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いつの日か  作者: ぞーんG
26/27

第3章 第26話

次の日2人は半日と僅かな時間ながら

外出許可をもらえたので、

まず婚姻届を提出することにした。


車中で心はそわそわして落ち着かない様子だったので

太陽がどうしたの?と言わんばかりに

首をかしげると


「今この瞬間で私以上に幸せな人はいないって思うの

運命の人に出会えて、付き合って、結婚することになって

その直前のこの瞬間…幸せで幸せって言葉の表現しかできないけど幸せなの」


心が心から微笑んでいるのが分かった。


今は病気のこと、過去のことすべてを

忘れ、今を生きて前を見ている心を

見ると


「心と同じくらい幸せな人がもう1人いるよ?ここに…」


と思わず言った。


2人は役所へ着くと小走りで中へ入り

提出した。


受理されたときの心は幸せで包まれる

不思議な感覚だった。


太陽はその幸せで包まれている心に

自分の幸せも少し渡すように

頭を撫でて


「これからもよろしく」


とだけ伝えた。


そして2人はまだ残っている時間があったので

2人の家へと向かった。


前日、どこへ行きたいかと悩んだ心は

家で手料理を振る舞いたいと

言ってくれたのだ。


心は料理上手で料理を作るのも好きだった。

そして太陽は食べるのが好きだったので

心は美味しそうに食べてくれる太陽を

見ていると幸せな気持ちになり

太陽は美味しい手料理を食べれると

幸せになるのでと心が貴重な時間を

使ってでも、この幸せを結婚後に

感じてみたいと思ったのだ。


そして心は昔太陽が好きだと言っていた

カレーを作ることにした!


食卓を囲む2人だが

太陽は毎日こうしていられるように…

と思い、心は毎日こうしていられたらいいのに…と

微妙に違う2人の感情が混ざり

静かな時間を刻んだ。


食べ終わる頃


「あと1時間くらいしたら戻らないとね」


と心が寂しそうに呟く。


太陽は優しく抱きしめ


「帰したくないよ…」


と心に聞こえるか聞こえないかの声で

呟くと心が


「ん?」


と聞き直してきたのでそのまま唇を重ね

2人は1つになって外出許可時間を迎えた。


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