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14話 騎士団長との密会1

拙い文章ですがお願いします。

迅たちが噴水へと着くとそこには多くのヒューマンがいた。


「やっぱ昼時だからヒューマン多いね〜。で、例の騎士団長様はどこにいるのかしら。」


レイナがそう言いながらあたりをチラチラ見ていく。

迅たちも周りの様子を伺うが、それらしき人影は一向に見当たらない。だが、彼らは1人のおかしな人物をその視界に捉えていた。


「確か、騎士団長のフリードって人は30代ぐらいの金髪の人だったよね、ジン?」

「ああ、そうだったはずだ。だが...

おい、フリードいつまで後ろで気配を消しているんだ?」


迅がいきなり背後に向かって喋り始める。

すると後ろに立っていた白いフードを被った男が答える。


「やはり、気づかれていたか。どうやら他の者たちも気づいていたようだな。なるほど、それなりの実力はあるようだ。

それよりも私は1人で来て欲しいと書いたつもりだが?」


フリードが迅に咎めるような口調でそう言うが、迅はどこ吹く風と

「あ?馬鹿正直に1人で来る奴がいるかよ。ましてや敵か味方かもわからない奴のとこに行くんだ。」


迅のその言葉に、フリードは笑い出す。


「そりゃそうだ。

まあよい。どうせお前の仲間ということはこれからの話題に関わって来るだろうしな。

ここではゆっくり話もできまい。場所を変えるぞ。」


そう言って、フリードは歩き始める。


(昨日とは少し雰囲気が違うな。

仲間を斬られてもっと感情的になっていると思ったが)


迅の戸惑いの雰囲気を感じたのか、フリードがまた喋り出す。


「戸惑った顔をしているな、迅。」

「まあな。昨日とは打って変わって穏やな感じだからな。てっきりもっと感情的かと思ってたんだが。」

「疑問に思うのも当然だな。まあ、それも後で話す。今は誰が聞いてるか分からないからな。

少しスピードを上げるぞ。」


そう言うと、いきなりフリードは走り始める。


「はぁ。まじか。」


そういいながら、迅も走り始める。

その後を追うアリアスたち。大通りには大勢のヒューマンがいるが、その中をフリードと迅は颯爽と駆け抜けて行く。

そんなことを続けていると突如、フリードが大通りの脇にある小道へと入る。

その後を追って、小道へと入ると、小道の奥にはいくつもの分岐があり、その先は迷路のようになっている。


(はは。まじか。)


そんな迷路をフリードは迷いなく、右に左にと曲がって行く。

それを15分ほど続けていると、1つの小さな家の前へと出る。


「ここか?」


迅がフリードへと問いかける。

フリードは何も言わずに玄関の扉を開け、迅たちを中へと促す。

全員が中へと入ると、フリードは家の扉を閉める。

家の中には、机と椅子2脚、棚、ベッドなど必要最低限のものしか置かれていない。


「ここは生活感があるように出してはいるが実際には住んでないな。のわりに床には埃などは溜まっていない。それにここまで来るために作られたあの巧妙な迷路。

なるほどな。

というか、フリード、いつまでここにいるんだ?早く目的地に行こうぜ。」


迅がそう言うとフリードがニヤリとする。


「さすがに感がいいな。」


そう言うと、フリードは近くにあった机をずらし始める。

机をずらし終わると、今度はベッドの下に手を入れる。そこで何かを手探りで探し、少しするとベッドからカチッという音がする。

すると、元々机があった場所に地下へと続く階段が出て来る。


「すごいね〜。」


レイナが感心した様子で声をあげる。

アリアスとリリィもまた驚いた様子をしている。

その中で迅は平然とした顔をしている。地球でこの手の仕掛けがあることは知っていた。実際には見たことは無かったが。そのためアリアスたちほど驚かなかったのである。

アリアスも元女神なら知識としては知ってそうなもんたがなぁ。

フリードはそんなアリアスたちの様子を一瞥すると地下へと続く階段を降りて行く。

迅たちもその後に続いて地下へと降りて行く。

階段を降りて行くにつれて、中は暗さを増して行く。そして降りていく途中で上からの光がとうとう途切れる。

迅たちが疑問に思ったのを察したのか、


「ああ、あの扉は一定の時間が経つと閉じるようになっているんだ。」


そう言い、いつのまにか持っていたランプのようなものに光を灯す。


「この先にある場所にいくぞ。しかし、ここもまた複雑な道になっている。はぐれるなよ?」


そう一方的に言ってフリードはまた歩き始める。

左右へと曲がり、歩いているとアリアスがフリードへと問いかける。


「ねえ、ここはどこなのかしら?かなり複雑に入り組んでいるようだけど。」

「ああ、ここか。オアケスの街の地下に張り巡らされた緊急事態の時に街の外へと逃げるために造られた地下の脱出通路だ。ここは歴代の騎士団長と腹心の部下たちの数人しか知らない。」

「いいのか?そんな簡単に教えて。」

「はは。1回通ったぐらいじゃ覚えられないさ。」


フリードは説明し終わると、また無言で暗い通路を歩いて行く。

数分すると、通路の先に光のようなものが見え始める。

その光へとたどり着き、その光の中へと入って行く。

光の中は大きな広間となっており、ベッドが数台に、机と椅子などが置かれている。

その机に1人の女が下を向いて座っている。

俺たちの足音に気づくと、顔をあげる。

フリードの姿を確認すると即座に椅子から立つ。

それで、迅たちにも女の姿が完璧に見える。

その女は蒼髪蒼眼で、その蒼い髪を後ろで1つに束ねている。そして、圧倒的な存在感を放つアリアスたちとは対照的に胸が寂しい。


「おかえりなさいませ、フリード様。」


フリードはそれを見て、軽く手をあげる。


「ああ、見張りご苦労だった。」

「いえ。それでその者たちが?」

「ああ、そうだ。

お前らもいつまで立っているんだ。そこらへんにかけてくれ。」


そう言うと、フリードは椅子へと座り、その横に女が立つ。

フリードに言われ、アリアスたちは3人揃ってベッドへと腰掛ける。


「紹介が遅れたな。こいつは俺の部下のレベッカだ。」


レベッカが軽く頭を下げる。

迅もまたフリードの前面の席へと座る。


「それじゃ、質問してもいいか?」

「ああ、いいぞ。」

「なぜ、騎士団長のお前がこうして、俺たちと会うんだ?しかも非公式に。こんなに厳重にして。」


そう迅が聞くと、フリードがニヤリとして言ってくる。


「聞かなくても、大体予想できてるんじゃないか?」

「ああ、まあな。

簡単に言うと、騎士団、衛兵たちもか。まあそこが内部分裂している。つまり、派閥争いみたいな感じか?」


「どうしてそう思う?」

「まあ、あの下っ端の風の憩い亭での態度とお前の俺たちに対する態度だな。」


「ふっ。そうか。

まあ、大体はあっている。衛兵も騎士団がだしているしな。だが、これは騎士団の派閥争いではない。この国の派閥争いだ。

それで、騎士団もな。お前たちはルーン村から来たそうだな。今の情勢は知っているか?」

「王が死にかけなのだけは。」

「そうか。それが発端で後継者争いが起きてな。元々は今の王の直轄地なのだが今のこの街は第一王子の支配下でこの街の領主もその支配下にはいっててな。騎士団の中にもその派閥がいて好き勝手しているのだが、その勢力には手を出せない。

ここまで言えばわかるだろ?」

「なるほどな。だが、それが全てではないだろう?」


迅の言葉に反応したのは、レベッカだった。


「団長、こいつらは本当に信用できるのですか?役に立つのですか?」

「ああ、迅たちはナッシュたちと争っている。

奴らの派閥ではないのは確かだ。しかもあのレイナもいる。派閥には入ってないだろう。」


その言葉にレイナが、少し驚く。

その反応を見抜いたのかフリードは言う。


「眼の色を変えても気付くよ。お前は有名だったからな。」


だがレイナは何も答えない。


「やはり、俺らには言葉は発さないか。」


フリードは苦笑気味に言う。


「派閥に所属してないのは理解できました。

しかし実力は?

ちょっとやそっとの力じゃ奴らはどうにもできませんよ?」


レベッカは訝しむ様子で迅たちをみながら言ってくる。

それを聞いたアリアスたちはムッとした表情をする。

その様子をみていたフリードは迅を見てニヤリとする。


(嫌な予感がするなぁ。)



迅の予感は的中し、

「ならレベッカ。お前自身で試してみろよ。

ああ、だがどっちも殺すなよ?」


レベッカはその言葉を聞くと、壁に立てかけてあった剣をとり、迅の方に向けて構えをとる。

はァと言いながら立ち上がり村正を抜刀するがやる気は見えない。


「どうした、構えないのか。」


レベッカが困惑した顔で聞いてくる。


「きにすんな。さっさとかかってこいよ」


迅はだらけた姿勢のままである。

その様子をレベッカはなめられていると考えたのか、顔が赤くなり、目つきも鋭くなってくる。


「なめやがって。」


そう言って、真正直に突っ込んで斬りかかってくるレベッカ。

10メートルの距離を一瞬で詰めてくる。

それをみた迅は同じスピードで後ろへと下がる。


「逃げるなぁ。」


レベッカがそのまま突っ込んでくる。


(バカかよ。)


迅は内心でそう呟くと、レベッカの剣を直接受ける。

そのまま鍔迫り合いをする形になる。

レベッカは力で押しこもうとする。

迅はレベッカと同程度の力をかけ、均衡を保つ。

それに焦れて、レベッカはさらに力を入れるために前ががりになる。

その瞬間、迅が村正を引いて、横にずれる、と同時にレベッカの足をかける。


「え?」


レベッカの間の抜けた声が聞こえる。

そして、そのままビターンと前に倒れる。

それをみたフリードはあちゃーと言う具合に手を頭に当てる。

迅は一瞥もせずそのままさっきまで自分が座っていた椅子の方へと歩き始める。


「まて。」


レベッカがそう言いながらゆらりと立ち上がる。

その声音からは怒りの雰囲気が感じられるが、迅はレベッカのその言葉を無視する。


「待て!無視するなーー!!」


無視されたことが我慢できなかったのか、それとも心の中で何かが爆発したのかはわからないがレベッカはそう叫ぶと、魔法の詠唱をし始める。

迅は立ち止まると、頭に手を当ててやれやれと首を振る。


(ああ、あの感じダメだなぁ。冷静さを完璧に失っている。最初見たときからピリピリした感じだった。もしかしてこいつらの今の状況ってかなり...。)


迅がそう考えているうちにもレベッカの詠唱は進んでいく。


(考えてる場合じゃないか。ここで魔法を発動させるわけにはいかない。まあ、アリアスたちなら大丈夫だと思うが。)


アリアスたちの顔を見ると一様に困惑した様子でレベッカと迅を見ている。

迅はアリアスたちに向けて手を軽く振ると、安心した様子となる。


(一回意識を奪うか。)


迅はそう考え、レベッカの方へと向き直り、一歩踏み出し意識を奪おうとしたその瞬間。


トスっ。


レベッカの首の後ろに手刀を当てたフリードがいた。

フリードは俺たちに向けて苦笑を浮かべる。


(めんどくさいことになりそうだなぁ。)


そんな光景をみながら思う迅であった。

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