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1話 出会いはいつも突然に

拙い文章ですがお読みいただけたら光栄です。

処女作となっております。


【あらすじ、取り戻すさせた→取り戻させた】俺、神楽坂迅は考えていた。


「どうなってるんだ?」


周りには様々な樹が生茂り、その樹には見たこともないような虫が群がっている。空は澄んだ青色で、太陽が真上に来ているため今は昼時らしい。


なんで俺はこんなところにいるんだっけ。たしか俺は部屋で姉さんと二人で寝ていたはずなのに……。


「あー、ありさ姉さんに会いたいな。」


一旦深呼吸をして心を落ち着ける。


まず大事なのは状況整理だな。今俺は一人で特に持ち物は何もなし。寝た時に着ていたジャージのままか。

どうやら森?の中にいるらしい。そして奇妙で見たこともない虫が飛び回っている。……いや訂正。虫が奇妙なのは元からか。

と、そんなことはどうでもいいな。


迅は人知れず自嘲すると気を引き締め直す。


人のいる気配は……っと。それもないか……。


てことはだ。


「もしかして詰んでね?」


大声で叫んで見るが、やはり聞こえてくるのは奇妙な虫か飛ぶ羽音だけ。

それから何度か叫んでみるがやはり反応はなし。


「こうしてても埒が明かないか……。」


とりあえず周辺に人の痕跡がないか探してみよう。




said ???


くっ、私がここまでやられるなんてありえない。残りのマナもわずかだけだし。

でもこのまま逃げててもいずれやられてしまう。これが私の最後の力になっちゃうけど一か八かあれをやるしかないわね……。

あまりギャンブルは好きじゃないのだけど。


一度深呼吸をして、マナを練り魔法を行使する。


「無作為転移!」


女がそう言った瞬間、辺りには閃光が弾ける。そして次の瞬間には女の姿は既にそこにはなかった。





「ふぅ。」


あれから森の中を歩いてとりあえずこの森から抜けられそうな道は二つは見つけたが…………。さてどっちに行けばいいんだ?


迅があれこれと考えながら空を見ていると、ふと真っ青な空に小さな黒い点が現れたことに気づく。


なんだあれは?新たな虫か?


それは段々とその姿を増していく。虫よりも明らかにサイズか大きい。それはちょうど人ぐらいだろうか。


「きゃあああああああああああああああああああああ」


「げ。」


何かの物体もとい、人らしきものが一直線に俺の方へと向かってきている。いきなり過ぎて迅も微動だにできない。


やば、避けきれな‥‥



バチぃぃぃぃん





「……じ………で……?」

誰かの声が聞こえてくる……気がする。というかこの感触、姉さんに似てるなぁ

迅は気持ちのいい感触を手のひらに感じて、モニュモニュとさらに手を動かす。


「そ……い………すか?」


うるさいなぁもっとこの感触を感じたいのに。


若干イラつきを覚える。それを表してか迅の手の動きも荒々しさをます。

それがまずかった。


「その手を離しなさいって言ってんのよ!!もう気絶してないことはわかってるんだから!!」


迅の頬に新たな痛みがはしる。


「いったぁぁぁ、何すんだよ。さっきぶつけたところが………………」


そう言って、前を向くと、そこには姉さんにも負けないような絶世の美女がいた。


「何よ。文句あるの? いいからその胸を触ってる手を退けなさいよ。」


そうなのである。俺が温もりを感じていたのは女性の包容力を想起させる部位つまり胸だった。


「あ、ああ。悪いな。君が美人すぎて胸を触っていることに気づかなかった。しかも姉さん以外に見惚れたことなかったからさらに驚いてな。」


「な、何言ってんのよ。女神なんだから当たり前でしょ? わたしは女神に匹敵するあなたのお姉さんが逆に恐ろしいわよ。あなたの言葉が本当ならだけどね。」


彼女は俺の手を払いのけ、器用に立ち上がる。


「そんなことよりもあなたは一体どうなっているの??この世界の人の気配はしないし、服装もこの世界では見たこともないものだし。」


「俺の名前は神楽坂じn「ああ、はいはい名前からしてこの世界っぽくなさそうだし面倒だからあなたの情報見させてもらうわね。」


彼女は俺の頬に手をやり目をつぶるのどこかに意識を集中させていく。俺はというと彼女の顔の近さや、彼女のスタイルの良さに若干だがどぎまぎとしていた。


姉さん以来だなこんな感じは。


名も知らぬ美女の髪は腰まで届くような煌めくような銀色、その目は何者をも見透かすかのような蒼眼、くるりとカールした睫毛、世の男が一度は奪って見たいと思うようなぷっくりした唇、その双丘に埋もれて見たいと考えさせてしまうよつな豊かな胸、そこらのモデルが見劣りするような優雅な脚線。全てが揃っている。

俺はそんな意識を振り払い彼女に向きなおる。


「これは何をしているんだ?」


「あなたの情報をみさせてもらってるのよ。」


「なんでそんなことができるんだ?」


「さっきから言ってるでしょ。私は女神だって。さっきあなたの上に転移しちゃってもう女神の力ほとんど残ってないんだけどね。……はい、完了っと。なるほど。そういうことだったのね。」


「さっきから女神とか言ってるけどおまえは誰なんだよ。」



「おまえとは失礼ね。私の名前はアリアスよ。本当はもっと長い名前があるのだけれど女神の力が完全に戻った時にあなたがもし生きていたら教えてあげるわ。そうね、アリアス様ってお呼びなさい。」


「じゃあアリアス、聞きたいんだがここはどこだ?」


「呼び捨て!?まあいいわ。えーと場所だったわね。分からないけどみた感じルーンの森ぽいわね。追手を振り切るために無作為転移したから。て、いっても分からないか。あなた異世界人だものね。」


迅はそれを首肯する。


この女が正しければどうせ知られている事だ。

はぁとアリアスはため息を吐くと、


「今あなたがどういう状況だと考えているのか教えてくれるかしら?」


「俺がさっき見た限りでは、この森の植物なんかは俺は今までに見たことはない。さらに情報を見れたりできるらしいからここが地球……ではないらしい。どこかは分からないが。そして魔法が使える世界なのもな。これはいきなりお前が何もない上空から現れたからだな。ヘリとかもなしに。まあ、俺らの世界よりも発達した科学の可能性もあるが、どういう原理か分からないから俺にとっちゃ魔法と変わらない。まあそれぐらいだな。」


「合格よ。意外と冷静なのね。ある程度分析もできている。」


アリアスは感心した様子で俺のことを見てくる。


「いや見たまんまを言っただけだよ。とりあえず俺の考えは話した。今度はお前にちゃんと今の状況を説明してほしいんだが。」


「いいわよ。と言いたいところだけどこんなところじゃいつ魔族、魔獣に襲われるか分からないわ。一旦この森を抜けて、町か村を探しましょう。もしここがルーンの森ならばここから北に1日ぐらいの所にヒューマンの村があったはずよ。その道中にあなたが聞きたいことに答えてあげるわ。」


「そこは大丈夫なのか?」


「そう構えなくていいわ。ヒューマンは今衰退していっているから、同じ種族は大体は迎え入れてくれるはずよ。」


アリアスの話が全て本当かどうかは分からないが、俺よりは地理は分かりそうだし、とりあえずついて行ってみるか。いざとなったらあれを使えばなんとかなるし……。



「なあアリアス、この世界は俺がいた世界とは違うのか?」


森の中を歩きながら、アリアスへと尋ねてみる。


なるべく早く情報を知りたい。


「ああ、あなたにまだ何も説明していなかったわね。いいわ。この世界はあなたのいた世界とは別の世界。あなたたちの言葉で言えばここは異世界ね。名前はポラリス。迅の言う通りさっきのは紛れもなく魔法よ。この世界は化学ではなく魔法が発展した世界なのよ。」



「魔法か…………。魔法というものの概念がイマイチ分からないんだが。」


「魔法というのは、体内にあるマナを使って自分のイメージを発動させるものよ。そして魔法を使うとこのマナが減少していくわ。魔法の強さによってマナの消費量は変わってくるのよ。ここまではいい?」


「ああ。」


ここまで聞く限りは地球のファンタジーとかの魔法とさして変わらない。


「魔法には7つの系統があり、火、水、風、土、光、闇、無属性 があるの。ヒューマンにはそれぞれ適性があって一般のヒューマンは1〜2属性、優秀なヒューマンだと3〜4属性を使えるわ。5属性以上使える人は天才と呼ばれてるわ。無属性魔法を使えるものはヒューマン、獣人、魔人でもあまりいないわ。まあどっかの誰かのそれは無属性だけどね。」


アリアスはそう言って意味深に迅へと微笑みかける。


「アリアス、お前、俺の能力知っているのか?」


「さっき言ったでしょう。あなたの情報を見させてもらうって。それであなたのことは大体は分かったわ。あなたの能力が簒奪者だとはね。まあ制限もあるみたいだけど。どんな制限かは分からないけどまあ想像はつくわよね。」


この女神、結構抜けめないのかもしれないな。敵か味方かも分からないし。今のところは敵ではないみたいだが……。



「それよりまだ話が終わっていないぞ。この世界について教えてくれるんだろう?」


迅は話の続きを促す。


「掴めない男ねあなたも。この世界に存在する種族は大まかに分けて3つよ。さっきもちょっと出てきてたけど。まずはヒューマン。これはあなたと同じ種族よね。あなたの世界では人間だったかしら。次に獣人。この種族は運動能力が高く、体術系を得意としているわ。魔法も使えるけどね。最後に魔人族。この種族は魔法を得意としていて、魔法主体だわ。だからって体術が弱いわけでもないの。そしてこの3種族は古代の時代から争い続けているの。言語も一緒なのにね。」


アリアスは寂し気に笑う。


まあしょうがないよな。地球でも種族は同じでも国という違いで戦いはいつの時代もあったし。


「この世界は三つの大陸に分かれていて、それぞれの大陸はヒューマン、獣人、魔人が治めているの。ヒューマンが納める大陸 ”ウルスラ” 獣人が治める大陸フォレスト、魔人が治める大陸ラガー。

そして今ウルスラは魔人によって滅ぼされかけてるわ。その一方的な蹂躙を止めようと、私が戦いを止めようとしたら他の神々に邪魔されてしまったの。それで力のほとんどを奪われてしまって、あなたにはそれを取り戻すのを手伝ってもらうわ。わたしの力は各地の魔人の幹部たちが持っているわ。こいつらは72柱いて私の敗北によってヒューマンの滅亡は加速しているわ。」


そんな一方的に負けるものかとは思うが今は言わない。結局自分の目で見なければ分からないことだ。


「そりゃまた大層なことで。」


「そしてここからが重要。わたしの力を取り戻す手助けをするのがあなたのわたしの情報に対する対価よ。ちなみに女神の力が全て戻ればなぜあなたがこの世界に転移してきたのかわかるかもしれないわ。結果的に女神の力が役立つはずで力を貸すと言ってるのだからこれはあなたにとってもいい条件のはずだけどどう?ぶっちゃけると今はあなた以外に頼れる人がいないの…………。お願い、私と一緒に世界を救って?」


なぜかアリアスは潤んだ目で見てくる


めんどくさいな。この詰みかけの世界を救えだと?しかし利点もあるしなぁ。俺もこの世界では右も左も分からない。自称女神だが情報を色々知っているし。一人ではきついものもある。手伝う…………しかないよなぁ。わけも分からぬところで遭難もしたくないし。それに姉さんに匹敵する上目遣い。この女、策士かよ。ていうか女に対して耐性無さすぎかよ俺。


俺は鬱屈とした気持ちになりため息を吐く。


「わかったよ。お前の手助けはしてやる。ただし条件が一つだけ。隠し事はなしだ。お前の今の情報も教えろ。どんな魔法が使えるかと制限など全てだ。もちろん俺の能力についても包み隠さず話す。これでフェアだろ?」


「そうね。これから長く付き合っていくことになるわけだし。

改めてよろしくね、ひねくれ者の神楽坂迅君」


そう言ってアリアスは俺に向かって手を差し出してくる。

俺も応えるように手を彼女に向かって差し出す。


「よろしくな自称女神のアリアス様」


互いに皮肉を言いながら手を握り合う。

ありん限りの力を込めて。

お読みいただきありがとうございます。

不定期更新です。

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誤字・脱字などの修正をしました。

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