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17話 発端

拙い文章ですがお願いします。

フリードの話は続く。


「領主が変わって、第一皇子派閥になったことで、騎士団でも意見が分裂してな。今のこのような治安が悪化していく事態となってしまったのだ。今はまだ表面には出てきていないが時間の問題だろう。」

「まあ、そんなことは興味ない。で?」


迅があくびをしながらいう。


「きょ、興味ないって....」


その言葉にフリードたち騎士団の面々が絶句する。

レベッカに至っては鋭い視線で迅のことを睨みつけている。

アリアスが慌てて、フォローする。


「迅はなんていうか他人にあまり興味がないんです。別に悪い人じゃないから許してあげて。」

「そ、そうなのか。

まあ、お前たちにとってもナッシュたちは邪魔だろう。

それで俺たちは今の領主のルーカスのところに何人かスパイを送り込んでいてな。スパイによると明後日にお前たちのところをナッシュが襲撃させるらしい。」


そこでレイナが困惑した表情となる。


「どうして、ルーカスはナッシュに兵を許可させるのかしら。」

「ああ、多分それは」


フリードが応えようとするが、レイナが睨みつけて言葉を言わせない。

そして迅に目線で教えてと言ってくる。

フリードは軽く苦笑しながら話すのを止める。

どうやら構って欲しかったらしい。

迅はそう気づくと、はあとため息を吐くと、説明し始める。


「ったく。しゃあねえな。ナッシュは騎士団でも高い方の地位なんだろ?」


迅が確認のためにフリードの方を向くと彼は軽く頷く。


「高官がそんな騒動を起こしたら、騎士団の信用は失墜するだろう。そんなことはさせられないから騎士団としても多くの人を派遣して事件のもみ消しなり、早期解決を図るだろう。そしたら騎士団の本部はどうなる?ここまでいえばわかるだろう。」


そう言って、アリアスたちの方へ向く。


「そ、そうか。騎士団はまだ無派閥となっている。もし、騎士団長を殺してたらその実権は領主のルーカスへと移るってことね。」


そのままフリードが話を続ける。


「まあ、そういうことだ。ただ俺たちもこのままやられるつもりはない。

しかしだからといって騎士団としては表立っては動けない。もちろん騎士団長の俺もな。だからここにいる、サイモンとレベッカとお前たちでやってもらいたい。」

「ああ。だが騎士団からはあとで報酬はいただくからな。」

「ああ、わかっている。」


フリードと迅が悪い顔で頷きあう。


「あの2人結構似ているんじゃ...」


アリアスがボソリと呟くが、レイナとリリィに聞こえたのか猛反論にあう。


「ダーリンをあんなやつと一緒にしないで!!」

「そうです!御主人は至高の方なのです。」


そんなアリアスたちの会話に気付くことなく、迅たちは話を進めていく。


「で、夜襲は今日の夜だよな?」


迅がフリードへと尋ねる。


「ああ、奴らは夜には今貴族街にある領主の家にいる。」

「構成は?」

「元々は護衛の兵士10人程度だけだが今は騎士団20人と第一王子派閥の私兵が70人ぐらいだな。

家の見取り図がこれだ。」


そう言って、フリードは机の上へと領主の家の見取り図を出す。


「四方は柵で囲まれていて、出入り口は表門と裏門になってるのか。

兵士たちが主にいるのはどこらへんになっている?」

「多分ここだろう。」


そういうと、フリードは見取り図の一点を指で指す。


「なるほどな。」


迅がそういうと、したり顔になる。


「よし、全員集まれ。これから今日の夜襲の作戦を説明するぞ。」



「異常はないか。」


ルーカスの家の門番に見張りの兵士が問いかける。


「ああ、こっちは全く異常ないぞ。

それにしても夜の見張りって辛いよな。女を抱くこともできね〜。昼の見張りが良かった〜。」


1人の門番が愚痴をこぼす


「そう、ぼやくな。お前、明日は確か非番になっていたはずだろ?娼館にでも昼からくりだせばいいだろ?」


見張りの兵士が苦笑しながら慰める。


「ばっか。やっぱ女は夜に抱かねーとよ。気分が盛り上がらねーぜ。」

「じゃあ、明日の夜に向けて、朝までしっかり働いて夜の一戦に向けて英気を養うんだな。」

「それもそうだな。」


ガハハハと下品な笑い声まで聞こえてくる。

それを迅は遠くの領主の敷地の外から聞いている。


(おいおい、ここの門番緩すぎだろ。まあ、仕掛ける側としてはやりやすいから問題はないが。)


迅は内心で笑いながら、木の上でリリィからの報告を受けて待つ。


「どうだった?」


迅がリリィが現れると、結果を聞く。


「あそこの宿舎には50人ほどが寝ております。内訳は私兵が40。その中の魔法士は10人前後。それに騎士団10人前後ですね。

見張りは全員合わせて10人いて2人1組となっているようです。あとは領主の屋敷に待機しているようですね。」

「そうか。ま、あれやれば20〜30は引っ張れるだろ。」


迅は木の上から領主の家を見下ろしながら言う。


「それじゃ作戦始めるか。」


迅は続けてそう言うと、ある魔法を発動する。


「土魔法クリエイトアース。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


迅が放った魔法により宿舎で寝ていたものたちの下の地面に大きな空洞ができる。

そのため一瞬ではあるが大きな音がたち、宿舎で寝ていたものたちの一部目を覚ます。


「今、何か音が聞こえなかったか。」


起きたものが周りのものを起こす。


「気のせいじゃないか?」


同時に見張りと門番も地鳴りのような音を聞き、互いに話す。


「おい、今の聞こえたか。」

「ああ、聞こえたが。今のはなんだ?」

「さあ、わからん。地震でも起きるんじゃないか。」


二人は一瞬警戒するが、それも長くは続かず、さっきまで話していた内容をまた話し始める。


「いや、こいつらの質本当に低いな。普通ならそこで原因を確認するよ。」

迅はその様子をみてもはや苦笑も出てこない。


「それならそれでやりやすいけどな。」


もちろん迅の魔法はこれで終わりではない。


「水魔法クリエイトウォーター。」


この魔法により、さっき、迅が作った穴に収まる大量の水が注がれる。

だが、宿舎に入るもの、見張りのものも含めて誰もこの自体には気づかない。厳密には水がたまる音はするのだが、それは聞きなれない音ではないため誰も気に求めない。

迅はそのまま最後の魔法を使い、合成魔法を発動させる。


「火魔法ヘルフレイム。

合成魔法ホワイトアウト」

迅が魔法をその空洞に向けて発動したその瞬間。


ドッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン


と耳をつんざくような轟音とともに宿舎があった場所から大量の白煙、水蒸気と土砂などが噴き出る。それと共に、宿舎の真下で爆発したため、宿舎も同時に爆発し、瓦礫が飛び散る。

正門を守っていた見張りの兵と門番は、吹き出た土砂に当たり、埋もれている。

吹き出た土砂が領主の家のいたるところに落ちていく。

領主の家の至る所から迅の元へ様々な悲鳴が聞こえてくる。

そして家の中から私兵や騎士団の連中が30人程度外へと出てくる。

外の惨憺たる様子をみて、領主の家から外に出てきたものたちは一様に言葉をなくし、絶句する。


「な、なんだこれは。」

「何がおきたんだ」

「ま。魔法で起きたの...か?だがこんなような魔法聞いたことがないぞ。」

「そ、そんなことより今は生き残ったヒューマンを助けないと。」


一人の男が叫ぶ。

そう言われて冷静さを取り戻したのか、外に出てきた面々がまだ生きていそうなやつから、瓦礫から出していこうとする。

しかしその時正門の方で大きな音が。


ドオォォォォン


「今度はなんだ!?」

一人の男が叫び、正門の方を見る。

そこには正門の中心付近が丸く切り抜かれてその残骸が倒れている。

「なっ。バカな。あの門は分厚くできてるんだぞ。それを丸くくり抜くだと。」

男が門をじっと凝視していると、くり抜かれた門のところから一人の男が現われる。

グラデーションしているコートを身に纏った男。顔はフードを被っていて、見えない。

「なんだ、きさ....え?」

男が言葉を発した瞬間、コートの男が消える。

その男が認識した最後の光景はそれだった。



時刻は少し遡る。


「うお、結構でかい花火だなぁ。これでもかなり加減したんだけどなぁ。まだ改良する必要があるなぁ。」


迅は目の前の惨状を見ながら呑気にそのようなことを言う。

それを聞き、リリィは驚愕と同時に感激もする。

(あんな爆発を起こせるなんて。しかも、使った魔法はそこまでレベルの高いものじゃない。ヘルフレイムは例外だけど。それでもあんな爆発を起こせるものではない。

御主人は一体どうやって。

あの爆発を起こしても冷静なこの態度。

この人が私の盟約者。本当に私は幸運だったのね。)


リリィがそんな思いを込めて横の迅を見ると迅は顔を赤くし、頰をポリポリ掻いている。


「どうかしましたか?御主人。」


リリィは迅へと聞く。聞いてしまう。


「そのだな......」

「はい?」

「俺とお前ってさ心でも繋がってるじゃん?」

「ええ、まあそうですね。」


リリィはそう言われるが、迅が何を言いたいのかまだわからない。


「つまりだなさっきお前が考えていたこともだな...」


そこまで言われてリリィはようやく気づく。

自分がさっき考えていたことを迅も知っていて、それで顔を赤くしていたのだと。

そう気づいた瞬間、普段はクールなリリィの顔が真っ赤に染まっていく。


「ま、まあ気にするな。俺も嬉しいから。」


迅はそう言って、リリィの頭を撫でる。リリィも嬉しそうに目を閉じてそれを受ける。

少しの間そうしていたがそのままではダメと感じたのかやがて迅は真剣な表情となる。


「行くぞ。」


迅が何を言いたいのかリリィはすぐに察し、迅のコートへと戻る。

リリィがコートに戻ったのを体感で認識した迅は木の上から他の木へと移動していき、正門の前へと着地する。

迅は門番などにバレないためにあらかじめ正門から少し離れたところに待機していたのだ。

迅は一瞬思案する、


(どうする。普通にこの門を登ることはできる、だが、それだとインパクトに欠けて気づかないやつもいるかもしれないしな。ここはよくある感じでいくか。)


迅は一瞬でそう判断して、腰に携えている村正に手をかざす。

そして、右足を前に出し、左足を後ろにして、体を半身にする。

そこから門に向けて村正を一閃し、門を丸くくり抜く。

くり抜かいた門を蹴って向こう側に倒す。


ドオォォォォン


土煙が晴れるのを待って、迅がフードを被り門の中に入って行く。

あたりをゆっくり見回す。

一人の男がこちらに向かって声をかけてくる。

その瞬間に迅はその男の近くまで死角を通り、近づいて一閃。

その男の身体が2つに分かたれ、血が辺り一面に飛び散る。

迅はその死体を踏みつけ、怪しい笑顔で周囲で固まっている者たちへと話しかける。まるで散歩でもするかのように、そこで知人にでもあったかのような気楽さで。


「さあ、始めようか」

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