっ」」」


3人が声をあげる前にレイナは既に魔法を発動させていた。

レイナが魔法を唱えると下から突風が吹き上げてきて、全員の身体を上方へと押し上げる。


「うおっ」

「うわぁぁぁ」

「きゃああああ。」


レイナ以外の全員が悲鳴をあげる。

しかし辺り一帯は喧騒にまみれているためアリアスたちの声は上にいる門番には聞こえない。

一瞬で門の上まで全員の身体が持ち上げられる。


「で、どうすんの?

ただ身体を持ち上げただけじゃない。」


レベッカが青い顔しながら聞く。


「大丈夫」


レイナが淡々とした顔で魔法をもう一度放ち、自分たちの後ろに微風を起こす。門の上に上手く全員が着地する。

目の前には門の上を守護するであろう門番が二人。

その二人が魔法の発動を感知し、アリアスたちの方を向いた瞬間。

石になったかのように固まる。

アリアスやレベッカたちがレイナの方を見ると眼がキラリと光る。


「殺してはないわ。ま、当分目覚めないけどね。」


レイナはそのまま門番の剣を奪って行く。


「さあ行くわよ」


レイナは下に降りるために門の内側にある階段を降りて行く。


「中には誰もいないわね」


階段を降りると、そこには土砂の塊が所々に落ちている。


「こ、これは」


アリアスとレイナの顔が引き攣り、胸中に同じ思いが宿る。


(ジンにはこの魔法をあまり使わせないようにしよう。周りへの被害が大きすぎる。

いや、そのことは後で考えよう。今はこの戦いを終わらせないと。)


アリアスたちはルーカスたちがいるであろう、本殿へと向かう。


「それにしても本当に敵が出てこないな。」


走りながらレベッカが言う。


「あのジンという男が敵を全て引きつけているのだろう。あんな魔法をうたれたらな。誰だってそっちに向かって行くだろう。

それよりも今のうちに中に入って目標を達成するぞ。」


話している内に本殿へと着く。

中へと入る裏の扉は開け放たれており、人がまばらに行き来している。


「ここからは二手に別れるわよ。

私とアリアス、レベッカはこのままルーカスたちを殺しに行くの。

サイモンは前領主が捕まっているところに行って、助け出してくるの」


レイナが3人に向かって言う。

全員がその言葉を聞き、頷く


「それじゃ行くよ。」


レイナはそう言うと、先陣切って中へと入って行く。

続けて、アリアスとレベッカが中へと入って行く。

廊下を進んで行くと、鎧姿の騎士が3人廊下を歩いている。


「なんだお前たちは。」


一人が聞いてくるが、誰もそれには答えずに、ただ黙って歩いて行く。


「おい、待てよ。ルーカス様がお呼びになった娼婦かもしれないぞ。あの方は毎晩お呼びになっているからな。レベッカもいるしな。」

「おお本当だ。それにしてもあんな爆発があったのに。ど、どうする?」

3人がアリアスたちそっち抜けで話し始める。

「ねぇ〜」


レイナがいつも通りの口調で言いながら一人の男へと近づく。


「ん?なんだ?」


1人が振り向いた時、レイナの冷たい声がその男の耳元で聞こえる。


「死んで」


レイナが後ろに隠し持っていた門番から奪った剣をそのままその男に斬りつける。


「グアアアアアアアア」


叫び声をあげながら男は絶命する。

その男の返り血をレイナがもろに浴びる。


「汚たないわね〜。」


残りの二人は一瞬唖然とするがすぐに気を取り直すとレイナに向かって剣を取り出し斬りかかる。

そこに聞こえる2つの別の声。


「誰か忘れてない?」

「このクズが。私の名前を呼ぶな。」


アリアスはナイフで相手の頚動脈を斬り、レベッカは剣で相手の首を切り落とす。


「ここまでは楽に相手を倒せたな。」


レベッカが剣についた血をブンっと振って払い落とす。


「ここまではね」


レイナが厳しい顔のままだ。


「すぐに次が来るわ。行けるところまで行きましょう。」


アリアスがそう言い、廊下の奥まで進む。


「ここは右でいいんだっけ?」


「ええ、その次の曲がり角で左。その奥にある階段を登れば二階に出れるわ。」


レベッカが答え、先陣をきって進んで行く。

奥の部屋から5人の騎士が出て来る。


「チッ」


一人の騎士が叫ぶ。


「なんだお前らは。血!?敵か。」


一人がそう言うと、四人が槍や剣を抜き放ち、こちらに向かって来る。一人が魔法の詠唱をし始める。


「魔法士ね」


アリアスがそう言うと、レイナがその場で立ち止まり魔法の詠唱に入る。

その間にレベッカとアリアスは互いの武器を手にして相手に突っ込んで行く。

お互いの距離が残り5メートルをきったその瞬間。


「エアーランス。」


レイナの魔法が発動し、5本の風の槍が形成される。

アリアスとレベッカはその場でしゃがむ。

エアーランスが相手へと直撃する。


「ひぎゃぁぁぁ」

「うわあああ」


直撃を受けた二人がその場に倒れこむ。1発で相手の命を刈りとる。

そして、しゃがんだアリアスとレベッカが一瞬で立ち上がり、後ろの二人を倒そうとする。


しかし、相手の魔法士の魔法が同時に完成する。


「ウォータースプラッシュ!!」


騎士たちが左右に別れて相手の攻撃がアリアスたちの元へ。

アリアスとレベッカはエアーランスを受けて二人の身体を起こし、肉の盾とする。


「なっ。そんな」


二人は一瞬の隙を突き、二人の剣士も殺す。

魔法士は一人になったとわかるや、逃げ出そうとする。


「逃がすわけないの。エアーバインド」


いつの間にか魔法を完成させていた、レイナが魔法士を拘束する。

二人が近ずいたその瞬間、別の男の声が聞こえる。


「水属性魔法アイスウォール!!」


氷の壁が拘束された魔法士の前にでき、アリアスとレベッカが一歩下がる。

魔法を放った男を見る。


「よぅ、久しぶりだな。嬢ちゃんたち。」


血走った目でこちらを見るナッシュが階段の前にいた。





ブックマーク、感想、評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ