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15話 騎士団長との密会2

拙い文章ですがおねがいします。

「わりーな。こいつ、俺が思っていたよりも追い込まれてたみたいだ。」


フリードは気絶させたレベッカをベッドへと運んでいく。


「さっき喋りかけたことだよな??

説明してもらうぞ?」


迅が不機嫌そう様子でフリードへと尋ねる。


「もちろんそのつもりだ。

その前にこないだのナッシュたちの件すまなかった。」


そう言って、フリードが迅たちへと頭を下げる。


「なぜお前が謝る?」

「派閥は違うといっても、同じ騎士団だからな。一応身内ではあるからな。」

「そうか。お前もやはり派閥に入っているのか。しかし、表立っては表明していない。さっきそれをお前が話そうとしたときにあの女が遮ってきたからな。それにあの女の態度から考えると。

お前らはある派閥の人間だが、その派閥の勢力が弱いからか、他のグループか無派閥としている。しかし、お前らの派閥がいよいよもって危ない。

そんなところか?」


迅がフリードへと厳しい視線で問いかける。

その視線をフリードは笑いながら受け流す。


「ああ、そうだ。俺たちは第一王女のジュリア様の派閥に属している。しかし、今俺たちの陣営は壊滅状態でな。こうなったのも、元々ジュリア様は民に好かれるお人でな。民を第一に考えるお方だった。しかし、第一王子と第二王子は自己顕示欲が強い方でな。ま、いうなれば根っからの貴族主義というやつだ。

それでこの2人が一時共闘して、ジュリア様の派閥を潰しにかかったのだ。もともと数が少なかった派閥はそのおかげで壊滅状態。ジュリア様も逃げられたとは聞いているが、どこにいるかはわからない。

しかし私たち騎士団は基本的には王のものだからな、表立って派閥を表明していない。そのため私が王女派閥とはバレていない。今はだがな。」


そういって苦笑するフリード。


「露骨な派閥による分断はは今までなかったのだが。第一王子の派閥の勢力が強くなってきてな。騎士団にも」


そこでフリードが言い淀む。


「そうか。それで、なぜそれを俺に?俺たちから情報が漏れる可能性もあるだろう。実力もしかもわからないだろ。」

「ナッシュたちやレベッカはあれでも騎士団でも上位に入る奴らだ。それを息もきらせず倒している。それだけで充分だ。」


そこでフリードが一旦言葉を止める。


「だからはっきり言ってこれは賭けなのだ。

俺たちの派閥をいや、ヒューマン自体を救ってくれ!!

このままじゃ俺たちは滅ぶ。」


フリードが真剣な様子で迅に頼む。

その姿を見た迅は、即答する。


「もちろん嫌に決まっt「わかったわ!!」.....ん?」


迅の言葉を遮ってアリアスが答える。

リリィに合図をしてアリアスの口を黙らせる。

迅はアリアスを睨みながら慌てて言葉を紡ぐ。


「いや、待て。こっちで話がまとまっていない。

参考までに聞くがもし、お前らに協力して国を奪った場合は?」

「私には何も決められん。

しかし、ナッシュたちはしつこいからな。」


そう言って、ニヤリと笑う。


(こいつ昨日のことを知っているな。)


フリードがそのまま話を続ける。


「このままつきまとわれても邪魔だろう。奴らは完全にお主を恨んでいるし、完全にマークしている。

しかし、今もしこの街の奴らの勢力が滅べば?

王都での勢力に伝わるのはかなり遅れるだろう。

そして俺たちは奴らの情報も持っている。

結果!奴らの勢力には痛い目にあってもらいたいんじゃないか?」

「はぁ。なるほどな。その点に関しては合意できるな。

しかし仲間と相談しなければいけないこともある。

いつまで待てる?」

「明日の朝までだ。それで十分だろ?」

「ああ。一回宿に戻る。外まで案内してくれ。」

「ああ、わかった。」


そういうと、フリードはレベッカを寝かせ、出口へと向かって歩き始める。

その後ろに迅たちもついて行く。

歩いている途中アリアスから小声で質問してくる。


「なんですぐに頷かなかったのよ。」


迅はその言葉を無視して歩き続ける。

アリアスもその態度で迅が今は喋るつもりはないと悟ったのか黙る。

そして、来た時と同じように何回も曲がり、元の小さな家へと戻る。

フリードは元の家まで戻ってくると、迅へと小声で言ってくる。


(次の襲撃は明後日らしいぞ。)


そう言って、また地下へと戻って行く。

迅たちはそのまま小さな家から出て行く。

道はくる時とは違い、一本道となっていた。


(どうなっている?)


迅は疑問に思いながらもその道を進んでいき、大通りへと出る。


「明日の朝、ここの噴水に居てくれ」


と言いフリードは去っていった。

黄金の豚亭に着く頃には夕方になっていた。そしてそのまま黄金の豚亭の部屋へと戻る。


「さて、お話をしようか。」


アリアスがその迅の言葉を待っていたかのように、開口一番に話し出す。


「なんで彼の言葉を受けなかったのよ。

このウルスラの存亡がかかっていたのよ。民からも好かれていたとも言っていたし。」


その言葉を聞いた一同は頭を抱える。


「お前。マジで言ってるのか。

その王女が、本当に民からも慕われていたのが本当かわかるか?あいつらが信用できるかどうかわかるか?

お前、ルーン村で一度相手の言葉をまんまと信じて騙されてるだろ。人の話をそう簡単に信じるな。そのまま鵜呑みにするな。自分の頭でしっかり考えろ。」



迅はいつになく厳しい声音でアリアスへと言う。

リリィとレイナも迅と同意見なのか何も言わない。ただ無言で頷くだけである。

しかしアリアスだけは頷かない。


「大丈夫よ。彼の言っていることは本当よ。元女神としてこれは言うけど、彼女は慕われていたわ。」


嘘は言ってないと目もそらさずに、アリアスは言う。


(そういえば、元女神なの忘れてた。)


「なるほどな。ならそこは信じよう。しかしあいつらが信頼できるかはわからないんじゃないか?


「それは......。」


そこからの言葉が続かない。


「ほらな。だから、情報の裏付けが必要なんだよ。そのための時間だ。まあ、大丈夫だとは思うが。

リリィ頼めるか?」


迅は、リリィの方へと向き直って言う。


「仰せのままに。」


そう言うと、リリィの姿がふっと消える。

それを見たアリアスとレイナが驚愕の顔をする。


「だ、ダーリン、り、リリィは? 」


レイナが迅へと聞く。


「ん?どうした?驚いて。

あ、そっか。この能力はお前らにはいってなかったのか。

あいつ、元々精霊だろ?だから俺のマナを与えて擬人化してるわんだよ。で、擬人化だけなのかって話。他にもなれて、今は精霊状態になって情報収集に行ってもらったわけ。この状態は盟約者の俺にしか見えないのか。」

「そ、そうなの。リリィもなかなかチートね」


レイナが苦笑気味に答え、アリアスも下を向きながらも頷く。


「まあ、そんなことはどうでもいい。話を戻すぞ。

ナッシュたちの件だ。あいつらは多分また来るだろう。俺が相当やったが、あの手のやつらはまた来る。さらに仲間を連れてな。だが、また迎え撃つのは正直めんどい。だからそうさせないために奴らには俺たちにこれ以上関わりたくないと思わせる必要がある。

だからこちらから仕掛ける。」


その言葉にアリアスとレイナも頷く。


「だからとりあえずこの街にいる間はフリードたちと協力しようと思う。」


その言葉にアリアスが嬉しそうな顔をする。


「だが、一時的にだ。

その後のことは分からない。」


(しかし、将来的に魔人たちと戦うことを考えたら戦力をある程度増やした方がいいか?

いや、それは後だな。今は目の前の問題だけを考えるか。)


「リリィが戻ってくるまでは時間がかかる。

腹も減ったし飯でも食べにいくぞ。この時間なら食堂も空いてるだろ。」


迅が、そう言った瞬間、


ぐうううううう


と誰かのお腹の音が鳴る。

迅がその音に気づきそ〜っと顔を上げると。

アリアスのレイナの顔がほのかに赤くなっている。


「しょ、しょうがないでしょ?生理現象だし」

「だ、ダーリン。別に食いしん坊って訳じゃないんだからね。そ、そう。タニアオバチャンのご飯がとてもおいしいから。ご飯って聞いて思い出しちゃって。」

「そ、そうよ。ここのご飯はホントに美味しいからよ?」


アリアスとレイナが慌てて弁明し出す。


「ああ、分かってるよ。ここのご飯は美味しいしな。

ほら行くぞ?」


迅は苦笑しながら部屋のドアを開ける。


「「あ、ありがと。」」


そう言って、二人と一緒に出ていく。

食堂へと行くと、まだ夕方の五時過ぎのためかあまり人はいない。

レイナはタニア姿を見つけると声をかける。


「おばちゃーん。今日のご飯は何ーー??」


その声で、タニアは迅たちに気づく。


「おお、あんたたちかい。今日はね野菜のスープと

白身魚のあんかけ、白身魚の天ぷら、それにご飯とパンだよ〜。

待っててね今準備するから。」


そう言ってタニアは厨房へとかけていき、主人のトーマスへと話す。

ものの数分で料理が迅たちの元へと運ばれてくる。

天ぷらとあんかけがそれぞれお皿いっぱいに盛られてやって来る。


「お〜うまそ。」


運ばれてきた料理を見て迅の顔がゆるむ。

アリアスとレイナを見てみても、料理に夢中になっていて迅に見られていることにも気づかない。


「いただきます。」


1口、天ぷらを食べると中に魚の旨みが広がっていく。

あんかけを口に運ぶと天ぷらとはまた違った食感で、骨もすべてとられていて食べやすい。

料理を食べている間、誰も一言も声を発さずに黙々と食べる。

あんなにあった料理が3人の手によって瞬く間に無くなってゆく。

食べている所にタニアが笑顔でやってくる。


「味はどうだい?美味しいかい?」

「美味しい!!(です)」


それに嬉しそうに笑って答えるタニア。


「あ、そういえば屋根の上に石槍とか氷とかが所々にあったんだけど何か知ってるかい?」

その言葉に迅の顔がにわかに引き攣る。


「さあ、分からないわね〜。戦いでもあったのかしら。」


アリアスが冗談気味に、迅の方を流し見ながら答える。

迅の顔がさらに引き攣る。


「そうかい。まあ戦いやるんなら他所でやって欲しいものだね。」


タニアもさり気なく迅の方を流しみる。

完全にバレているらしい。

その姿を見たアリアスは仕返しが成功したような顔をしてに無邪気に笑う。


(今度は場所移して戦うか。

てか、よくよく考えてみればあいつらが元々いけないよな?)


迅のナッシュたちに対する恨みが増したのであった。

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